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1章

ーー

あれから五条から何かとちょっかいをかけられるようになったものの
2年生とはいい関係を築けているが、
同級生である七海や灰原とはタイミングが合わず ほとんど行動を共にしていない

そんな中 30件の仕事を言い渡されたのは5日前
夢川は単独 現在は奈良に来ていた

ーピリリリッ
携帯のディスプレイを開けば 夜蛾先生
「うっ、出たくない…。」

先日 無事着いた事を報告したら
当初振られた仕事以外のものまで追加される羽目になったからだ

未だ鳴り続ける着信に 大きくため息をついてから
通話ボタンを押す

「もしもし、お疲れ様です。」
「リア、今平気か?」

「はい、大丈夫ですよ!」
「悪いがまた、追加で頼まれてくれ。
3級レベルの物なのでそう時間はかからんはずだ。」

「あはは…わかりました。」

後で詳細をメールで送ると夜蛾との通話が終了する

「あ〜、ほかの県にも仕事あるのに
奈良から出られません。」

トホホとガックリ肩を落とす
目の前の仕事を片付けたら 自分へのご褒美として スイーツでも食べに行こうと鼓舞し
目的地のある山中へと足を踏み出す

「奈良のスイーツって何があるんでしょう?
後で調べてみましょう! 楽しみです」

昼間なのに薄暗い森の中歩みを進めていけば
目的地付近で呪いの気配が一気に強くなり
念の為 帳を降ろす

「この先のようですね。」

気を引き締めベルトにつけたホルダーから
拳銃を手に取り
慎重に進み慰霊碑のようなものを目視で確認出来た時
後方より呪霊の気配を感じ前方へ走り距離をとって対峙する

「ひト…コロス、コろス!!」

人のような姿ではあるが異形の呪霊に
少しゾッとする
呪霊あなたたちが気持ち悪い見た目でよかったと時々思います」

「遠慮なく殺れますから!」
拳銃を構え 目の前の呪霊に発砲する
真横からも下級の呪霊の気配を感じ
空いている左手で更にもう一丁の拳銃で見向きもせず撃ち込む

「下級も結構居ますね…。
長期戦なんて勘弁ですので
一気に終わらせます!」

討伐対象である2級呪霊に向かって走り込みながら
左手の拳銃で下級を撃ち抜き 右手の拳銃に呪力を装填する

走り込んでくる夢川に向かって2級呪霊も攻撃を繰り出す
それを上手く交わし呪霊を飛び越え後ろをとる

「お待たせしました!
私の特製の弾丸です。」

後頭部目掛けて発砲し命中すると同時に内側から頭部は弾け飛ぶ

「あとは軽く掃除ですわね」

にこりと笑い 下級に容赦ない弾丸の雨が降る


電波の届く所まで下山し
本部へ討伐完了の報告をメールで送信し
ポケットへ仕舞おうとした時に携帯が着信を知らせる
相手も確認せず通話に出る

「もしもし?」
「遅い、てかお前どこにいんの、全然繋がんなかったし。」

「お疲れ様です、山の中だったのでそのせいかもしれませんね。
ところで何か急用だったのですか?」
「別に用はねぇよ。」
「そうですか。
あ、五条先輩って「悟!お前そろそろ学習しろよ」
トゲのある言い方に苛立ちを覚えるものの
言い直す
「悟先輩」
「それでいいんだよ。で、なに?」

「聞くが失せてしまったので気にしないで下さい。」
「はぁ? んだそれ。
まーいいやお前今奈良だっけ?」
「はい、そうですよ。」

「奈良のどこ?」
(この流れは嫌な予感…。)
「おーい、聞こえてんだろー?おーい」

そーっと携帯電話を耳元から離し
通話終了ボタンを押して電源を落とす

「どうか五じょ、じゃない!
悟先輩来ませんように!!」

この後1時間後再び電源を入れれば
着信履歴は 五条悟の不在着信で埋め尽くされていた

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