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1章


ーー1週間後のある日

初日以降 2年生とは何度か顔を合わせているが
五条とは気まずい雰囲気のままで
夏油や家入は(五条は)気にしなくていいと
見かける度に声をかけてくれる

七海、灰原はペアで任務へ行ってしまい
1人自室で暇つぶしでクッキーを焼いている

(荷物を運ぶついでに使用人が後付けでオーブンを設置して行った)

ぼーっと
熱が加わり膨らんでいくクッキーを見つめているとドアがノックされる

コンコンッ
「[#dn=2#]〜居る?」

家入だと分かり笑顔で玄関へ向かう
「はーい、今開けますね!」

ロックを開けて扉を開くと
家入に夏油 少し離れた所に五条がつまらなさそうに立っている

「皆さんお揃いでどうなさったんですか?」

「暇だったんだよね
昼間なら[#dn=2#]居ると思って」

「急に押しかけてごめんね」

「いえ、大丈夫ですよ。
私も暇してたので!」

「なんか甘い匂いがする〜」
「いい匂いだね」

「あ、クッキーもうすぐ焼き上がるんですが
先輩方よかったらいかがですか?」

「さすがリアだわ〜」
「硝子とは大違いだね。」
「悪かったねー」

「上がって下さい」
扉を開けて招き入れる

「お邪魔しま〜す」
「お邪魔するね」

1人突っ立ったままの五条を見やる
「あの、五条先輩もどうぞ」

ハァと息を吐き出してぶっきらぼうに
「邪魔しま〜」と部屋に入ってくる

キッチンに戻り クッキーを盛り付ける皿とグラスを3つ用意する

「ね、リア〜、ごめん。
タバコ吸っていー?」
「硝子…私の部屋ならともかく[#dn=2#]ちゃんの部屋でまで吸う気かい?」
「人の部屋 喫煙所にすんじゃねーよ」

「構いませんよ。
灰皿になりそうなもの探してみますね。」
冷蔵庫からアイスコーヒーを入れて
ガムシロップとミルクを用意する

「やった!」
「正気かよ?
溜まり場になんぞ」
ゲッとした顔で五条が言う
「リアが許可してくれたからいいじゃん」
「リアちゃん 嫌なら断っていいんだよ。」

「大丈夫ですよ。
皆さんコーヒーでよかったですか?」

心配してくれる夏油に笑顔を見せながらグラスを置く
家入の前には 適当に見つけた小皿と一緒に
真ん中にガムシロップとミルクを置いていく

「ありがと〜」
「ありがとう、頂くね」
「さんきゅ」

「いえいえ
なんてないですけど ゆっくりしていってください」

空になったお盆を持ってキッチンに戻れば
ちょうど焼きあがった音がする

洗い物をしながら粗熱をとる
片付けが終わった所でクッキーを皿に移し
洗ったばかりのグラスに自分用のコーヒーを注ぐ

「お口に合うか分かりませんけど
焼き上がりました」

「こういうのってほんとに作れるんだね」
「硝子には一生作れなさそ〜」
「そういう事言うから悟はモテないんだよ」
「はぁ?んな事ねぇし」

暇つぶしからのお茶会はなんだかんだ2時間ほど続き

各々任務がある為解散になった
五条が去り際
「悪かった。あとクッキー…美味かった」

「えっと…
ありがとうございます。」

「悟。」
「へ?」
「悟でいい。
今度五条って呼んだら頬つねるからな!」

「え?は、はい!」
「んじゃ」

「ご馳走様。またね〜」
「リアちゃんも任務気を付けてね」
「はい! 皆さんもお気をつけて!」

3人の背中を見送り
食器とグラスをシンクに置き
自身も任務の為 支度を始めた


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