虎杖 悠仁
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せっかくの休日
ショッピングに出掛けていた私は今
突然の雨に降られて雨を凌げる場所を探して
走っている
「冷たぁ〜、どこも人いっぱいだし〜。」
キョロキョロと店舗先のテント下には駆け込んだ人が多くて空きがない
いっそ諦めようかと足を緩めた時
「秋月!こっち!」
グッと横から手を引かれて
よろめきながら 誰かの胸に抱きとめられた
「わー。びしょびしょじゃん!」
聞き覚えのある声に顔をあげれば
ニィッと笑いかける虎杖の毛先から雨粒が滴る
「い、虎杖く…冷たっ!!」
「おぉ、悪い悪い。」
片手で髪を後ろに撫でる筋肉質の腕…見慣れないオールバックに少しドキッとした
「う、ううん。
ありがと、助かったよ。」
「おう。
結構降ってきたな〜。」
雨空を見上げる虎杖に目が逸らせない中
降りしきる雨が足元を濡らす
虎杖の目線が足元に移って
「雨、当たってんじゃん!言ってよ!」
閉じられたシャッターに背を預け
グッと引き寄せて雨に当たらないようにしてくれる
「あ、ごめん…ありがと。」
「おう。
早くマシになんねぇかな…。」
張り付いた髪をかきあげながら肯定する
「そうだね…」
(私はもう少しこのままでも、いい…な)
「結構濡れてっけど、寒くない?大丈夫?」
「うん。
虎杖くん暖かいから大丈夫。」
「ははっ、そっか!」
そこから少し会話が途切れて 雨は勢いを無くしていく
「…ちょっとマシになってきたな。」
「そう…だね。」
「よし。」
何かを決意したのか 腰に回してくれていた腕は解かれて
温もりは遠ざかる そんな事に寂しさを感じて虎杖を見上げれば
薄手の上着を脱いで肩にかけてくれる
「秋月、ちょっと待ってて!
俺傘買ってくるから!」
そう言って しんしんと降る雨の中走り去ってしまった
「あ…行っちゃった。」
かけられた上着も濡れてはいるけど
自分ほどでは無い 裾を掴んでさっきまで虎杖が背を預けていたシャッターに同じ様に背を預けて天を仰ぐ
「意地悪だなぁ。
もう少し降っていてくれればいいのに…」
(そうしたら、独り占め出来たのに。)
「秋月!お待たせ!」
1本の傘をさした虎杖が戻ってきた
「さすが虎杖くん!早かったね!」
「おう!悪い!
どこも売り切れ間近でさ、傘1本しか買えなかったわ。」
「ううん。いいよ。
一緒に帰ろ!」
「おう!」
同じ傘の下
濡れないようにすっと肩を引き寄せられて寄り添って歩く
「てかさ…
急に抱きしめたりとかしてマジごめん!」
「え、あ、いいよ。気にしてない、から!」
「…秋月、すっげぇいい匂いしてちょっと緊張した。」
口篭る虎杖の横顔を見上げる
よく見ると耳が赤い
「…私も。ちょっとドキドキしちゃった。
嬉しかったよ、見つけてくれて。」
「おう。」
2人して照れ笑いを浮かべながら
駅に向かった
その後ろでカメラを向ける五条には気付かずに
END