【真人】 い
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教祖様から 真人を預かって数日
笑った顔と寝顔には癒されるのだが
教えなければいけない常識が多くて
逐一肝を冷やす思いで心臓に悪い
「ねー、ミョウジ?」
先日買い与えた玩具で夢中になって遊んでいた真人は飽きたのか
事務作業をする私のそばによってくる
「どうしたの?」
視線をパソコンから逸らすと にいっと笑って
腕をくぐり抜けて膝の上に座って来る
「ね、まだお仕事終わらないの?」
腕の中にすっぽり収まった真人は
頬を膨らませ仰ぐようにこちらを見る
「うん、ごめんね。
もう少しかかるかな。」
「そっかー。
早く終わらせて俺と遊ぼ、ミョウジ。」
「うん!私、頑張るね!」
「うん!俺、大人しくしてるからここに居ていい?」
「いいよ。お利口にしててね。」
なんだかほっこりして 頭を撫でてあげる
「あら、無能ちゃんまだやってるのね。
ほんとおっそーい。」
何かと突っかかってくる 事務担当で同い年の先輩
「すみません。
こういうのあまり手馴れてなくて」
「ほんと手が足りないから応援呼んだのにあなたが来るなんてね。」
「あはは…すみません。」
いつもの事なのであまり気にとめず
キーボードの上に指を走らせる
「少し夏油様に良くしてもらってるからって調子に乗らないことよ。」
「はい。気を付けます〜。」
「それより、何この玩具。邪魔なんだけど」
そう言って床に転がった玩具を足で蹴り飛ばし壁にぶつかって破壊された
その瞬間 膝の上にいたはずの真人が消え 真横から嫌味を言っていた女と その場にいた同士の悲鳴にデスクから立ち上がる
「真人!?」
「許さないよ。
俺の玩具を傷付けたのもミョウジをいじめたのも。」
凄まじい呪力の乱れとみるみると異形に変わり果てていく姿に嗚咽感がとまらない
キュッと目を閉じて 口を抑え歩み寄り 真人を抱き足元から崩れる
「真人…もういいから。やめて。」
手の震えがとまらない
「ミョウジ…?」
「もう…やめて。」
「何事かな?」
息を切らした教祖様が真人とソレを見つめる
「げとー?」
「真人…。
ミョウジちゃん、場所を変えよう。
立てるかい?」
「…すみません。」
止められなかった悔しさと恐怖で涙が溢れ出した
「ミョウジ…?」
心配そうな真人の声が聞こえる
泣き止まなくてはと思えば思うほど
溢れ出てとまらない
スっと真人から離され体が宙に浮く
「皆驚かせたね。
ソレは後で回収に来させるから、業務に戻ってくれ。」
「げとー。俺…」
「真人…着いておいで。」
「ぅん。」
泣きじゃくる私を抱え 夏油は応接間のソファーまで運んでくれ
ティッシュ箱を差し出してくれる
真人は少し距離を置いたところから
こちらを心配そうに見つめている
「真人…何があったか言えるかい?」
「あの女が俺の玩具を壊して、ミョウジをいじめたから。
気付いたら殺っちゃってた。」
「なるほど…。
まぁあの猿はどうでもいいとして、ミョウジちゃんがどうして泣いているか分かるかい?」
「…俺が約束破った…から?」
「約束?」
「大人しくしてるってミョウジと約束した」
「そう。それも1つかもしれないね。
真人…君の
「うん。」
「普通は恐怖…怖がるものだよ。」
「俺…ミョウジを怖がらた?
嫌われちゃった?」
最後の消え入りそうな言葉にハッとして
声を絞り出す
「…ご、めんね。真人…」
溢れ出る涙を両手で拭いながら
不安そうな真人を見つめて
「びっくり…しただけだから。
大丈夫だからっ…」
精一杯の笑顔を作ってみせる
「ほんと?」
「ん。 ほんとだよっ!」
おいでと真人に向けて手を伸ばしてみる
ゆっくり歩み寄って来て指先に触れる
「俺の事…嫌いじゃない?」
「うん!嫌いじゃ…ないよ。」
鼻をすすりながら真人の手をひいて抱き寄せる
「ミョウジ。ごめんなさい。」
「うん。いいよ。」
溢れ出す感情が落ち着くまで強く真人を抱きしめた
落ち着いてから 教祖様に改めて謝罪して
今日はゆっくり休むように と帰還命令と真人と2人で短期出張を言い渡された
「本当にすみません。
もう少し私がしっかりしていれば…。」
「こちらは気にしなくていい。
想定範囲内…むしろ予想より軽傷だったんだ。
真人、あまりミョウジを困らせちゃいけないよ。」
「うん。これからは気を付けるよ。」
「それじゃ ミョウジちゃん出張の内容はまた追って連絡するよ。
気に病まなくていいからね。」
「はい。
ありがとうございます、教祖様。」
応接間を真人と2人で手を繋いで出る
「帰ろっか、真人。
今日は何作ろっか。」
「唐揚げがいい!」
「唐揚げ お気に入りだね。」
「うん!」
ーー
「次の依頼 少し嫌な予感がする。
教祖様呼びをやめて貰うのを罰にしても良かったかな。」
振袖から取り出した書類を取り出して
ドサッとソファーに座り込む夏油
「いっそ私もついていってしまおうか」
続→