【七海 健人】起承転結《完》
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この時代の呪術界は本当に酷かった
「ミョウジ!!」
教室で数学の教科書をめくって授業の開始を待っていれば 開けたままの扉から 血相を変えた夜蛾が入ってくる
「夜蛾先生どうしたんですか?
顔色悪いですよ?」
「授業はやめだ、急いで健人、2年の七海のところに行って欲しい!」
「2年生…何かあったんですね。」
立ち上がってポケットにしまった呪具を確認する
深刻そうな顔をする夜蛾の方へ歩き出す
「行けます。」
「悪いが頼む。
すぐに悟とすぐ…いや悟に応援に向かうよう伝えておく」
「先生…少し休んだ方がいいです。
行ってきますね。」
軽く手を振って夜蛾の隣を通り過ぎる
「詳細は補佐官に聞いてくれ 外に車が止まっているはずだ。」
「了解でーす!」
2年生1人が任務にて死亡
そして3年の夏油 傑の消息不明
ここ数ヶ月色々ありすぎた
「先生が疲弊しちゃうのも無理ないか。」
いつの間にか私だって1人だ。
同級生はいたはずなのにな
「これ以上は犠牲が出ないように急がなきゃね。」
のんびり廊下を歩いていた足を早め
指定通りの場所で 車に乗り込み
早口で状況の説明がなされる
法定速度フル無視で加速してい車
少し遠くで帳が見えてからあっという間に
廃工場に辿り着いた
「行ってきます」
「はい。よろしくお願いします」
補佐官さんに手を振ってナイフを1本取り出し
カバーを外す
クルクルとナイフを回しながら
廃工場のシャッターをくぐれば
何者かの圧が一気にかかり
口角がスーッと上がる
奥の方から大きな物音がしている
そちらの方に靴をコツコツと軽快に鳴らしながら向かう
扉1枚になって 片手で遊んでいたナイフをしっかり握りしめドアノブをもう片手で回し
躊躇なく開けば
真横に血まみれの恐らく 夜蛾に健人と呼ばれていた男性が飛んでくる
「わぁ、大丈夫? 」
壁にぶち当たり地に沈む七海の顔を覗き込んでみる
「ゲホゴボッ」
咳き込んで血を吐き出す七海
「少し休んでていいよ。
五条くんも来てくれるらしいから。」
ナイフの刃先に舌を這わせて
大人しく待っていた呪霊に笑いかけて
「Shall we dance?」
開いている手を差し出す
向かってきた呪霊の攻撃を避けながら
制服の下に仕込んだ ワイヤー付きナイフを取り出して手際よく呪霊の周りに投げる
「ゲホッ もう一体…居ます!」
七海の言葉に背後に潜んでいた呪霊に気付く
「ありゃーほんとだ。」
呆気なく背後から攻撃される
立ち上がり痺れるような痛みと流れ出す血に高揚感が高まる
「ふふっ
いいよ、あなたも一緒に踊りましょう。」
傷口の血をずっと右手に握っていたナイフに擦り付ける
そこからの私自身の記憶はない
呪霊2体相手に殺り殺られ
何度でも立ち上がって向かっていくうちに一体祓って
2体目にトドメをさす瞬間に五条がいいとこ取りしたらしい
医務室のベッドで目を覚ます
隣には包帯を巻いた金髪の男の子がいて
「えーっと、誰かな?」
「起きたんですね。
はじめまして、2年の七海 健人です。
先日は助けにきていただきありがとうございました。」
ゆっくり起き上がろうとすると
「まだ寝てた方がいいですよ」と言われたが慣れっこなので気にせず上半身を起こす
「君が七海くんね。
私は4年のナマエ ミョウジ。
もう卒業だけどよろしくね!」
続→
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