第十九章 追憶の彼方
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負傷したデスコールを残し、あたしたちは無言のまま先へ進み始めた。
というか黙らざるを得ないよ。だって何なのあの情報量!?
アイツ毎回容赦なくペラペラとクソ重い話を進めるからキャパオーバーもいいところだよ!
なのに…
「あぁっ、行き止まりです!こんなところで終わりだなんて…」
「いいや、違う。床を見るんだ、ルーク」
この人たち、切り替え早くない!?
ムリムリムリ!どうしたら呑み込めるわけ!?
それとも逆に現実逃避してる!?床見ると現実逃避できるの!?
頭の中でパニックになりながら、二人が注目している床を必死に見た。が、全く何の解決にもならなかった。ならなかったけどこの不自然に縁取られている円形の床は絶対ナゾだと思う。
レイカとルークが床に注目している間に、レイトンは辺りを見回し壁に設置されているレバーを見つけた。
「この床、変な形ですね…」
「ブロネフの元へ辿り着くには、このナゾを解かなければならないようだね」
「また何かの仕掛けがあるんでしょうか?」
「どうやら壁のレバーを下げると動く仕組みになっているらしい。さぁ、解いてみよう」
レバーの方へ移動するレイトンをルークは追いかけた。レイトンがレバーを下ろすために盤面をふむと眺めると、次々にパネルを回し始めた。
すると先ほどの円形の床がせり上がり、柱のように天井に向かって伸び始めた。レバーが通るように盤面をうまく操作して、最後にレバー引くと柱…昇降路の扉が開いた。
「エ、エレベーターが出てきました。先生、これに乗ればいいんですね!」
「あぁ」
「…レイカさんノーリアクションですね」
目の前に巨大な昇降路が現れたというのに、レイカは床があった場所を見つめたままだった。レイトンはルークに先に昇降路の中に入るよう言うと、レイカの両肩を後ろから掴み、昇降路の入り口へ進むよう誘導した。
それでも斜め下を見続けているレイカに、ルークは大丈夫なのかと少し心配になった。レイトンの表情もあまりに普段通りで、そこが逆に違和感にもなった。
「ルーク、ゴッド街で見たアスラントの柱が私たちに伝えていたことを君は覚えているかい?」
「難しくてよく思い出せませんけど…自分たちの出すナゾを解いた者には、最後の秘宝をくれるって言ってました」
「そう、最後の秘宝だ。偉大な文明を築き、滅んでいった世界のね。あのナゾが示したアスラントの真意。それをこの目で確かめるためにも、私たちは行かなければならないんだ」
「アスラントの真意…」
さぁ、行くよとレイトンが上昇ボタンを押すと昇降路の扉が閉まり、
誰も口を開かない状態にルークは居心地の悪さを感じた。床を見たままのレイカとそれに触れない不自然なレイトンをちらちらと交互に見ているとレイトンと目が合った。
レイトンは一度目を逸らしたが、再びルークを見て少し困ったように笑った。するとレイトンはレイカの正面まで移動し、レイカの頭に右手を乗せたと思いきや、皺の寄った眉間へ親指を押し当てた。
「いった!…ちっか!」
「今の状況で周りが見えなくなるほど考え事に集中してしまうのは良くないよ、レイカ」
「…はい」
突然の痛みからの正論説教とかぐうの音も出ない。目の前に先生が来てたなんて全然気が付かなかった。不可抗力とは言えそれは危険すぎる。
反省しながら眉間をさするレイカに、レイトンはいつもの声音で話を続けた。
「デスコールの話を考えていたのかい?」
「…それ以外にこんなに頭抱えることがあると思います?」
ジト目で見返すと、先生はあっさり「そうだね」と返事をした。軽いなぁ。
よく考えれば他にも考えないといけないことは山のようにある気がするけど。
と、そこまで考えてふと違和感を感じた。
なんか、先生が変だ。
いつもならお説教はくどくど長いし、自分から話題振っといて生返事だし。
その原因を暴いてやろうと先生の目をジーッと睨むように覗き込むと、先生は観念した様子で眉を下げた。
「…正直に言うと、まだ私も、さっきの話を呑み込めていないないんだ」
「それが聞けて安心しました」
さっきの話の記憶だけ外付けハードディスクで隔離されてるのかと思ったよ。普通の人間らしくてよかった。
ということは、普通のフリをしながら先生も結構考えてたってことか。
「だが、彼の話が事実だとしても、私は私だ。それにこれは私の…私たちの問題だ」
「………」
「君がそこまで悩む必要はないんだよ」
前に似たようなことをサーロインさんに言われたなとぼんやり思い出して内心笑った。
あたしだってこんなトンデモ展開悩みたくないけど、他でもない、先生のことだから悩まざるを得ないんだよ。
「あたしはさっきの話を簡単に流せるほど、先生と他人のつもりはありません」
「!」
いつになく真剣な表情のレイカに、ルークは思わず息を呑んだ。それはレイトンも同様で、彼女の強い意志の籠もった瞳から目を反らせずにいた。
「だって、あんな格好のお兄ちゃん普通にイヤだしお父さんはダース◯イダー展開だし、今までのいざこざが全部身内での出来事とか…その他諸々あたしだったら耐えられないもん!」
「………」
「そりゃあ、勝手に悩むぐらいしかあたしにはできないけど…先生に幸せになってほしいから、辛いことも悲しいことも一緒に悩んで乗り越えたいんです!」
その時、レイトンの目にはレイカが一際眩しく映った。
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