1章
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あれから3日後
リアは五条・夏油の負傷との連絡を受け高専に戻ってきていた
廊下を走り抜けて教室の扉を開く
「ハァハァ…硝子先輩…。」
高専前で降ろしてもらってから全力で走ってきたリアは肩で息をしながら俯いて呼吸を整える
「リアちゃん?
どうしたんだい?そんなに慌てて。」
「…五条先輩と傑先ぱ…え?」
呼吸が落ち着いてき 顔をあげその光景に呆然とする
家入にいつもと何も変わらない夏油に五条
いや、五条に関してはいつも以上に不機嫌顔でこちらを見ている
「悟、殺気やば。」
「うっせぇ。リア、ちょっと付き合えよ。」
笑顔を作って近付いてくるけど余計に怖い
「え、いや、あの…」
「はぁ、悟。
あんまりいじめると嫌われるよ?」
やれやれと言った様子で机で頬杖をつく夏油に助けてと目線を送ってみる
「ごめんね、リアちゃん。
私も疲れてるんだ
家入に目線を移すも貼り付けたような笑顔でこちらに手を振っている
2人に見捨てられ絶望していると腹部から腰に手が回りあれよと五条の肩に担がれる
「うわぁっ!
ご、じゃない悟先輩!下ろしてくださ〜い!」
「お前ほんと覚悟しろよ!
あと傑後でお前もぶっ飛ばす。」
「いやだよ。」
「いってらしゃーい」と夏油、家入に笑顔で見送られ
腹を括ったように抵抗をやめて10分程
見慣れない景色が広がっている
「先輩、どこまで行くんですか?」
「あ?お仕置き。」
「え、それはわかって…いえ、分かりたくないんですけれど。」
見慣れないけれど風情のある景色を五条の肩上で割と堪能していた
すると
「坊ちゃん!?」
男性の声がするがどう足掻いても姿は見えそうにない
一瞬五条の足も止まった
(坊ちゃん…?五条先輩のことですよね?
あー、そういえば五条家って呪術界の重鎮なのでしたね…)
「おかえりなさいませ。」
深々とお辞儀をしている初老の男性が目に入る
ヅケヅケと敷地内へと足を踏み入れていく五条
「あのー、先輩。
反省したのでもう降ろして頂けませんか?」
「無理。
てか、お前 呼びすらしなくなったな!」
「悟?」
今度は女性の声が真横から聞こえ
そちらを見た とても綺麗な白髪の女性が経っていた
「
「奥にいらっしゃいます。
悟、そちらは?」
何度も名前を呼ばれていたが
居場所を聞いた後振り返りもせず歩き出す