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--02.14 術師高専
キャリーバッグ片手に長い石段を上がりきり
一息つく
「ハァ…しんどい。
でも帰ってきたって感じ」
ん〜っと背伸びしてると
前から おーい と元気な声が聞こえてくる
声のする方を見れば虎杖が大きく手を振って走ってくる
「朱奈先輩!おかえりっす!!」
「ただいま〜
今日も元気そうだね、悠仁くん」
「元気っすよ!先輩!先輩!」
「なに?」
「チョコ下さい!」
丁寧なお辞儀+手を差し出す虎杖
「チョコ? んー、ちょっと待ってね」
キャリーバッグの上の紙袋を漁る
「チョコ、チョコか〜
ん〜。」
「あ、あの〜、先輩 今日何の日か…」
「あ!
これでどうかな!?」
カップラーメン程の丸筒のストロベリーチョコを渡す
せっかく渡したのに嬉しそうじゃない虎杖に
首を傾げる
「いちご苦手だった?
それともホワイトチョコがダメだった?」
あからさまにショックそうな虎杖に困惑してあたふたしてしまう
「悠仁、こんなとこでなにしてんだ?」
野太い声なのに見た目可愛いパンダが虎杖の後ろから現れる
「おう、朱奈帰ってたのか!
おかえり!この時期に北海道1ヶ月とかマジでお疲れ!」
「ただいま、パンダくん。
ほんと寒すぎて大変だったよ!」
「で、なんでコイツお土産持って固まってんだ?」
「えーと、チョコが欲しいって言われたから渡してみたんだけど
何か違ったのかな?」
そう言い終えるとパンダは爆笑し始める
「パンダくん 笑いすぎ
ねぇ、何が可笑しいの?ねー」
「いや、朱奈
今日バレンタインだぞ。」
一瞬思考停止したが 全て理解した
「そそそ、そういうこと!?
ごめん!悠仁くん!!おーい!」
反応のない虎杖の目の前で手を振って見るがそれもダメなようで
その様子を見てまたパンダは笑う
「もー、笑いすぎだってば!
悠仁く〜ん!戻ってきて〜、おーい!」
「パンダ〜、なに爆笑してんだー?」
「虎杖と2人で何やってんですか?」
「真希ちゃん!野薔薇ちゃん!
悠仁くん フリーズしちゃった!!どうしよう!」
「朱奈じゃん、おかえり!」
「朱奈先輩、おかえりなさい!
何があったんですか?」
2人にパンダと共に説明すると
3人して爆笑し始める
「ぷぷっ
あー、ほっとけばいいんじゃないですか
ぷぷぷッ」
「ふふっ
そーそ、ぐふふっ…そのうちかえってくるだろ」
「みんな笑いすぎ!」
「はぁー、笑いすぎて腹痛い
虎杖はほっといて寒いし中入ろうぜ」
「だな…ふふッ」
「もー、真希ちゃん!
悠仁く〜ん?
また今度埋め合わせするから、戻ろ?」
「ほっとけほっとけ」
結局 みんなにお土産渡して
ずーっとその話題でいじられるので
荷解きしてから 買い出しに出た
虎杖の姿はそこにはなかったので
少し安堵して町まで下りた
無事買い物を済ませ 帰路に着く
「みんなほんと笑いすぎ
恵くんや棘くんまで笑い堪えてたし」
マフラーで口元を隠し膨れっ面をする
ーーー
「やっと上手く出来た〜。
うーっ、部屋が甘ったるい。
ちょっとだけ窓空けよ、悠仁くん部屋に居るかな?」
材料と共に買ったラッピング用の袋に詰め込んで
虎杖の部屋を訪ねることにした
コンコンコン
「悠仁くん、居る〜?」
「朱奈先輩!?
あ、ちょっと待って!」
了承を伝えたら少ししてドタバタと足音がして
扉を開く
「お待たせっす
あがってあがって」
いつもの笑顔に戻ってたのでほっとしつつ せっかくなのでお邪魔させてもらうことにした
「じゃあ、お邪魔しま〜す」
夕食の支度中だったのか 美味しそうな匂いがする
「あー、いい匂い!
カレー作ったの?」
「うん
簡単だし ひと工夫で数日飽きずに食えるし!」
「私もカレー作ろうかな」
「晩メシまだなら食べます?」
「いいの?」
「いいっすよ!」
「ありがとう!
お菓子作ってたらこんな時間になっちゃって。
昼間はごめんね、コレ作ってきたから食べて!」
ラッピングして持ってきたそれを差し出す
「ありがとう!朱奈先輩っ!」
受け取る前にガバッと抱きつかれる
身長差から男らしい胸板に押し付けられる
「悠仁くん、息できない!」と背中を軽く叩く
「あ、すんません」
軽く解放される 普段と違う大人な顔をして見下げてくる
「朱奈先輩」
「な、なに?」
「俺、先輩が好きです」
カーッと顔が熱くなる
「え?あ、え?」
「俺と付き合って下さい!」
上手く目が見れなくなってうつむき加減で
「私で…いい…なら。」
「良かった…」と零して優しくだき寄せられる
恐る恐る腕をまわして抱きついてみる
「先輩、大好き」
「ぅん」
部屋の廊下で抱きしめあっていると
お腹の虫が鳴いて なお一層恥ずかしくなる
虎杖は笑いながらリビングへ手を引かれて
ローテーブルの前に座らされる
「あっためて来るから待ってて」
そう言い残してキッチンに消えた
テーブルに置かれた 昼間渡したお土産の横に
チョコを置いて
両手で顔を覆って 脳内でひとり小言タイム
「あぁ、もうっ」控えめに反省会を打ち切って
深呼吸
数分後にカレーライスが目の前に運ばれる
いつもの感じにもどった悠仁くんと
一緒に食べながら色んな話をして
いつの間にか恥ずかしさとか緊張は解れて
いつも通りで 変化があったとすれば
2人の距離感はさらに縮まった
END