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6月生まれさんへ


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梅雨入りして 連日雨が続く
西宮と2人課題をやっていると
ポツンとガラス窓に雫が当たって
どんよりとした空を見上げる

「また降ってきたね。」

「まぁ梅雨だしこんなもんでしょ。」

「まぁそーだよねー。」

向かい合わせた机に置かれた課題に目を戻す

「この時期の課題 もう少し何とかならないのかな〜。」

「そうねー。
確かに座学少ないけれど多すぎる。」
ペタンと限界を迎え始めた西宮も机に突っ伏す

「ちょっと休憩しよー!
お菓子持ってきてるよ!!」

「そうね、息抜きしないとやってられないわ。」
机に伏せて溜息を零す西宮を傍目にカバンからいくつかのお菓子を取り出す

「[#dn=2#]、何この量…。」

「糖分摂取は大事でしょ!部屋にあるの一通り持ってきたんだ!!」

「あ!忘れてた。」

いきなり立ち上がった西宮に驚きながら目を丸くしていると

「ちょっと待ってて。」

「え、あ…うん。」
ろくに返事も聞かず教室から慌てて出ていってしまった

「どうしたんだろ。
今日提出の報告書でもあったのかな?」

机に山盛りとなったお菓子の山からビスケットの封を開けて 頬張る

窓の外に目を移せば
淡いブルーの紫陽花が雨に揺れている

「…もう3年目だけど ちゃんと四季を感じる草木があっていいよね…。」

季節ごとに彩りを見せてくれる校内の草木を思い返す

「そういえば 桃に初めて会ったのあの辺りだったっけ…。」

1年生の終わりに転校してきた私が庵先生に連れられて校内を案内してもらってる時に
呪力操作のミスをした西宮が降ってきたんだよね

「ふふふっ…懐かしい。」

「お待たせ!」
走ってきたのか肩で息をしている西宮が戻ってくる

「桃、おかえり〜。
何だったの?」

「[#dn=2#]に渡したいものあるの忘れてて…はぁはぁ…」

「渡したいもの?」
ゆっくり机の前に戻ってきた西宮は
ぐったりと椅子に座り込んで
はーっと息を吐く

「そうよ。」

なんでまた?って顔をして西宮を見つめていると

「あんた、自分の誕生日忘れてんじゃないでしょうね。」

「誕生日…?え!?今日何日!?」

慌ててポケットからスマホを取り出して画面に映し出された日付を見る

「[#dn=2#]…そういう所あるわよね。」

「あはは…仕事しすぎて忘れてた」

「はぁ…ほら、受け取りなさいよ。」

片手で可愛い紙袋を差し出されて
両手で受け取る

「開けていい?」

「…構わないけど…。」

紙袋を止めていたテープを外して中身を確認する
可愛い包装紙でラッピングされた小箱が入っていて
机に置いたスマホで 1枚 写真に収める

「わざわざ撮らなくても良いでしょ。」

「だって桃がくれたものだもん!データで残しておきたいの!
あ、去年のも撮ってるよ!」

「…そう。」
恥ずかしくなったのか目の前のお菓子をパッと取って 窓の方を見て頬張る

包装紙をできるだけ慎重に開けてご対面
三角形の青の中に封じ込められた
ピンク色の一輪の紫陽花

「これレジンってやつだよね!?
凄い!可愛い!桃が作ったの!?」
嬉しくて まくし立てるように質問する

「…そうよ。」

小箱から取り出して見ると
ネックレスになっていて
教室の光でまた透き通って綺麗に色付く

「…綺麗。
桃!ありがとうね!!大事にする!」

「うん。そうして。
誕生日、おめでと[#dn=2#]。」

その後 嬉しさのあまり ニヤケが止まらなかった
お菓子を食べながら
課題には身が入らないまま
夕食時を迎えて 食堂に向かえば
帰ってきていた 後輩達が誕生日を祝ってくれた


END

HAPPY BIRTHDAY to you!!



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