第八章 村長の悩み
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「ずいぶん早かったですね」
「ちゃんと味わってきましたかー?」
「君たちのことがよく分かってきたよ…」
ヒトヨさんのイボ鍋を食べたのかは分からないがサーロインさんが少し顔を青くして全速力で合流してきた。
仕方なく迎え入れ、村の西側へ行くと今までの家の作りとは違って少し豪華なツリーハウスが一軒建っていた。
恐らくこれが村長さんのお家だろう。
その家の前でコオロギと遊んでいた女の子はこちらに気付くと警戒心バリバリで立ちふさがった。
この子がヒトヨさんが言ってた子かな。
「あなたたち、旅の人ね。エノキしってるのよ。でもエノキ、ぜったい名前言わない!お祭りだからって油断しないのよ。怪しい人はそういうトキに来るってばあちゃんが言ってたの!」
「どうやら用心深い子のようだね。この子が村長さんの孫かな?」
「そのわりに名前言っちゃってるけど」
「エノキちゃん、村長さんのことでお話が聞きたいんだけど…」
「あーっ!エノキの名前ないしょなのに!それになんであなたたちじいちゃんのことしってるの!?」
「ふふ、間違いなくこの子が村長さんのお孫さんですね」
「お姉ちゃんたち怪しいの!怪しい人にはこのナゾ解いてもらうのよ!!」
「え、なんでや」
と、不服をもらしたのだけれどそのナゾの担当はレミになり挑戦している。
少し悩んでいたがどうにか解いて喜んでいるレミを「その程度のナゾで何喜んでるんですか」と白い目で見るルーク少年。
うん、通常運転だね。
そしてエノキちゃんはナゾを解いたことによって少しはこちらを信用することにしたようだ。
「むっ。お姉ちゃんたち、頭いいのね…じいちゃんのこと知りたい?」
「聞かせてくれるのかい?」
「うん。ナゾを解いてくれた人にはいろいろ教えてあげなさいってばあちゃんが言ってたもん!」
「この村にとってナゾって一体…」
「私たち、おじいさんを助けに来たの。エノキちゃん、最近おじいさんに変わったことがあったか分かるかしら?」
レミが優しく聞くとエノキちゃんは心当たりがあるようで表情を曇らせた。
「…あのね、みんなにはナイショなんだけどじいちゃん、最近よく転んじゃうの。今日も朝ごはんの時に泥まみれで帰ってきたの。ばあちゃん、ばっちいって怒ってた」
「ごはん時に泥まみれ…うーん、確かにそれは困るわ」
「今朝の出来事なら、まだ転んだ跡が残っているかもしれないね」
「おじいさんのこと、何か分かったら教えてあげるわね。あんまり悲しい顔しちゃダメよ?」
「ありがと、お姉ちゃん…」
眉を下げて心配そうなエノキちゃんをレミが優しく撫でた。
あまりのテンションの低さに後ろ髪引かれたが、少しでも早く解決するためにジャングルのさらに奥を目指した。
第八章 村長の悩み
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