【五条 悟】紫煙
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自身の格好が格好なだけに
人目を避けて 高専まで帰るのに疲れたミョウジは
高専敷地に入って警戒を解いていた
とはいえ暗がりを歩くようにしていた
けれど気付かなかった
自販機の前でたむろしていた同級生達に
「ミョウジくん!」
嬉々とした声に歩みを止めてしまった
走り出せばよかった
姿を見られる前にその場から逃げ出してしまえば良かった
だが1度止めた足は言うことを聞かなかった
背後から駆け寄ってくる足音が聴こえる
「よう!ミョウジ。
連絡ねぇから心配したんだぜ!
どこでナニしてたんだよ!」
後ろから勢いをつけて肩を組んでくる 龍也が
顔を見て 驚く
「お前、すげぇ血。」
「え!?
早く医務室いこ!」
「誰かいればいいけど…」
「とりあえず私五条先生に連絡入れるね!」
「怪我じゃない平気だから。」
「嘘つくなよ、お前絶対どっか怪我してんだろ。」
「先生 すぐ来てくれるってうわあああ!!」
少し離れた場所で連絡をしていた結希奈が戻ってくると同時に 五条が現れる
「ミョウジ!!」
「まじすぐじゃん。」
「驚かせないでよ!先生!」
「ごめんごめん。
ミョウジ、連絡つかないし心配したよ。」
「すみません。
携帯壊れちゃったんで。」
「せんせー、とにかく医務室。」
「そうだね。」
龍也から引き剥がして 抱きしめ医務室へ飛ぶ
「あっ!
ったく、ほんとアレずりぃよな。」
「だよね。僕も瞬間移動使いたい」
「私達も医務室いこ!」
「だな。」「うん!」
ーーーー医務室
瞬間的に明かりのついていない医務室内へ飛んでからずっと背後から大男に抱きしめられている
「で、怪我…は?」
「もう治しました。」
「そう…心配したよ。
裏ケータイも繋がらないし。」
「すみません。
携帯2台とも壊されちゃったので。」
「無事でよかったよ。
ところで随分派手にやってきたんだね。」
「まぁ…。」
「御家事なんて無視して辞めちゃえばいいのに。」
「たとえ五条様の望みでもそれは出来ません。」
「ミョウジ…今は五条家の当主としてじゃない。僕はただの君の教師として…いや。
五条家 当主としても 黒兎家が無くなることを願ってるよ。」
強く強く抱きしめられ
それ以上 言葉を紡ぐことを辞めた
(辞める訳にはいかない。)
「龍也!早すぎっ!」
「…お前らが遅いんだよ!もう少し持久力つけろよ。」
医務室の外が騒がしくなって五条が腕を緩めた
「適当に誤魔化してくるから、ここに居ること。いいね。」
「わかりました。」
医務室の鍵を内側から開けて 五条は廊下へ出ていった
静まった医務室のカーテンを開けて夜空を仰ぐ
血塗れた自分が窓ガラスに映る
「今回はさすがに疲れたな…」
数百人はくだらない一個組織の壊滅
今頃事の始末はまた裏の者がやってくれている
その報告書を受け取って確認して
依頼主に会いに行かねばならないことを思うと
ついため息がこぼれる
「なんで今更 学校なんて」
「術師としてもこき使いたいんでしょ。
上の連中は。」
音も立てず戻ってきた五条をちらりと見やる
「ま、適当に誤魔化しといたから
数日休んでいいよ。」
「さっきから携帯。鳴ってますよ。」
「なんの事かな?
任務より生徒優先でしょ!」
「いや、特級術師が仕事放棄しないで下さいよ。」
「んー、そんな口聞ける余裕のあるミョウジはこれから僕の仕事を手伝って貰おうかな!」
「…。」
不味ったなぁと思った瞬間には 医務室から連れ出されていた
それから数日 学校は休んだが
特級案件に付き合わされた
五条家の当主様であることには変わりはないが
この人の前では当主として気を張らなくていいのだと思えるようになった
休み明けにぐったりして
同級生と会うと心配してくれたが
ほんの一瞬 見間違えたのかと思える程 それ以上に顔を曇らせていた龍也に目を引かれた
続→