【真人】 い
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重厚な扉を目の前にして深呼吸してから
ノックすれば どうぞ と返事がかえってきたので
平常心を装い部屋の中に足を踏み入れる
「失礼します。」
「いらっしゃい。
ミョウジ、呼び出してすまないね。」
奥のソファーに座って こちらに微笑む 教祖様
おいでと手招きされて手前のソファーへ歩み寄る
「いえ…あの…
私また何かやらかしてしまいました?」
「そんなことは無いよ。
時折やらかしてくれるけどね。」
何かが前方から心に深くつき刺さった気がして足を止めた
「まぁ、許容範囲内さ。問題ないよ。」
「すみません…。」
ガックリ肩を落として頭を下げる
「冗談だよ。」
布がはためく音がして顔をあげれば
目の前にきた夏油の手が頭を撫でる
「ミョウジはよくやってくれてる。」
「あ、ありがとう…ございます。」
「本題に戻るとしよう。
頼まれ事をして欲しくてね。」
「頼まれ事…ですか?」
背の高い夏油を見上げて頭を傾げる
「難しいことではないから安心して欲しい。
そこで寝ている
夏油の目線の先を見ればソファーですやすや眠る 10歳そこらの少年が眠っている
「あの…彼って呪霊なんですよね?」
「見ての通りね。」
「取り込まないんですね。」
「あれ?
私が呪霊であればなんでも取り込むと思ってる?」
やれやれといったように手をあげる夏油
「あはは…」
「まっ、間違いではないけどね。
ただこの子はまだ未完成な呪霊でね。そこでミョウジに見ていて欲しいんだ。」
「分かりました。」
ソファーで眠る 彼の前にしゃがみこんで顔を覗く
継ぎ接ぎで縫いとめたような痕がたくさんあって
閉じられた目にかかる淡い青色の髪をかきあげてあげる
「よく寝てますね。」
「あぁ。
少し手のかかる子ではあるから、気を付けてね。」
「はい。頑張ります。」
しゃがみこんだまま 夏油を見上げて意気込む
「…よろしくね。」
一瞬 憂いを帯びた瞳をして それを隠すように笑う 教祖様は あとは頼むよ と言って出ていってしまった。
呪霊と2人きりになった部屋
夏油の座っていた向かいのソファーに座って
眠る彼を見つめて 半時間
「どうしようか…
起こした方がいいのかな?
そういえば名前聞いてないや…。」
「このまま起きるの待ってても仕方ない!
よね。」
立ち上がって再度 彼に近付いて
肩を揺さぶってみる
「えーと、起きて〜?」
「んん?」
意識を取り戻しつつあるようだ
もう少し強めに揺さぶってみる
「ごめんね、起きて?」
パッチリ開いた目に背筋が凍る感覚がして
飛び退いて 呪力を纏う
「お姉さん…誰?
夏油は?」
「えーと、夏油様に貴方のこと頼まれて…
無理に起こしてごめんね?」
「ふーん?」
納得いかないような感じでのっそり起き上がって じーっとこちらを見てくる
緊迫した空気が部屋に流れる
「そっかー。
俺は真人。 お姉さんは?」
「えと、ミョウジ。 ナマエ ミョウジ。」
「そっか、ミョウジよろしくね!」
先程までの殺気が嘘のような
可愛い笑顔で手を差し出してくる
「よ、よろしく…。」
続→