東京校
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自室でパソコンとにらめっこを続けていると
伏せて置いたスマホがなっているのに気付き慌てて通話に出る
「はい!秋月です!」
『朱奈、私だよ。私。』
「なんだ、硝子かぁ〜」
『書類作成でもしてたの?』
「そー、溜め込むとダメだね〜。
で、どうしたの?」
『迎えに来て欲しかったんだけど、忙しいならいいよ。』
「息抜きしたいし行くよ!
どこに行けばいい?」
『助かるよ、今、新宿駅に居るよ。』
「了解!用意して向かうね。
どこか入って待ってて!」
『うん。よろしく。』
通話が終了し 作成途中の画面を保存してパソコンを閉じてカーテンの隙間から鉛色の空を見上げる
「雨、降りそう。」
上着を羽織って車の鍵とスマホ
財布を手に取って 忘れ物がないか部屋を見渡す
「ん、OK!」
自室から出て高専敷地内の駐車場まで少しだけ早足で向かう
何人かすれ違った高専関係者と 挨拶だけ交わしながら
黒塗りのスポーツセダンのドアノブに触れれば
電子音でロックの解除を知らせてくれる
乗り込んで
[今から向かうね]とメッセージを送って
スマホ 財布を自身の定位置に配置して エンジンをかける
偏光レンズのサングラスをかけて
シフトをドライブにいれ高専を後にする
だいたい半時間ほど車を走らせたところで
ぽつりぽつりと 空の涙が降り注ぐ
「あ、降ってきた」
雨空だったこともあり 軽い渋滞ができ始める
信号で止まった時に 渋滞込のおよその到着時間を送る
すぐさま既読がついて 了解 と届く
送信した時刻より少し早めに 付近に到着することが出来た
シートベルトを外し 電話をかけようとスマホに手を伸ばすと
助手席側の窓ガラスがコンコンと叩かれ雨に濡れつつある家入が見えてドアロックを解除する
「硝子、濡れちゃってるじゃん。」
「ちょっと早く店出たらこうなった。」
後部座席に置いてあった布を引っ張って家入に手渡す
「寒くない?
タオルケットしかないけどこれ使って。
暖房つけるね。」
エアコンパネルに手を伸ばして操作する
横でタオルケットで濡れた髪を軽く拭く家入
「悪いね。」
「いいよ!気にしないで!
出張お疲れ様!」
「ありがと、朱奈。」
適当に拭き上げタオルを被ったまま
膝の上に置かれた袋の中から カフェオレを手渡してくれる
「無糖だけど、シロップもいる?」
「いいの?ありがと!硝子大好き!」
助手席の家入に抱きつく 濡れたせいか少し冷たい
「朱奈まで濡れるよ。
風邪引いても知らないよ。」
「えー、硝子 看病してくれないの?」
「私も忙しいんだよ。
代わりに五条に連絡しておいてあげるよ。」
「え、それはヤダ。」
すっと家入から離れ 手に持ったままのカフェオレを受け取る
「あははっ
ほんと朱奈、五条の事 嫌いだよね。」
「だって昔から 悪戯ばっかりされてるんだよ!?」
「あいつも不器用だよな。」
「硝子?何か言った?」
「いいや。
で、シロップは?」
「あ!貰う〜!」
カフェオレにシロップを入れてかき混ぜる
「他寄るところとかない?」
「うん、ないよ。
荷物後ろ置いていい?」
「うん、いいよ。」
後部座席に荷物を起き終わるのを確認して
シートベルトを閉める
家入も上着からタバコとライターを取り出してからシートベルトを閉めている
サイドミラーで後続車を確認しながら
ドライブに入れてハザードを切ってウィンカーを出して発進する
「タバコ…吸うなら吸っていいよ。
喫煙車だし。」
「あぁ〜
コンビニよるとつい買ってしまってね。
癖ってなかなか抜けないもんだよね。」
タバコを取り出して火をつける家入につられて
サイドポケットに入れた タバコを取り出して
窓を少しだけ開ける
「そうだね〜。
まぁ今はもう私達も成人しちゃってるし
硝子の好きにしたらいいんじゃないかな?
私も気が付いたら手が伸びてるし!あはは」
「朱奈も働きすぎなんだよ。」
口にくわえたところで火がついたライターを差し出してくれる
「ありがと!
そうかもね。
でもその方が余計な事考えなくて済むから楽だよね。」
「そうね。」
「でも、久しぶりに硝子と遊びにも行きたいな〜。温泉とかどう?」
「いいね!日帰りとかなら時間取れるんじゃないかな。」
「じゃー今度休み合わせて行こうね!」
「ああ、行こう。」
煙る視界の中 交わす約束
END