残念な宮田シリーズ
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4.どんな人が好き?
「ねぇねぇ、宮田くんってさ」
川原ジムのマーケティング担当、谷みちるが、いつも通り馴れ馴れしく声をかけて来た。
9割方どうでもいいことを聞いて来るので、いつも無視するようにしているのだが、この人の辞書には「めげる」という言葉はないらしい。
最後にはいつもこちらが折れて話に乗ってやることになるか、追ってこない場所まで逃げるしか無くなる。
「あ、また逃げる気だ。この意気地なし」
最近はカチンと来るようなセリフまで吐き出すようになった。
自分でもよくよくわかっているが、オレはこの手の挑発に乗りやすい。
クールだとかミステリアスだとか言われることが多いが、実は結構短気で単純だ。
「なんですか」
「今日・・・試合なんだよね、それでさぁ・・」
「試合?誰の」
「え・・・・やだもぉ言わせないでよぉ」
いつも男みたいにサバサバしているくせに、急にモジモジとしおらしくなるのを見て、すぐにピンと来た。
この人は、川原ジムのマーケティング担当をしながら、実は東邦ジム所属・間柴了の大ファンだった。
「どんな格好で行けばいいと思う?ねえ、宮田くんはリングからどんな女の人が見えるとテンション上がる?やっぱりラウンドガールには敵わないのかな?」
どうでも良すぎて返事ができない。
「ねぇねぇ」
「知りませんよ。リングに上がったらそんな余裕無いし」
「えー。リングサイドのお姉さんのパンチラとか見たりしないの?」
どうでも良すぎて返事が(以下略
「宮田くんはどんな女性が好き?」
「・・・オレは間柴じゃないですけど?」
「一般論として聞いておきたいんだよぉ」
オレの意見が参考になるとは全く思えないし、そもそも答える必要がない。
ここは無視して立ち去るべきだ、と本能が言う。
「あ、逃げる気だ。このチキン野郎」
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』以来、しばらくぶりに聞いたぜそのセリフ。
どんな育ち方したらそんなセリフが出て来るのか・・・
思わずイラついてしまい、せっかく離れかけていた距離を戻すように振り向いてしまった。
「あ、振り向いた。ねぇねぇ、どんな人が好きなの?」
「少なくとも、チキン野郎とか言わない女」
これで少し黙るだろうと思ったら、
「じゃあ、タマナシ野郎」
なんか目の前が真っ暗になってきた。
「そっか、宮田くんは清楚な感じが好きなんだ」
「・・・何も言ってませんけど」
「元カノがそういう系なの?」
ロープの音やサンドバッグを叩く音は響いているが、妙に静かだ。
他のジムメイトが聞き耳を立てているような気がする。
「宮田くんって清純派なんだねえ」
「・・・オレはなにも言って・・・」
「男はみんなそうなのかな・・間柴様も・・」
オレの聞き間違いか?
語尾に何か、変な敬称が付いていたのは・・・
「じゃあ、私も清純派スタイルで観覧してくるね!」
「はぁ」
「麦わら帽子に白いワンピースかな?」
いつの時代だ。
「でも間柴様はデス系な気もするし・・・」
やっぱり聞き間違いじゃなかった。
どうでも良すぎて息が苦しい。
「じゃ、練習頑張ってねー」
別に間柴の試合なんて、もはや階級も違うし全く興味がないにも関わらず・・・
一体どんな格好をして行ったのかと気になって仕方がなく、オレは気がつけば、後楽園ホールに続くエレベーターの前にいた。
END
宮田くんの好きな女性像を聞き出す話を書こうと思ったのに、脱線してしまいました・・・。
2018.11.10 高杉R26号
「ねぇねぇ、宮田くんってさ」
川原ジムのマーケティング担当、谷みちるが、いつも通り馴れ馴れしく声をかけて来た。
9割方どうでもいいことを聞いて来るので、いつも無視するようにしているのだが、この人の辞書には「めげる」という言葉はないらしい。
最後にはいつもこちらが折れて話に乗ってやることになるか、追ってこない場所まで逃げるしか無くなる。
「あ、また逃げる気だ。この意気地なし」
最近はカチンと来るようなセリフまで吐き出すようになった。
自分でもよくよくわかっているが、オレはこの手の挑発に乗りやすい。
クールだとかミステリアスだとか言われることが多いが、実は結構短気で単純だ。
「なんですか」
「今日・・・試合なんだよね、それでさぁ・・」
「試合?誰の」
「え・・・・やだもぉ言わせないでよぉ」
いつも男みたいにサバサバしているくせに、急にモジモジとしおらしくなるのを見て、すぐにピンと来た。
この人は、川原ジムのマーケティング担当をしながら、実は東邦ジム所属・間柴了の大ファンだった。
「どんな格好で行けばいいと思う?ねえ、宮田くんはリングからどんな女の人が見えるとテンション上がる?やっぱりラウンドガールには敵わないのかな?」
どうでも良すぎて返事ができない。
「ねぇねぇ」
「知りませんよ。リングに上がったらそんな余裕無いし」
「えー。リングサイドのお姉さんのパンチラとか見たりしないの?」
どうでも良すぎて返事が(以下略
「宮田くんはどんな女性が好き?」
「・・・オレは間柴じゃないですけど?」
「一般論として聞いておきたいんだよぉ」
オレの意見が参考になるとは全く思えないし、そもそも答える必要がない。
ここは無視して立ち去るべきだ、と本能が言う。
「あ、逃げる気だ。このチキン野郎」
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』以来、しばらくぶりに聞いたぜそのセリフ。
どんな育ち方したらそんなセリフが出て来るのか・・・
思わずイラついてしまい、せっかく離れかけていた距離を戻すように振り向いてしまった。
「あ、振り向いた。ねぇねぇ、どんな人が好きなの?」
「少なくとも、チキン野郎とか言わない女」
これで少し黙るだろうと思ったら、
「じゃあ、タマナシ野郎」
なんか目の前が真っ暗になってきた。
「そっか、宮田くんは清楚な感じが好きなんだ」
「・・・何も言ってませんけど」
「元カノがそういう系なの?」
ロープの音やサンドバッグを叩く音は響いているが、妙に静かだ。
他のジムメイトが聞き耳を立てているような気がする。
「宮田くんって清純派なんだねえ」
「・・・オレはなにも言って・・・」
「男はみんなそうなのかな・・間柴様も・・」
オレの聞き間違いか?
語尾に何か、変な敬称が付いていたのは・・・
「じゃあ、私も清純派スタイルで観覧してくるね!」
「はぁ」
「麦わら帽子に白いワンピースかな?」
いつの時代だ。
「でも間柴様はデス系な気もするし・・・」
やっぱり聞き間違いじゃなかった。
どうでも良すぎて息が苦しい。
「じゃ、練習頑張ってねー」
別に間柴の試合なんて、もはや階級も違うし全く興味がないにも関わらず・・・
一体どんな格好をして行ったのかと気になって仕方がなく、オレは気がつけば、後楽園ホールに続くエレベーターの前にいた。
END
宮田くんの好きな女性像を聞き出す話を書こうと思ったのに、脱線してしまいました・・・。
2018.11.10 高杉R26号
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