LUCKY STAR
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6.宮田のお願い
ずっと部屋に閉じこもっているのも疲れる。
ということで外に出てみたけれど…
出口が分からない。
ドアを開けた瞬間おぼろげな風景が広がって。
さらに進んで行くとそれは真っ白な風景に変わった。
自分が変な世界に居るのは百も承知。
作者の想定していない部分は、描かれないんだ。
どこをどう歩いたか分からないうちに、いきなり外に出た。
みたことのある、河原の土手。
時間は何時か分からないけど、散歩をする幼稚園児くらいしか見当たらないから、きっと午前中なのかな。
土手に腰掛けて、河の流れを眺める。
ああ、ここって。宮田くんがタイに行く前、一歩と会ったところ。
そして土下座したところ。石につまづいて転んだところ。
二次元相手に気持ち悪いほど、私は彼の事が好きで好きでたまらなかった。
その相手が目の前に居て、(関係は最悪にしろ)同棲中だなんて。
私もういつ死んでもいい!…と思ったけど、
元の世界に帰れるのかな?なんて不安も、無くはない。
______
「こんにちは」
ジム内に珍しい女性の声が響いたかと思うと、誰もが皆そちらに目を向けた。
声から期待通りの美人。飯村真理記者だ。
「お約束いただいておりました飯村ですが、宮田選手はいます?」
「ああ、一郎なら今来たところなので、もうすぐ着替えを終えて出てくると思いますよ」
宮田の父が答えると、飯村はにこりと微笑み、ボイスレコーダーをカバンから取り出し、取材の準備を始めた。
「あ、宮田選手」
「・・・どうも」
ロッカー室から出て来た宮田に軽く会釈をする飯村。
あらかじめ、今日はインタビューがあると知らされていた宮田は、ジム内の応接室に飯村を通すと、自らはソファに腰をかけた。
「じゃあ、今後の展望ですが…」
さっきから目の前の飯村の言葉が、なかなか耳に入ってこない。
今日は雑念が多すぎる。どれもこれもあの女のせいだ。
珍しく散漫な様子の宮田をいぶかしげに思った飯村は、すかさず
「宮田選手、今日はどうしたんですか?」
「え?」
「珍しく、上の空ですね」
飯村を見て宮田はあることを思いついた。
しかし…言っていいものか、どうなのか。
自分まで頭がおかしいと思われるんじゃないか。
そう思いながらも、もはや頼れる人間は無きに等しい。
「あの、ちょっと・・・お願いがあるんです」
「お願い?あなたが?」
意外なひと言に、飯村は目を丸くする。
「預かってほしいモンがあるんですけど」
______
ぼうっと河原を見ていたら、あっという間に夕方になっていた。
ご飯すら食べていないのに、特段お腹がすくこともなく。
自分が幻の中にいるのだと、改めて実感する。
どこをどう歩いたか分からないが、白いもやの中をたどるうちに、宮田の家の玄関にたどり着いた。
家に戻った途端に強烈な睡魔に襲われ、気がつくと夕方どころか時刻は9時になろうとしていた。
タイミングよく、玄関から鍵を差し込む音が聞こえ、宮田が帰宅。
「あ・・・おかえり」
「・・・」
宮田は相変わらず返事をしない。
「あ、あの・・・」
「悪いけど」
宮田は言葉を遮るようにかぶせて、それからこちらを一瞥し、
「今から一緒に来てくれるか」
宮田に促され外に出る。
また白いもやの中を歩く。
宮田の背中だけがしっかりと見える状態。
そうしてしばらくすると、駅らしき所にたどり着いた。
そこに居たのは。メガネの美女。
まさか・・・飯村真理さん!?
え?え?どういうこと!?
ずっと部屋に閉じこもっているのも疲れる。
ということで外に出てみたけれど…
出口が分からない。
ドアを開けた瞬間おぼろげな風景が広がって。
さらに進んで行くとそれは真っ白な風景に変わった。
自分が変な世界に居るのは百も承知。
作者の想定していない部分は、描かれないんだ。
どこをどう歩いたか分からないうちに、いきなり外に出た。
みたことのある、河原の土手。
時間は何時か分からないけど、散歩をする幼稚園児くらいしか見当たらないから、きっと午前中なのかな。
土手に腰掛けて、河の流れを眺める。
ああ、ここって。宮田くんがタイに行く前、一歩と会ったところ。
そして土下座したところ。石につまづいて転んだところ。
二次元相手に気持ち悪いほど、私は彼の事が好きで好きでたまらなかった。
その相手が目の前に居て、(関係は最悪にしろ)同棲中だなんて。
私もういつ死んでもいい!…と思ったけど、
元の世界に帰れるのかな?なんて不安も、無くはない。
______
「こんにちは」
ジム内に珍しい女性の声が響いたかと思うと、誰もが皆そちらに目を向けた。
声から期待通りの美人。飯村真理記者だ。
「お約束いただいておりました飯村ですが、宮田選手はいます?」
「ああ、一郎なら今来たところなので、もうすぐ着替えを終えて出てくると思いますよ」
宮田の父が答えると、飯村はにこりと微笑み、ボイスレコーダーをカバンから取り出し、取材の準備を始めた。
「あ、宮田選手」
「・・・どうも」
ロッカー室から出て来た宮田に軽く会釈をする飯村。
あらかじめ、今日はインタビューがあると知らされていた宮田は、ジム内の応接室に飯村を通すと、自らはソファに腰をかけた。
「じゃあ、今後の展望ですが…」
さっきから目の前の飯村の言葉が、なかなか耳に入ってこない。
今日は雑念が多すぎる。どれもこれもあの女のせいだ。
珍しく散漫な様子の宮田をいぶかしげに思った飯村は、すかさず
「宮田選手、今日はどうしたんですか?」
「え?」
「珍しく、上の空ですね」
飯村を見て宮田はあることを思いついた。
しかし…言っていいものか、どうなのか。
自分まで頭がおかしいと思われるんじゃないか。
そう思いながらも、もはや頼れる人間は無きに等しい。
「あの、ちょっと・・・お願いがあるんです」
「お願い?あなたが?」
意外なひと言に、飯村は目を丸くする。
「預かってほしいモンがあるんですけど」
______
ぼうっと河原を見ていたら、あっという間に夕方になっていた。
ご飯すら食べていないのに、特段お腹がすくこともなく。
自分が幻の中にいるのだと、改めて実感する。
どこをどう歩いたか分からないが、白いもやの中をたどるうちに、宮田の家の玄関にたどり着いた。
家に戻った途端に強烈な睡魔に襲われ、気がつくと夕方どころか時刻は9時になろうとしていた。
タイミングよく、玄関から鍵を差し込む音が聞こえ、宮田が帰宅。
「あ・・・おかえり」
「・・・」
宮田は相変わらず返事をしない。
「あ、あの・・・」
「悪いけど」
宮田は言葉を遮るようにかぶせて、それからこちらを一瞥し、
「今から一緒に来てくれるか」
宮田に促され外に出る。
また白いもやの中を歩く。
宮田の背中だけがしっかりと見える状態。
そうしてしばらくすると、駅らしき所にたどり着いた。
そこに居たのは。メガネの美女。
まさか・・・飯村真理さん!?
え?え?どういうこと!?