さしすplus
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
暇さえあれば教室にいつの間にか集まる
誰が声をかけた訳では無いが自然に
「ん〜ね!硝子!!」
隣で同じようにケータイをいじる家入の方を向いて
「私と付き合って!?」
「ぶっ!?ゲホゲホッ」
コーヒーを飲んでいた夏油がむせたのか咳き込む
「はぁ!?」と声を荒げて五条も 何言ってんだこいつって視線を向けてくる
そんな刹那は家入は即答で「いいよ」とケータイから目線をあげて微笑む
「ありがと!硝子大好き!!」
家入の首元に手を回す
「あー、朱奈?
お前…ソッチなの?」
「へ?五条くん なに?」
意味が理解出来ず 家入の頬に頬をくっつけたまま聞き返す
「んっん〜。硝子と2人でお出かけかな?」
咳払いをして爽やかな顔で夏油が問いかけてくる
「え? ううん。お出かけもしたいけど
ちょっと付き合ってもらおうかなって」
何やら凍りついたように動きを止める五条と夏油
「朱奈行こう。
ま、クズ共には言えない事だ、察しろ。」
家入は勝ち誇ったような顔で2人に舌を出してから
手をひかれて立ち上がり教室を後にする
「またね!夏油くん!五条くん!」
廊下に出て
「返事してくれなかったや。
2人ともどうしたのかな?」
「ほっといていいよ。
やるんでしょ?いつもの」
「うん…
お手柔らかにお願い」
ーー
「なー、傑。
あいつらそういう関係だったわけ?」
椅子に背を預けて天井を仰ぐ五条
「いや、私も知らなかったけど…。
そう…なの、かな?」
背中を丸めコーヒーの缶を両手で握りしめる夏油は歯切れが悪い
「あー」「はー」
五条も夏油も半時間ほどため息しか出していない
「なー、傑。」
「なんだい。」
「見に行こうぜ。」
「いや、それはさすがに…」
「まだ、わかんねぇじゃん!
アイツらが…その…そういう関係なんて決まったわけじゃねぇし!
傑も気になるだろ!?」
「気にはなるけど…
あまり詮索しない方がいい気もするよ。」
「俺は行く!
で、そういう感じだったら…引き返してちょっと2、3日寝込むわ。」
「はー、寝込む覚悟は出来た。
私も行くよ。悟1人では心配だしね。」
ーーー稽古場
「はっ!あっ!
硝、子っ!…んんっ」
「ほら
朱奈。 こっち」
「あっ!」
ーー
((ここなら確かに人来ないけどあの二人何して…))
校内あちこち探し回ってようやく家入と秋月の居場所を突き止めた五条と夏油は
聞こえてくる2人の声に頭を抱える
「悟…どうする?」
「あー、どうすっかな…。」
ーーー
「はぁ…硝子、ちょっと休憩。」
「朱奈、へばるの早すぎ。」
「しょうがないじゃん!
私そんな体力ないんだもんっ!」
「頑張ってる朱奈に
飲み物買ってきてあげようじゃないか。」
「わー!ありがと硝子様!」
「様はやめろよ。
行ってきま」
「はーい、行ってらっしゃい。」
ガラガラと扉を開けた家入が一瞬立ち止まって
ピシャリと閉められる
ーー
「お前らなにやってんの?」
少し乱れた制服の家入に睨みつけられる
「「あ。」」
「あー、ちょっと傑と組手しようかと…
な!傑!」
すかさず言い訳を考えて夏油の肩を引き寄せる
「そ、そうそう!ここなら空いてると思って」
「ふーん。
いつもそこら破壊して バカやってるお前らがねぇ。
とりあえず自販機まで行くぞ。」
グサッと両者に鋭利な何かが突き刺さる
反論出来ず大人しく 家入の後に続く五条と夏油
「どうせ
朱奈が気になって見に来たんでしょ。」
「「…はい。」」
「安心しろよ。
お前らクズの思ってるようなそういう関係では無いから。私は朱奈ならありだけど。」
「硝子、そういう所あるから怖ぇんだよ。」
「朱奈は純粋だしね。」
「私は純粋じゃないってか。」
タバコを取り出して火をつける家入
ふーっと煙を吐き出して後ろを歩く2人に火種を突きつけ
「私は朱奈の自主練に付き合ってるだけだ。」
「は?」
「はぁ…なんでまた自主練なんか、私達が守るのに。」
「それな!」
「はぁ、お前らのお荷物になりたくないってさ。
朱奈が1番体力ないのは事実だし。」
「俺らのために自主練してるって事?」
「そう…」
キラキラと目を光らせる五条と胸を撫で下ろす夏油
「つけあがるなクズ。
朱奈は朱奈の為にやってんの。」
「そうか。
朱奈、1人で頑張ってたんだね。
悟、邪魔しちゃ悪いし 寮に戻って夕飯でも作ろうか。」
「え?お、おう。」
「硝子、君たちの分も作っておくから朱奈にも伝えておいて。」
「あいよ。」
ーーー
「わー!すごいごちそう!
赤飯なんて炊いちゃって 何かいいことあったの?夏油くん。」
「まぁ少し、ね。悟。」
「ん、まぁ…。」
「えー、2人してなになに?
私にも聞かせてよ〜!」
「朱奈、あまり近づくな。
穢れるぞ。」
ひょいっと後ろから五条 夏油から距離を取らせるように引き寄せる家入
「え?どういう事?」
「あいつら 付き合い始めたらしい」って嘘の耳打ちをして
「え!?」
大きな声を出してしまい慌てて口を塞いで
小声で 「ほんと?」と家入に尋ねる
「たぶん…ね。」
全員 色々な感情の入り交じった 食事会となった
END