さしすplus
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珍しく家入単独で引っ張り出されて
夏油 五条 秋月という珍しい3人で座学が終わった後そのまま談笑していると
教室の扉が開いてくたびれた家入が入ってくる
「硝子、おかえり」
「おつかれ!」
「お疲れ様〜。
なんかぐったりしてるね…」
「ほんと疲れた、朱奈癒して。」
ゆっくり歩いてきて後ろから家入に抱きつかれる
「硝子お疲れ様〜。頑張ったね〜。」
回された手をぎゅっと握れば
「ん。」と短い返事が頭の後ろで聞こえる
「硝子座るかい?」
夏油が空いている机を避けて 椅子を引き出してくる
「ん、朱奈の横。」
「はいはい」呆れながらも秋月の隣に椅子を並べる
「あんがとー」
ゆっくり離れて椅子に座って
「あー、なんでみんな反転術式使えないの」とぼやきながらタバコを取り出す
同時に何かが床に落ちたので拾い上げて家入に手渡す
「硝子落ちたよ」
「あぁ。それ朱奈にあげようと思ってたんだった。忘れてた。」
「そうなの?」
「うん。似合うと思う。」
よく見れば小さな紙袋だが Foryou という文字にリボンの生えた シールが貼られている
「ありがとう!開けていい?」
「もちろん」タバコに火をつけながらやんわり笑う
「夜蛾に見つかったらまた怒られんぞ〜」
タバコをふかし始めた家入に怪訝そうな表情で五条が伝える
「知るか。これぐらいの仕事はしてきたし。」
「よっぽどだったんだね」
「みたいだね〜」
携帯をいじりながら呟く夏油に 破かないように慎重に紙袋を開けながら賛同する
「そんなの破けばいいだろ」
「やだよ〜、せっかく硝子がくれたんだもん。
綺麗に開けたいもん!」
「夏油〜、その缶 空?」
夏油の机に置かれたコーヒーの缶を指差す
「あぁ、空だよ。」
「借りるわ〜」
「どうぞ。出来れば使用後捨てて欲しいけどね。」
立ち上がって空き缶を手に入れた家入はそこにタバコの灰を落として
「んー、気が向いたら捨てておく」
「いや、捨てろよ。」
「いいじゃん。私は疲れてんだよ」
そんなやり取りをしてる中ようやく綺麗に開けれた紙袋
小ぶりのハートが揺れて全貌が見える
「可愛い!」
「でしょ〜。絶対似合うとおもって」
「ありがとう硝子!」
「朱奈はそういうのが好みなわけね」
「可愛いでしょ?」と五条に見せびらかして気付く
「朱奈、それピアスだけど耳開けてたっけ?」
夏油に思ったことを先に言われる
「開いて…ない…」
「あれ?イヤリングじゃなかったんだ…
ごめん、朱奈。今度変えてもらってくる」
「いいよ。せっかく買ってくれたんだし!」
両手でピアスのついた台紙を見つめて
ゆっくり夏油に目線を移す
「夏油くん…開けて?」
痛いんだろうなぁっでも硝子がくれた物だしとと葛藤の中モジモジしながら懇願する
「構わないけど ピアッサーなんてものは生憎持って無いよ?」
「じゃあ何で開けんの?」
五条がかわりに聞いてくれる
「安全ピン」
ですよねーという空気が流れてすかさず
「朱奈〜、無理しなくていいよー?貸しな?」
2本目を吸う家入が手を差し出してくる
「んん〜。…開ける。
夏油くんお願い!!出来れば出来るだけ痛くないように!」
潤んでくる瞳で勢いで再度夏油にお願いする
「なんだかいけないことするみたいで妙な気分になるね…」
「夏油〜。朱奈泣かせたら殴るぞ〜」
「そこまでする事か?」
「もの探してくる。待ってて」そう言って夏油が教室から消える
五条と家入に きっと任務で怪我するのと大差ない 多分痛いのはその時だけって言われて
そう思い込むようにした
少しして夏油が戻ってきて夏油と近い距離で向かい合って座る
右耳の耳たぶ触れて
「本当にいいの?」
か細い声くなった声で了承し目を瞑る
「出来るだけ痛くないようにするよ」
「…ぅん」
「じゃあやるよ?」
もう一段階キュッと目を閉じて痛みを待つ
「なー、硝子俺ら何見せられてんの?」
「んー。なんだろうな」
プチッと音がしてじんわり痛みがきて
「ッ!」声にならない声があがる
「通ったよ。」
「ほんと?」
目を開けて滲む視界で夏油を見る
「んー、朱奈。
そんな目で見つめないでくれ、本当に悪い事した気になる。」
椅子の背に体を預けて上を向き顔を抑え込む夏油
「夏油、おつ。」「傑、ドンマイ」
はぁーっと息を吐き出して
「とりあえず邪魔だろうけどしばらくそのままつけておくことをオススメするよ。」
「わかった。」涙を指で拭いながら忠告に従う
「片方はまた後日にしようか。
私がもたなくなる。」
机に置かれたもう1本の安全ピン手に取る
「夏油〜、それ貸して。」
「何する気?」
「朱奈と片方ずつにしようと思って。
なんか癪だから」
「確かに、なんか役得感あったな。」
あえて何も言わず 家入に安全ピンを渡す夏油
「硝子、結構痛いよ?まだジンジンしてるし。」
「大丈夫。
朱奈右なら私左にしよ」
髪をかきあげてすっと左耳に安全ピンを当てたかと思うと
なんの躊躇いもなく通し切る家入
「通ってる?」
「うん、綺麗にね。」
「お前…」
「確かに痛いね」
平然とした顔でピンを留めて
タバコに手を伸ばす
「硝子って時々すごく男前だなぁって思うの」
「…そうだね」
「だよな…」
さっきまでの葛藤を忘れる様な光景に3人で
遠くを見つめた
END
後で透明なピアスを夏油に貰って
後日しっかり出来上がったピアスホールに
お揃いのピアスをつけて写真を撮った