宮田短編
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「あれ?あれ宮田じゃねぇか?」
もぐもぐと焼きイカを頬張りながら呟いたのは、鴨川ジム一番の理不尽大王・鷹村守だった。
「え?どこすか?」
「あれだよ、あそこ」
「え?あの女連れの?」
「えっ、み、み、宮田くんっ!?」
鷹村が食べ終えた焼きイカの串で刺した方向に、一同が目を向ける。
遠くからでよく見えないが、確かに宮田らしき人物と、その隣に女性らしき人物がいるのが見える。
「後つけてみようぜ」
「またそうやって・・そっとしておいてやりましょうよ」
悪魔的な笑みを浮かべた鷹村を木村がいなすと、すぐさま死角から左ストレートが飛んできた。
「わっ危ね!なにするんすか!」
「キサマは見たくないのか、宮田の青姦」
「するわけねーだろ!!」
木村が小さなため息をつくと、その横で一歩がぼそりと「ボクは見てみたいな・・・」とつぶやいたので、軽く寒気がした。
「こんな地元のショボいお祭りに連れ立って来るとは、アイツら暇だな?」
「・・・自分も人のこと言えないでしょ」
今日は河川敷で地元のお祭りが行われている。
宮田は今はここに住んでおらず、多少遠いにも関わらず、そしてこの鴨川3バカトリオ+1に遭遇する危険性もあるだろうに、なぜここのお祭りにわざわざきたのか・・・
「高杉さん」
「あ、どうも〜」
「いやー、今回は色々とご尽力ありがとうございました」
「いえいえ、とんでもない」
「楽しんでいってくださいね、彼氏さんと♪」
「あ、あははは・・」
奈々がここの商店街のイベントを担当している縁で、お祭りに招待されたのだった。
元々は宮田の地元でもある。誘った時にしばし悩んでいた様子ではあったが、奈々の顔を立ててくれるつもりなのか、答えは予期せぬ「OK」の二文字。
「なかなか楽しいね」
「・・・そうだな」
「なんか間があったけど、あんまり楽しくない?」
「いや、懐かしいなと思って」
宮田はふと、微かな笑みを浮かべて下を向いた。
「前のジムの連中と、よく来てたから」
「そうなんだ。木村さんとか?」
「・・・・まぁ、そうだな」
宮田の脳内には、かつての仲間との楽しい思い出が巡っていた。
「そうしたら今日も来ているんじゃない?」
「・・・かもな」
短いため息をついたあと、宮田は奈々の手に指を絡めて歩き出した。
「い、一郎くん」
「ん?」
「その・・・いいの?」
「何がだよ」
「来ているかもしれないんでしょう?」
奈々も前に一度会ったことがある。
あれは宮田の初防衛戦の直後だったか。
短い時間の接触ではあったが、連中がゴシップ好きの騒がしい連中だということはすぐに理解できた。
「別にいいよ、見られても」
その言葉に奈々が驚いて固まると、宮田は軽く口付けて、頭を撫でた。
「・・・ひょっとして、見せつけてる?」
腕を絡ませながら奈々が呟くと、宮田はふっと笑って答えた。
「ご名答」
宮田の一部始終を常にマークしていたらしい鷹村。
焼きトウモロコシを齧る口が止まったかと思ったら、次の瞬間にはそれを放り投げ、青木の首を絞めながら雄叫びをあげた。
「オイ!!見たかキサマら!」
「え?何がっすか」
「馬鹿野郎!宮田だよ!あいつおっ始めやがった!」
「えっ!マジすか!って押すな、押すな一歩ぉ!」
「ボ、ボクも見たいですぅうううう」
土手の下の方から、わちゃわちゃとした男たちの騒がしい声が響いてきた。
奈々と宮田はそれをBGMに、目と目を合わせて笑った。
TO BE CONTINUED.....
----------
2024.9.8 高杉R26号
いつ書いたか忘れてしまったので本日の日付。
幸せな宮田一郎くんのお話でした。・・・え?こっちを宮誕SSにした方がしっくり来たんじゃないかって?それは言いっこ無しだぜベイベー。
もぐもぐと焼きイカを頬張りながら呟いたのは、鴨川ジム一番の理不尽大王・鷹村守だった。
「え?どこすか?」
「あれだよ、あそこ」
「え?あの女連れの?」
「えっ、み、み、宮田くんっ!?」
鷹村が食べ終えた焼きイカの串で刺した方向に、一同が目を向ける。
遠くからでよく見えないが、確かに宮田らしき人物と、その隣に女性らしき人物がいるのが見える。
「後つけてみようぜ」
「またそうやって・・そっとしておいてやりましょうよ」
悪魔的な笑みを浮かべた鷹村を木村がいなすと、すぐさま死角から左ストレートが飛んできた。
「わっ危ね!なにするんすか!」
「キサマは見たくないのか、宮田の青姦」
「するわけねーだろ!!」
木村が小さなため息をつくと、その横で一歩がぼそりと「ボクは見てみたいな・・・」とつぶやいたので、軽く寒気がした。
「こんな地元のショボいお祭りに連れ立って来るとは、アイツら暇だな?」
「・・・自分も人のこと言えないでしょ」
今日は河川敷で地元のお祭りが行われている。
宮田は今はここに住んでおらず、多少遠いにも関わらず、そしてこの鴨川3バカトリオ+1に遭遇する危険性もあるだろうに、なぜここのお祭りにわざわざきたのか・・・
「高杉さん」
「あ、どうも〜」
「いやー、今回は色々とご尽力ありがとうございました」
「いえいえ、とんでもない」
「楽しんでいってくださいね、彼氏さんと♪」
「あ、あははは・・」
奈々がここの商店街のイベントを担当している縁で、お祭りに招待されたのだった。
元々は宮田の地元でもある。誘った時にしばし悩んでいた様子ではあったが、奈々の顔を立ててくれるつもりなのか、答えは予期せぬ「OK」の二文字。
「なかなか楽しいね」
「・・・そうだな」
「なんか間があったけど、あんまり楽しくない?」
「いや、懐かしいなと思って」
宮田はふと、微かな笑みを浮かべて下を向いた。
「前のジムの連中と、よく来てたから」
「そうなんだ。木村さんとか?」
「・・・・まぁ、そうだな」
宮田の脳内には、かつての仲間との楽しい思い出が巡っていた。
「そうしたら今日も来ているんじゃない?」
「・・・かもな」
短いため息をついたあと、宮田は奈々の手に指を絡めて歩き出した。
「い、一郎くん」
「ん?」
「その・・・いいの?」
「何がだよ」
「来ているかもしれないんでしょう?」
奈々も前に一度会ったことがある。
あれは宮田の初防衛戦の直後だったか。
短い時間の接触ではあったが、連中がゴシップ好きの騒がしい連中だということはすぐに理解できた。
「別にいいよ、見られても」
その言葉に奈々が驚いて固まると、宮田は軽く口付けて、頭を撫でた。
「・・・ひょっとして、見せつけてる?」
腕を絡ませながら奈々が呟くと、宮田はふっと笑って答えた。
「ご名答」
宮田の一部始終を常にマークしていたらしい鷹村。
焼きトウモロコシを齧る口が止まったかと思ったら、次の瞬間にはそれを放り投げ、青木の首を絞めながら雄叫びをあげた。
「オイ!!見たかキサマら!」
「え?何がっすか」
「馬鹿野郎!宮田だよ!あいつおっ始めやがった!」
「えっ!マジすか!って押すな、押すな一歩ぉ!」
「ボ、ボクも見たいですぅうううう」
土手の下の方から、わちゃわちゃとした男たちの騒がしい声が響いてきた。
奈々と宮田はそれをBGMに、目と目を合わせて笑った。
TO BE CONTINUED.....
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2024.9.8 高杉R26号
いつ書いたか忘れてしまったので本日の日付。
幸せな宮田一郎くんのお話でした。・・・え?こっちを宮誕SSにした方がしっくり来たんじゃないかって?それは言いっこ無しだぜベイベー。
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