【七海 健人】起承転結《完》
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冬がやって来た
もう少しで高校生活も終わる
「寒〜っ」
任務で飛び回る後輩達を迎えては送りだし
週に4日は就職先として決まった 事務処理業務を職場先でこなしている
仕事がない時は座学 これもあと数回で終わる
白い息を吐きながら教科書を抱えて廊下を歩く
「ナマエ先輩。」
「ん?
あー!七海くん!おかえり〜!
マフラーいいなー暖かそ〜」
足を止めて振り返れば七海がそこにいて
ガッツリ口元を覆うマフラーをみて頬を膨らませて口を尖らせる
「ただいま戻りました。
貸しませんよ、私も寒いので。」
「えー、ケチ〜。」
「代わりにこれを」
手を突っ込んでいたポケットからココアの缶を差し出してくる
「わぁ!ありがとー!暖か〜。」
受け取ってカイロ代わりに暖を取る
「今日は座学だったんですね。」
「んー。今日は学生してたよー。
七海くん、最近すごく活躍してるんだってね?」
「いえ、そんなことはありません。」
「昇級候補らしいよ?」
「それ言っていいんですか?」
「ここだけの秘密って事で!
あはは」
「はぁ、わかりました。
この事は他言無用で。」
「うん!」
「他言無用で。」
「え?なんで2回言うの!?
そんなに信用ないの?私!」
少しだけ無愛想な顔が緩んでから
「ええ。ナマエ先輩ですから。」
「ちょっとどういう事!?
七海くん酷っ!」
「酷くありません。事実です。」
「お!ナナミンにミョウジじゃん!」
後ろから首元に冷たいものが触れる
「ひゃああっ!」
「何やってるんですか 五条先輩。
あとその呼び方やめてください。」
「五条くん…これはダメだって!」
一気に体温を持っていかれた首筋を空いた手で必死に擦る
「だってさみぃもん。」
「私も寒いから!」
「それに廊下でイチャついてたから!」
「イチャついてません。」
「なるほどぉ。五条くん嫉妬ですかぁ?ぷぷっ」
「おー?ミョウジなんだって?」
冷たい手が伸びてくるので七海の後ろに隠れる
「ナマエ先輩、私を盾にしないで下さい。」
「七海〜、大人しくミョウジ差し出せ〜」
「こんな寒いのに廊下でなにやってんの、あんたら。」
後ろを振り向くと私服でモコモコの家入
「わー硝子ちゃん、モコモコだね。」
「硝子、めっちゃ着込んでんじゃん」
「だって寒いじゃん」
「そうですね。
五条先輩とナマエ先輩が防寒しなさすぎなんですよ。」
「えー、一応冬服だよ?」
「俺はここまで寒いと思ってなかったんだよ。」
「まぁ2人ともバカだから 風邪は引かないだろうから大丈夫でしょ。」
「硝子、バカはそいつだけだから」
「バカじゃないです〜!
というか、硝子ちゃんまで…今日みんな冷たくない?
ねー、先輩そろそろ泣いちゃうよ?」
少し泣き真似をしてみれば あーはいはい とでも言いたげな空気が流れる
「もー、みんなして酷いなー。
ほんと寒いし部屋戻ろっ。」
「賛成。先輩の部屋そう言えばコタツあったよね?」
「うん。あるよー。」
「よし。先輩早く部屋戻ろう。」
腕を絡めて歩き出す家入
「あ、ずりぃ。俺も!」
「えー、そんなに大きいのじゃないよ?」
「五条は来んな。どこか向かうとこだったんだろ行ってこい。コタツが狭くなる。」
「はぁ?俺だってコタツ入るし!」
「七海くんはどうする?」
「あぁ、遠慮しておきます。
部屋でやることもあるので。」
「何?1発抜いちゃうかんじ?」
「張り倒しますよ」
「硝子ちゃん歩くの速いって〜。
七海くんまたね〜。」
「クズが来る前に早く戻って鍵閉めよ、先輩。」
「おい、まて!硝子!
じゃな、ナナミン。」
廊下に1人残された七海
「本当に賑やかな人達ですね。」
少しずつ だが 心に空いた穴が
ナマエのおかげで埋まっていくような感覚に
救われていた
続→