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1章


おそらく五条家の敷地内に入ってから
不機嫌オーラの漂う五条に恐る恐る声をかけてみる

「悟、せんぱい?」

「なに?」

「どうして私…こんな所に連れてこられたんですか?」

何も答えず土足のまま廊下にあがり障子を開け少ししゃがみこんで入っていく

使用人達が慌てふためいている

「悟…。見合いは明日だ」

(お見合い?
声ちょっと似てますね、って事はお父様?)
「んなもんしねぇよ。」
思考を巡らせているとようやく肩から降ろされると同時に抱き寄せられ胸板で鼻をぶつける

「こいつと結婚するから。」

その場全ての人間の時が一瞬止まったと思う
そんな中第一声をあげたのはリアだった

「Whaat!?
You've lost me.」

「は?何語?」

「はぁ…英語です。
もう少し勉強してください。」

五条の腕の中で肩を落とす

「悟。
どういうつもりなんだ」

「2度も言わせんなよ。
俺はこいつと結婚する。」

「どうしてそうなるんですかっ!」

「リア、お前ちょっと黙ってろって。」
頭を胸板に押さえつけられる

「ぜってぇ、見合いなんてしねぇから!」

吐き捨てるように言うだけ言うと五条はその場から消えた


ーーー
五条と夢川は瞬間移動こそしたものの
と着地に失敗して塀から落ちた

「イテテ…」
咄嗟に庇ってくれたのか大したダメージはない
目を開けても真っ暗で目の前から五条の匂いがする
強く抱きしめられているらしい

「あー、失敗した…無事か?」

「はい。」

ゆっくり五条が起き上がる
不意に見えた瞳が寂しそうで

「さとる、先輩?」
その頬に手を伸ばして触れる

「なんだよ。
また眼の話?」

「えーと、まぁ…そうですけど。
何か…いえ、お2人が負傷するくらいですし何かあったんでしょうけど…」

「はっ。
別に…なんでもねぇ…」

いつもの五条らしくない顔に胸の奥がむず痒い感覚を覚える

「はぁ〜あ。」
大袈裟にため息をついて抱きつかれる

「ちょっとだけ…このまま居させろ」

「…はい。」
正直無下限の発動があるとはいえ起き上がって欲しい等内心思いつつ
微かに震える五条の体に腕を回した

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