キスSS詰め合わせ
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あの日はうだるような暑さだった。寝付けなくて舎外を歩くと、壁にもたれて座り込んだあなたを見つけた。暑いよね? やっぱ眠れないよね? 話しかけても上の空で「ああ」「そうだな」くらいしか答えない。ならばと、巨人のいない世界はどんなんだろうね、きっと私たちはもっと自由に飛び回って云々、夢物語りをやたら楽しげに話してみたら、ようやく立ち上がって私の方を向いてくれた。だけど黙ってろと言いたげな唇が近づいて、避けられるわけのない私の唇と軽く接触した。
「忘れろ」
唖然とする私をそのままに、ズボンのポケットに手を入れて階段を下りていったあなたの背中は、いつもの頼れるそれと違い華奢で小さく見えた。
[[rb:年月 > とき]]が経ち、この世の地獄を更に背負い込んだあなたを[[rb:数多 > あまた]]の兵士が追うようになったけど、私が追っているのは未だにあの時の、華奢な背中。
ねぇ、どうしてキスしたの?
あの日に帰って投げかけたい。うだるような暑さを覚えているのもきっと、私だけだと思うけど。
「忘れろ」
唖然とする私をそのままに、ズボンのポケットに手を入れて階段を下りていったあなたの背中は、いつもの頼れるそれと違い華奢で小さく見えた。
[[rb:年月 > とき]]が経ち、この世の地獄を更に背負い込んだあなたを[[rb:数多 > あまた]]の兵士が追うようになったけど、私が追っているのは未だにあの時の、華奢な背中。
ねぇ、どうしてキスしたの?
あの日に帰って投げかけたい。うだるような暑さを覚えているのもきっと、私だけだと思うけど。
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