2020年宮誕SS
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いつものように自作の歌を歌いながら、鷹村はジムの階段を登っていく。
その手には何やら紙袋。
どうやら家で研究したビデオテープを、2階の応接室へ戻しに来たらしい。
「オレのパンチはダイナマイト〜っと・・・」
勢いよく応接室のドアを開けると、ソファに座りながら何やら物憂げな表情を浮かべた宮田の父の姿が目に入った。
「鷹村か。早いな」
宮田父は小さく息を吐いたあと、また何をするわけでもなく腕を組みじっと考え事を続けた。
「親父殿。何を考えているのだ?」
鷹村は借りたビデオを無造作にテーブルに置くと、また違うビデオを棚から漁りながら聞いた。
「ん?」
「辛気臭い顔をしている」
「そ、そうか?」
ビデオをきちんと棚に戻すという概念はないのか、鷹村が来た後の応接室はいつも散らかり放題だ。鷹村はいくつかのビデオをテーブルの上に置いて、それからそのうちの一つをデッキに入れて再生し始めた。
「実はな・・・明日は一郎の誕生日なのだが」
「ほう」
「毎年プレゼントをあげていたのだが、今年は何も要らないと言われてな」
「ほう」
「現金を渡すのも味気ないし、かと言って要らないものをあげてもな・・・」
「アイツも“オレはもうガキじゃない”と言いたいのかね、生意気な」
ガハハと豪快に笑いながら、ビデオを見続ける鷹村。
その横で少し寂しそうに宮田の父も笑う。
「親父殿には思春期の息子の心がわかりづらいのだろう」
「む・・・そ、そうなんだ。特に反抗期というわけではないのだがな・・・」
そこでふと鷹村が何かを思いついたようにくるりと宮田父の方を振り返り、
「それならばオレ様が選んでやろう」
「い、いいのか?」
「思春期の息子が喜びそうなプレゼントなら、歳の近いオレ様の方がわかるだろう。予算はいくらだ?」
「5000円くらいと思っていたが」
「それだけあれば十分だ」
宮田父から5000円札を1枚手渡された鷹村は、再生していたビデオをそのまま消すこともなく、ニヤリと笑って応接室を出て行った。
翌日。
「一郎ちゃ〜ん」
ジムに来るなり、鷹村、木村、青木がドア先でニヤニヤと自分を出迎えてきた。これは何か意図があるなと瞬時に察し、宮田はポーカーフェイスを貫いて、
「なんです」
「ちょっと来いよぉ」
「今から着替えるんで」
「ならちょうどいい、オレたちもロッカー行こうぜ」
ぬるぬるとしたイカみたいに木村と青木が両サイドに絡みつき、有無を言わせずこれから始まる何かに巻き込もうとする魂胆が見え見えだ。
一体何を企んでいるのか皆目検討もつかないが、いざとなったら青木に一撃喰らわせて逃げよう、と宮田は警戒心を緩めない。
ロッカーについて、カバンを無造作に床に置き、着替えを始めようとシャツのボタンに手をかけた時だった。
「はっぴばーすで〜、一郎ちゃん」
ジャジャジャジャーン!とお決まりかつベタな効果音とともに差し出されたのは、やや大きめの紙袋。どうやらプレゼントだと言うことは理解できたが、宮田はここで初めて今日が自分の誕生日であったことに気がついた。
「気色悪いから要らない」
「受け取れヨォ!」
「結構です」
無視をして着替えを続けようとする宮田の周りに3人の男がまとわりついて離れない。
あまりにもツレない態度を続ける宮田に鷹村は痺れをきらし、
「じゃあ特別にいまここで中身見せてやるからよ!」
と言い、紙袋から中身を取り出した。
「なんならすぐ使ってもいいぞ!」
その手には何やら紙袋。
どうやら家で研究したビデオテープを、2階の応接室へ戻しに来たらしい。
「オレのパンチはダイナマイト〜っと・・・」
勢いよく応接室のドアを開けると、ソファに座りながら何やら物憂げな表情を浮かべた宮田の父の姿が目に入った。
「鷹村か。早いな」
宮田父は小さく息を吐いたあと、また何をするわけでもなく腕を組みじっと考え事を続けた。
「親父殿。何を考えているのだ?」
鷹村は借りたビデオを無造作にテーブルに置くと、また違うビデオを棚から漁りながら聞いた。
「ん?」
「辛気臭い顔をしている」
「そ、そうか?」
ビデオをきちんと棚に戻すという概念はないのか、鷹村が来た後の応接室はいつも散らかり放題だ。鷹村はいくつかのビデオをテーブルの上に置いて、それからそのうちの一つをデッキに入れて再生し始めた。
「実はな・・・明日は一郎の誕生日なのだが」
「ほう」
「毎年プレゼントをあげていたのだが、今年は何も要らないと言われてな」
「ほう」
「現金を渡すのも味気ないし、かと言って要らないものをあげてもな・・・」
「アイツも“オレはもうガキじゃない”と言いたいのかね、生意気な」
ガハハと豪快に笑いながら、ビデオを見続ける鷹村。
その横で少し寂しそうに宮田の父も笑う。
「親父殿には思春期の息子の心がわかりづらいのだろう」
「む・・・そ、そうなんだ。特に反抗期というわけではないのだがな・・・」
そこでふと鷹村が何かを思いついたようにくるりと宮田父の方を振り返り、
「それならばオレ様が選んでやろう」
「い、いいのか?」
「思春期の息子が喜びそうなプレゼントなら、歳の近いオレ様の方がわかるだろう。予算はいくらだ?」
「5000円くらいと思っていたが」
「それだけあれば十分だ」
宮田父から5000円札を1枚手渡された鷹村は、再生していたビデオをそのまま消すこともなく、ニヤリと笑って応接室を出て行った。
翌日。
「一郎ちゃ〜ん」
ジムに来るなり、鷹村、木村、青木がドア先でニヤニヤと自分を出迎えてきた。これは何か意図があるなと瞬時に察し、宮田はポーカーフェイスを貫いて、
「なんです」
「ちょっと来いよぉ」
「今から着替えるんで」
「ならちょうどいい、オレたちもロッカー行こうぜ」
ぬるぬるとしたイカみたいに木村と青木が両サイドに絡みつき、有無を言わせずこれから始まる何かに巻き込もうとする魂胆が見え見えだ。
一体何を企んでいるのか皆目検討もつかないが、いざとなったら青木に一撃喰らわせて逃げよう、と宮田は警戒心を緩めない。
ロッカーについて、カバンを無造作に床に置き、着替えを始めようとシャツのボタンに手をかけた時だった。
「はっぴばーすで〜、一郎ちゃん」
ジャジャジャジャーン!とお決まりかつベタな効果音とともに差し出されたのは、やや大きめの紙袋。どうやらプレゼントだと言うことは理解できたが、宮田はここで初めて今日が自分の誕生日であったことに気がついた。
「気色悪いから要らない」
「受け取れヨォ!」
「結構です」
無視をして着替えを続けようとする宮田の周りに3人の男がまとわりついて離れない。
あまりにもツレない態度を続ける宮田に鷹村は痺れをきらし、
「じゃあ特別にいまここで中身見せてやるからよ!」
と言い、紙袋から中身を取り出した。
「なんならすぐ使ってもいいぞ!」