前置き
[注意とは警告しておりますが、不快な思いをされる方がいらっしゃいましたら申し訳ごさいません。]





ーーーーーー

ある日の休日街中でばったり小・中学の同級生とあってしまった

｢ねー、もしかして秋月？｣
ゆるふわのウェーブがかった髪小綺麗な顔立ちの女性 その横には顔の整った背の高い彼氏だろうか2人ともどこか懐かしいような気がした

｢は、はいそうですけど…｣

｢ウッソ！マジだったんだけど！｣
女に顔をグイッと覗き込まれる

｢ほら秋月だっただろ？｣

｢あのデブが小綺麗になったもんね〜｣

｢だよな〜。秋月ってわかんなかったら俺声掛けてたわ｣

(なにこの人達 知り合いにこんな人いたっけ…
思い出せそうで思い出せない。)

｢なにキョトンとしてんの？ もしかして私らがわかんないの？毒峰とこっちは異堅よ。｣

苗字を言われてぼんやりと昔を思い出す

散々私を罵りいじめてきた主犯格だ
思い出すだけで吐き気がしてくる

｢顔色悪いぜ？休憩できる所まで連れてってやろうか？｣

口を抑えて身震いする秋月に男が触れる

｢異堅 さすがに雑食すぎでしょ〜。｣

｢俺は穴がありゃいいんだよ。行こうか、子豚ちゃん。｣

頭の中で過去の記憶（トラウマ）が押し寄せる中 うっすらと下品な会話が聞こえる


｢ちょっと、ちょっとお兄さん
僕の彼女に何か用？｣
肩に回されていた異堅の腕が消えて
清涼感のある嗅ぎなれた匂いと温もりに包まれる

｢は？こいつの彼氏？｣

｢そーだけど？｣

｢背たっか…｣

｢マジでこれと付き合ってんの？あんた。｣

｢なになに？さっきからそうだって僕言ってるじゃん｣

｢ごじょ…さん｣

｢顔色悪そうだね、朱奈。
あの二人に何かされたのかな？｣

後ろから抱きしめてくれている五条から殺意が漏れるのが分かってとにかく頭を横に全力で振った


｢んー。
まぁいいや次朱奈に近づいたらタダじゃ置かないからね！｣

ドスを聞かせて2人に言い放つ

｢行こうか、朱奈。｣

五条に支えられて迎えに来てくれた伊知地さんの車に支えられて乗せてもらう

秋月を乗せて後部座席の窓を開けてから扉は閉められ

｢朱奈ちゃん、何があったのかは聞かないけど。
何も気にしなくていい。
過去がどうあろうとキミはキミだ。｣

｢はい｣

｢皮肉なことに過去は変えられない
でもこれからならいくらでも変われるだろ？｣

｢ありがとうございます。｣
大丈夫と振る舞うように精一杯笑ってみる

｢キミはそうやって笑っている方が可愛いんだから。
伊知地、ちゃんと送り届けてよー？｣

｢分かってます。｣

｢じゃ、またね！朱奈ちゃん！｣

五条を置いて走り出す

(今度何かお礼をしなきゃ…)
未だに震える体を抱きしめて目を閉じた


数年後 中学の同窓会であの二人はもう亡くなっていたことを知った
END