【真人】 い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ーーー
翌日 お昼
マンションのインターホンがなって応答してみれば
モニターには私服姿の教祖様
驚きつつもエントランスの鍵を解除する
スーツに袖を通すべきか迷っていると
部屋のインターホンが鳴り響き 即座に真人が出てしまった
「真人、元気そうだね。お邪魔するよ。」
「夏油?
いつもの服じゃないんだね〜」
いつもと雰囲気の違う教祖様に驚いている様子の真人は教祖様をじっくり観察するようにくるくると回っている
「なんだか、すみません。」
「構わないよ。
私、そんなに袈裟のイメージがついてるのかな?」
「えーと、まぁ。」
「そっか…」
「ミョウジ、服で人って変わるんだね〜。」
「そうだね。」
教祖様を邪魔している真人を抱えあげて
奥へと案内する
「まぁ、確かに精練されたスーツ姿もいいけれど
、可愛らしい私服姿もいいものだね。」
後ろから教祖様の声が聞こえた気がして振り向く
「えっと、何か言いました?」
「いいや、なんでも。
真人が羨ましいと思ってね。」
「そうですか?」
「うん。」
ダイニングテーブルに座ってもらい
真人も椅子に座らせる
「コーヒーで大丈夫ですか?」
「あぁ、あまり気を使わなくていいよ。」
「いえ!すぐ淹れてきますね!」
「ありがとう。
真人、ミョウジちゃんとの生活はどうだい。」
「楽しいよ!
あそこにいた時よりずっと!」
「そう。
前にも話したけれど 君の姿が見える人間は少ない。
見える人間 全てがいい人間とも言えない。
君は呪霊だからね。」
「うん。
でも、ミョウジはいい人間だよ。」
「そうだね。
ミョウジちゃんはいい子だ。
だから、私が側に居れない分。
守ってあげて欲しいんだ。その力でね。」
「うん!わかった!」
トレーに乗せたコーヒーカップを教祖様の前に置く
「お待たせしました。」
「ありがとう」再度お礼と笑顔を向けられてから
真人にもコップに入れたジュースを渡す
「わー!ありがと!」
ニィッと笑ってお礼を言われて
少し心が弾んだまま 自分用のコーヒーを真人の隣に置いて教祖様と向き合うように座る
「ふふっ、私の横でも良かったのに。」
「い、いえ!そんな滅相もない!」
「ははっ、残念。
さて、昨日言っていた仕事の話なんだけれどね。」
羽織っていたジャケットの内ポケットから
チケットの入った封筒を取り出して差し出される
中身を確認してみる
「京都…ですか?」
「そう。京都の二条城に行って欲しいんだ。
そこでナカムラ という男に会ってその中に一緒に入れた紙を渡してほしいのが1つ。」
また別の封筒を取り出してすっと差し出される
「この封筒は?」
「これは絶対に開けないで届けて欲しい。
というより、これに呪力を込めないでほしい。
危険だからね。」
「分かりました。
これは何方に?」
「高専の生徒…であれば誰でもいい。
くれぐれも真人は見られないようにね。」
「…分かりました。」
「ありがとう。
私も後から合流するからよろしく頼むよ。」
「え?教祖様もいらっしゃるんですか?」
「私も京都に少し用があってね。
(まぁ、無理やり作ったんだけれどね。)」
「そうですか。」
「宿はこちらで取ってあるから安心して。
現地で合流しよう。」
「あ、はい!」
「夏油も一緒に来るの?」
大人しくしていた真人が口を開く2人の会話を見つめながら コーヒーに口をつける
「宿を共にするだけさ。」
「宿?」
「ん〜、一緒に寝るって事…かな。」
あえて艶っぽい声を出した教祖様の発言に コーヒーがあらぬ場所に入り込み咳き込む
「ミョウジ?大丈夫?」
と心配そうな顔で覗き込んでくる真人に慌てて冷静を装う
「だ、大丈夫!
ちょっと噎せただけだから!」
その後教祖様を直視出来なくなったのは言うまでも無い
「ご馳走様。
長々と居座ってすまなかった、色々とありがとうね。」
「い、いえ!なんのお構いもできず…」
「げとー!またね!」
「あぁ、またね、真人。」
玄関先でしゃがみこんで真人の頭を撫でた後
ゆっくり立ち上がって
すっと顔が近付いて
「京都、楽しみだね。」と耳元で囁かれたかと思えば
ドアノブを握って
「お邪魔しました。2人ともおやすみ。」
手を挙げて 爽やかに出ていってしまった
ポカーンと立ちすくんだ私のスカートの裾を引っ張り真人が現実に戻してくれた
「ミョウジ〜、お風呂入って寝よ?
俺眠くなって来ちゃった。」
「あ!うん!
そうだね!お風呂入ろっか!」
ふわふわする頭でお風呂に入り
布団に潜り込んだがなかなか寝付けなかった
続