第九章 幸せのカタチ
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店長からエッグを渡され、これで2つ手に入れることができた。
さすがにこれは返さないといけないのかと聞くと、なくても島のみんなは幸せでいられる、とのことでありがたく頂戴した。
ボストニアス号に戻ると、先生とアーリアとサーロインさんが、レイモンドさんに事の成り行きを報告し始めた。
手持ち無沙汰のあたしとルークがソファに座っているとレミが目を輝かせて話しかけてきた。
「ねぇ、エッグも早めに手に入ったし、まだお昼すぎだから、この後、自由時間とかにならないかしら」
「あー、それは楽しそう!」
「マルチノでの写真、まだ撮り足りないのよね」
「だから、遊びじゃないんですよ二人とも」
「ルーク君、息抜きというのも時には必要なものだよ」
「そうよ、ルークだって本当はもう少しマルチノを堪能したいんじゃない?」
「そ、それは…」
そうと決まればとあたしたち3人は羨望の眼差しを先生たちへ向けて話が終わるのを待った。
そして話が終わったのかサーロインさんがこちらへ振り返った。
「さぁ、そろそろ出発しよ…どうしたんだい、3人とも」
「あ、出発っすか…」
「まぁ、そうよね…」
「僕は別に…」
あきらかに落胆した様子の3人に首を傾げるとそれを見ていたレイモンドが口を開いた。
「申し訳ありません、旦那様。もう少しボストニアス号のメンテナンスを行ってもよろしいでしょうか」
「…あぁ、なるほど。問題ないよ」
「お2人とも、お気遣いありがとうございます」
「?」
「ということで当初の予定より時間があまったからこの島で少し休もう」
サーハイマンの言葉にレイカ・ルーク・レミは歓声を上げ、頭に?を浮かべたアーリアを連れてボストニアス号を出ていった。
苦笑いを浮かべるレイトンとサーハイマンにレイモンドは日焼け止めと水筒を手渡した。
調査ではなく自由時間としてビーチに行くと、さっきより空も海も広く感じた。
「と言っても水着がないから泳げないですよね」
「そこはしょうがないわね」
「ここでは水着がないといけないの?」
「泳ぐなら水着は必要だけど、海を楽しむ方法は他にもたくさんあるわ!」
「そうだよ!よーっし、手始めにサーロインさん埋めようぜ!」
「レイカくん?」
サーロインさんを砂に埋めることは残念ながら出来なかったが、砂のお城作りや貝殻集め、
日が暮れて海に沈む夕陽を堪能した後、あたしたちはマーケットに移動した。
ライトアップしたマーケットは昼間の時とは違った雰囲気をしていた。
「せっかくだしお土産も買っちゃいましょ!」
「でも、ポポンチョだらけですね」
「星の砂とかないのー?」
「星の砂?」
「なんですかそれ」
「え、知らない?」
「ちっちゃい小瓶の中に星形の砂の粒が入ってるの。海の近くの観光地とかでよく売ってるやつ」
「えー?本当に星の形の砂なんてあるんですか?」
「それは恐らく有孔虫の殻だろうね」
「え、嘘!あれって砂じゃなかったの!?」
サーロインさんに夢壊されたーと嘆くレイカに弁解のため知識を披露するサーハイマン。
その会話からレイトンはあるものの目星を考えていた。
その後お土産タイムとなり、各々店を見て回ることになった。
ルークとアーリアはサーロインさんに付いていった。
ねだる相手を考えていてさすがだと思う…
あたしも1人でしばらく見て回り、あることをひらめいて商品を眺めている先生に声をかけた。
「ねぇ、父様と母様にお土産買った?」
「いや、まだだよ。何かいいものでも見つけたかい?」
「このぐらいの大きさのポポンチョ人形だったら庭のノーム人形の代わりにできないかな」
「あぁ、そう言えば母さんが新しいのを探してるって言ってたからね」
「父様もこういう郷土品好きでしょ?だから2人にぴったりかなって思って!」
「そうだね。じゃあそうしようか」
「お客さん、それならこのノームポポンチョがおすすめだよ!」
ウサギの着ぐるみを着た売り子に商品をおすすめされているレイカとレイトン、を少し遠くから見守るレミとルーク。
その不審な様子にサーハイマンとアーリアも足を止めた。
「今の見た、ルーク…!」
「はい、僕ちょっと感動しちゃいました…!」
「2人とも楽しそうですね」
「?普通のやり取りに見えたが、何に感動するんだい?」
「普通に、かつ自然に、仲睦まじい会話をしてる2人なんて滅多に見れませんから」
「しかもこう、なにかしら、私たちでは入り込めない空気っていうか、何の変哲もない会話なのに微笑ましい雰囲気がもう…夫婦…!」
「まぁ、ご両親の話のようだし…レミ君、泣いているのかい…?」
「レミさんは会長なので」
「会長…?」
アーリアまでもがレミとルーク側に付いてしまったので、私が間違ってるのか…?と悩むサーハイマンだった。
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