【七海 健人】起承転結《完》
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数日後の事だった
皆の埋まった心の隙間が大きく開いたのは
ナマエ先輩は もう居ない
術師なんて本当にクソだ。
ーーーーー
それは2、3年合同の座学の授業中だった
けたたましく鳴り響いたアラート音
校内での呪霊発生
話には聞いていただけで1度も鳴った事例は数年間無かったらしい
五条さんに声をかけられると同時に2人して立ち上がって駆け出していた
「先輩、当てはあるんですか?」
「何となくこっちな気がするだけだよ!」
しばらく五条さんに着いて走っていると
他の待機していた術師らしき人達が同じ方向へと駆け出しているのをみて確信的になった
ただたどり着いた場所をみて酷くショックを受けたのは今でも覚えている
「これって…」
「間違いなく…ミョウジだな。」
沈黙が流れて 五条と共にゆっくり歩み出す
違って欲しいと祈るように1歩ずつ
扉に手をかけた五条さんはこちらをみて
ゆっくりと
「七海。
…お前 ここで残るか?」
その問に即答出来なかった
迷いが生じているのは私だけでは無かった。
目を閉じて笑うナマエ先輩を思い浮かべる
『私は皆に笑っていて欲しいの!』
深く息を吸い込んで少し間を置いてから
「…いえ、私も行きます。」
「了解。
とにかく抑え込むぞ。」
「はい!」
私の声を合図に扉は開かれた
扉の先には めちゃくちゃになった事務所
鉄臭い臭い 部屋の真ん中で天を仰ぐ
赤く濡れたナマエの姿
ただその頬には涙が伝っていた
たすけて そう唇が動いていたように見えた
目を奪われ 衝撃に襲われる
「ミョウジ!目覚ませ!
七海、行けるか?」
「行けます。」
祓うのが目的では無いために私達は苦戦を強いられ何とか
押さえ込み 元凶である ナイフが先輩の手から離れた瞬間
「ごめんね、ありが…」
いつから狙いを定めていたのか
先輩の頭を弾丸が撃ち抜いた
理解が追いつかず
私はそこに崩れ落ちた
五条さんが暴れだしたのも気にとめず
ただ溢れ出す涙をとめられなかった
先輩の使っていた呪具はかなりの曰く付きだったらしく
ーーー
並の術師では制御出来なかったらしい
後に調べて分かったのは
どこまで術師が耐えうるのか
親も親族もいない先輩で実験していたという事
そんな呪具を調子に乗った元下級術師が先輩から奪い取ったのが原因だったらしい
だから 先輩の体は傷まみれで
全て自身の血だった
未だに先輩の最後の笑顔が私の中から消えはしない。
END