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1章


夏油が止めに入ると同時に
暗雲が立ち込める

「お前ら……一体何してる」

その場の全員の顔が強ばる
「夜蛾先生…」

「悟!最初になんて言ったか覚えているか」

五条と共にその場の全員でこっ酷く怒られ

説教から解放された後 書類を受け取り
部屋を案内してもらい解散

「はぁ、初日から怒られるとは思ってませんでした…」

自室の荷物を片付けながら盛大にため息をつく

ふと思い出して封筒を開けて
書面を確認する

「都内、ですか。
なんだか数ヶ月居なかっただけで懐かしい感じがしますね。」

中学最後の冬休みから
夜蛾同伴でちょくちょく任務をこなし始めて
卒業式後からは 補佐監督の 清水さんと国内を(半分観光気分で)回って来た

「日本。
とても素敵な場所ですよね、母様。」

家族写真を机に置き
空になったダンボールを片付け時計を見る
18時20分を少し過ぎたところ

「食材は何も無いですし
早めに出てどこかで夕食を摂るとしましょう」

清水に連絡を入れて高専を出た

車内にて今日あった出来事を話す
「あはははっ。
そりゃ災難だったな!」

「笑い事じゃないですよ!」

「悪い悪い。
でもいいじゃねぇの、後々いい思い出になるさ。」

「そうでしょうか…?」

「そーそ。
楽しんだもん勝ちだぜ、リアちゃん。」

「はぁ…」

納得出来ないまま
清水と夕食を摂り サクッと仕事も片付け帰還

「おつかれ!
ゆっくり休めよ!」

「はい、おやすみなさい。」

寮の前まで来ると
前方から歩いてくる2人組のシルエットだけが見える

外灯に照らされ
お互い誰かわかった瞬間同時に顔をしかめた

「早速 仕事だったのかい?」

「えぇ、簡単なものでしたけど…」
夏油に声をかけられ平常に戻す

「けっ、おい傑さっさと行くぞ」

キッと睨まれ横を通り過ぎる

「ごめんね、リアちゃん。
悟も悪い奴ではないからさ」

足速に歩いて行く五条に呆れた顔をしながら
微笑む

「…はい。」

「私も行ってくるよ
おやすみ、リアちゃん。」

通り過ぎ様にポンと頭に手が触れた
振り向いて「えっと、行ってらっしゃい」とその背中に声をかけると
軽く手を振ってくれた


リアの中で
夏油の好感度だけが上昇した
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