宮田短編
お名前設定はこちら
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『ゴング』
あなたと目が会った時、確かに聞こえたの
ゴングの音が
嫌らしい女だと思うでしょ?
早い話がそう、ベッドインの合図よ
どちらも妥協なんてしてない
納得済みの顔をしていたわね
だから私、あなたに手を伸ばしてこう言ったのよ
「外に出ない?」
あなたと手を繋いで歩いている間
自分でもビックリするほど興奮していたわ
これから始める“行為”を、こんなに待ちこがれたのは久しぶり
軽い女だと思った?
私がこんなことをするのは、あなたが初めてよ
きっとあなたも、こんなことをするのは初めてだったでしょう?
不思議なこともあるものね
出会ったばかりの二人が、すぐに互いをさらけ出すなんて
部屋に入るなりあなたは私の唇を奪って
服のボタンに手を掛けた
湿った私の身体に、あなたの指が一瞬反応して
それがさらに、あなたを興奮させたみたい
その間、会話なんてなくて、ただ
互いの途切れ途切れの吐息が、漏れるだけだった
ゴングはとうに鳴っている
あなたは攻撃の手を緩めない
試合の最中にお喋りなんてするような野暮じゃない
私、あなたの名前しか知らないの
あなたは私の名前も知らないかもね
なのに私は今、あなたの事を好きな女の子たちが一番みたいものを見ている
あなたのキスの仕方や、細やかな愛撫
快楽に心を委ねた顔
汗だくになったあなたの身体を包み込む
「・・・・腹、減ったな」
「そう?」
「ここって食べるものとかあるのか?」
「そこの電話で注文すれば」
あなたは部屋を見渡して、それから立ち上がるわけでもなくまたベッドに沈んだ
「あれ、食べないの?」
「こーゆーとこ来たことないから、よく分かんねぇんだよ」
「・・・・あ、そう」
「アンタは詳しそうだな」
「人を淫乱みたいに言わないでよ」
あなたは意地悪そうに笑った
「私だって、こういうの初めてよ」
「何が」
「行きずりの相手、ってやつ」
「・・・そいつは悪かったな」
「別に。あなたも遊び慣れてなさそうね」
「遊びのつもりはないよ。ただ・・・」
再び目線を交わして
磁石が惹かれ合うみたいに
唇を合わせて
汗ばんだ互いの身体に手を伸ばして
心地よい真っ白なシーツに包まれて
「ゴングが鳴ったから、でしょ?」
私の言葉にあなたは少し驚いて
それから笑って口づけた
運命なんて信じないわ
これが恋につながるなんて、そんな子供じみた妄想なんてしない
けれど、私たちが確かに聞いたゴングの音だけは嘘じゃない
一夜限りの恋
明日には私たち、別々の生活を送るでしょう
それでいいの
私たちは、そういう関係でいいの
対戦は一度きり
興冷めするようなゴングは、要らないの
END
---------------------------
2011.4.29 高杉R26号
世にも珍しい「ラブホ宮田」の話です。
これは確か、「一歩夢のお題に挑戦」みたいなところから拾ってきたテーマだったんですけど、これ以外かけなくて挫折してしまい、今まで放置していた話です。
宮田くん、基本的にこういう一夜限りの恋ってしなさそうなんですけど、ラブホとかよく知らない真面目な感じが描きたくて(笑)
この女性は試合後のホールとか祝賀会的な場所で知り合ったんでしょうかね。私も一夜限りのオイル交換したいガガガガ(壊)。
あなたと目が会った時、確かに聞こえたの
ゴングの音が
嫌らしい女だと思うでしょ?
早い話がそう、ベッドインの合図よ
どちらも妥協なんてしてない
納得済みの顔をしていたわね
だから私、あなたに手を伸ばしてこう言ったのよ
「外に出ない?」
あなたと手を繋いで歩いている間
自分でもビックリするほど興奮していたわ
これから始める“行為”を、こんなに待ちこがれたのは久しぶり
軽い女だと思った?
私がこんなことをするのは、あなたが初めてよ
きっとあなたも、こんなことをするのは初めてだったでしょう?
不思議なこともあるものね
出会ったばかりの二人が、すぐに互いをさらけ出すなんて
部屋に入るなりあなたは私の唇を奪って
服のボタンに手を掛けた
湿った私の身体に、あなたの指が一瞬反応して
それがさらに、あなたを興奮させたみたい
その間、会話なんてなくて、ただ
互いの途切れ途切れの吐息が、漏れるだけだった
ゴングはとうに鳴っている
あなたは攻撃の手を緩めない
試合の最中にお喋りなんてするような野暮じゃない
私、あなたの名前しか知らないの
あなたは私の名前も知らないかもね
なのに私は今、あなたの事を好きな女の子たちが一番みたいものを見ている
あなたのキスの仕方や、細やかな愛撫
快楽に心を委ねた顔
汗だくになったあなたの身体を包み込む
「・・・・腹、減ったな」
「そう?」
「ここって食べるものとかあるのか?」
「そこの電話で注文すれば」
あなたは部屋を見渡して、それから立ち上がるわけでもなくまたベッドに沈んだ
「あれ、食べないの?」
「こーゆーとこ来たことないから、よく分かんねぇんだよ」
「・・・・あ、そう」
「アンタは詳しそうだな」
「人を淫乱みたいに言わないでよ」
あなたは意地悪そうに笑った
「私だって、こういうの初めてよ」
「何が」
「行きずりの相手、ってやつ」
「・・・そいつは悪かったな」
「別に。あなたも遊び慣れてなさそうね」
「遊びのつもりはないよ。ただ・・・」
再び目線を交わして
磁石が惹かれ合うみたいに
唇を合わせて
汗ばんだ互いの身体に手を伸ばして
心地よい真っ白なシーツに包まれて
「ゴングが鳴ったから、でしょ?」
私の言葉にあなたは少し驚いて
それから笑って口づけた
運命なんて信じないわ
これが恋につながるなんて、そんな子供じみた妄想なんてしない
けれど、私たちが確かに聞いたゴングの音だけは嘘じゃない
一夜限りの恋
明日には私たち、別々の生活を送るでしょう
それでいいの
私たちは、そういう関係でいいの
対戦は一度きり
興冷めするようなゴングは、要らないの
END
---------------------------
2011.4.29 高杉R26号
世にも珍しい「ラブホ宮田」の話です。
これは確か、「一歩夢のお題に挑戦」みたいなところから拾ってきたテーマだったんですけど、これ以外かけなくて挫折してしまい、今まで放置していた話です。
宮田くん、基本的にこういう一夜限りの恋ってしなさそうなんですけど、ラブホとかよく知らない真面目な感じが描きたくて(笑)
この女性は試合後のホールとか祝賀会的な場所で知り合ったんでしょうかね。私も一夜限りのオイル交換したいガガガガ(壊)。