【五条 悟】紫煙
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ピピピッと鳴り響く 電子音のアラームに
スマホを探すように手だけを伸ばす
伸ばした手に 息がかかったような気がして動きを止める
「…。」
鳴り響くアラームを煩わしく思いながら
顔を填めた枕からゆっくりと視線をあげる
「おはよう。」
自分の腕を枕にしてこちらに微笑みかける男
何度か瞬きをして スマホに手を伸ばしてアラームを止めて握りしめたまま起き上がって その男を見下ろす
「早起きさんなんだね、ミョウジ。
まだ5時だよ?」
まだ重い瞼を深く閉じる
「ほらー、まだ眠いなら おいで。
もう少しだけ寝よ?」
ぽふぽふと叩かれるベッドマット
まだ起動しきっていない脳はその誘惑に誘われ
ゆっくり枕の下に手を伸ばして抱き寄せて沈みこんだ
「え、なに、やば。ミョウジ…あ、可愛いっ。」
語彙力を失った五条の声など耳に届かず眠った
10分後に再度鳴り響いたアラームを片手で止めて
後頭部を撫でられる感覚に 違和感を覚えてその手首を掴む
「…何してるんですか。」
「あ、完璧お目覚めかな?」
掴んだ手首に少し力を込める
「ミョウジちゃーん、痛い痛い。」
ちゃん付けされたことに苛立ち割と本気で握りしめる
「いででてっ!ギブ!ギブ!
僕が悪かったごめん!離して!ごめんなさい!」
反省したようなので手首を解放して片目を手で覆う
「…なんでここで寝てるんですか。」
「だってこの家 ベッドここしかないでしょ?」
その言葉に生え際を掻きむしってため息をつく
「さっさと自室作ってください。
それまでは俺、下で寝るんで。」
「ソファーで寝る気?ダメ!絶対ダメ!
見つけたらベッドに連行するからね!」
朝から元気な五条に頭を痛めながら
のっそりと体を起こしてベッドからはい出て
クローゼットを開ける
「もう活動する感じ?
僕まだ1時間ほどしか眠ってないんだけど。」
「じゃあ一生そこで寝てて下さい。」
下着と仕事着を持ってスマホを取りにベッドに戻る
「んー?今日は
スマホを取り上げて 頬杖ついて見上げてくる五条を見下ろす
「それなりに量多いんで。」
「んー、そだね。
流石は1級最強。そんな子を育てた僕ってば凄くない!?」
ね!っと人差し指と親指を立てて指さしてくる
ーーー
脳内に 過去の記憶が流れる
「おっかえりー!
帰ってきた所悪いけどこれ行ってきて〜。」
手渡された資料に目を通していると
「あ!それ今日中ね!」
「は?」
「僕これから学長と大事なお話あるから頑張ってね〜!」
自身で回りきれなかった分の任務の押し付け
「ミョウジ、まだまだ屋外じゃ全然ダメだね〜。」
グランドに穴が開くほど沈みこまされた記憶が流れる
「五条さんから何か教わった記憶が無いんですけど。」
「そんな事ないでしょ!
ちゃんと指導してきたつもりだよ!?」
「あー、クズって言葉をどういう人に言うべきなのかって事は身に染みましたよ。」
「えー?例えば?」
にこやかに微笑んでから
「お前だよ。」
と吐き捨ててシャワーを浴びる為文句を言っている五条を無視して部屋を出た
頭上から被るお湯で脳の起動を実感し
安堵のため息を零す
さっぱりした所で コーヒーを入れようとキッチンに向かおうとした所で
何かが炒められている音と香ばしい香りに一瞬足が止まる
「ハァ…もう少し寝てればいいのに。」
キッチンの扉を開ければシンクに立つ五条の後ろ姿
こちらに気付いたのか振り向いて
「もう少しで出来るから!」
「ありがとうございます。
寝なくていいんですか。」
コンロに向き合う五条を見て 戸棚からマグカップを取り出す
「んー、平気平気!
ミョウジの胃袋まで掴んじゃおうと思って!」
インスタントコーヒーの粉を入れる
「何言ってんですか。」
「心も体も臓器まで 僕の物にしたいじゃない?」
「はー。」
1ミリも共感出来ないので聞き流しながら
ポットでお湯を注ぐ
「それくらい僕はミョウジを愛してるって事!
で、お仕事どれくらいで終わる予定?」
火を止めてお皿を取りに来た五条に行く手を阻まれる
「邪魔なんですけど…。」
「どれくらいで片付く案件?」
「行ってみないと分かりませんが
昼前後には1度引き上げる予定です…。」
「そ、じゃあ間に合いそうだね!」
すっと戸棚から平皿を取り出して戻っていく五条の背中を少し見つめて
首を傾げて リビングに向かう
テーブルに置きっぱなしにしていた書類の山さら今日必要な書類だけを取り出して
任務情報コードを スマホにメモを取っておく
「お待たせ〜!」
「すぐ片付けるんで避けて置いといて下さい。」
「了解」と綺麗に盛り付けられたお皿を置いて立ち去り際に
「あ!そうそう僕も着いていくから運転よろしくね!」
「は?」
「あと お昼頃かな? 新入生と待ち合わせがあるからね!」
空いた口が塞がらないまま五条の背中を見つめた
続→