LUCKY STAR
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4.はんぶんこ
「はぁ」
玄関のドアが開くなり、見せびらかすように溜息をつかれた。
少しだけこちらを見て、それからバスルームへ直行。
ジムで着たジャージなどを洗濯機へ放り込んでいるようだ。
「はぁ」
リビングの方へ戻ってきて、再びわざとらしい溜息をつく。
「・・・・ご飯の用意は出来てますけど」
「いらねぇよ」
「せっかく作ったのに」
「頼んでねぇよ」
宮田の体中から嫌悪感が出ているのが分かる。ヒマにかこつけて、冷蔵庫にあったもので適当に夕食を作ってはみたものの、全くもって無駄になった形だ。
「じゃあ、1人で食べます」
「・・・どうぞ」
「って、ひょっとして減量中?」
何気なく放った一言に、宮田が鋭い眼光を向けた。
「なんで知ってる?」
「ん?何が?」
「オレがボクサーだって、何で知ってるんだよ?」
し、しまった・・・
そういえばそんな会話、一言も交わしてない!!!
「ほ、ほら、そこにグローブかけてあったから!それに本棚もボクシングの本ばっかりだし!」
それでも宮田は、疑念の目つきを変えないでこちらを見ている。
やがて、ふっと深い溜息をついて腰を上げた。
「別に減量中じゃないけどよ。外で食ってきちまったんだよ。」
「そ、そっか」
「まさか勝手に入り込んできたワケのわかんないヤツが、飯作ってるなんて思わないだろうが」
「そ、そうよね」
「すっかり帰ってるとばっかり思ってたからな」
「そうですね」
「わざわざ遅く帰ってきたけど、まさか居るとはな」
遠回しにいちいち嫌味を言ってくるのが分かる。
明らかに迷惑そうな顔をしている宮田を、奈々は直視できなくなっていた。
「まぁいい、約束しちまったもんは仕方ねぇ」
宮田は着ていたジャケットをおもむろに脱いで、クローゼットにしまい、それからバスルームの方へ向かった。どうやらスウェットに着替えているようだ。
「一週間・・・だからな」
そういうと、ベッドに背を持たれるようにして座り込んだ。
「うん、ありがとう宮田くん」
宮田の返事はなかった。宮田は両腕を少し押さえて、痛そうな表情を見せている。
「宮田くん?」
「なんだよ?」
「どこか具合悪いの?」
「・・・・別に」
突き放すつもりで答えたものの、穴が空くように宮田を見つめる奈々に根負けしたのか、宮田がさらに続けた。
「練習の後だからな。さすがにあちこち痛ぇんだよ」
「そ、そうなんだ!カウンターの?」
宮田はその言葉にハッとして、奈々につかみかかった。
「アンタ、さっきから・・・オレのこと知ってる風なことばっかり言うな・・・」
しまった・・また墓穴を掘った。
カウンターの話も、今まで一度もしてない!
「・・・・ストーカーなら話は別だぜ?」
どうしよう、もう言い訳が出来ない。
どうしよう、どうしよう・・・・
奈々が答えに怯む度、宮田の手首をつかむ力が強くなる。
ストーカー認定されれば、今すぐに警察に突き出されてしまいかねない。
「か、カウンターって・・・」
考えろ、奈々。考えるんだ。
「こうやって、パンチを避けることをいうんでしょ?」
奈々は両拳をあごの下あたりに持って行き、ガードをするような身振りをした。
THEボクシングなんて知らないふり作戦だっ!!!!
「・・・それは単にガードだ。カウンターってのはな・・」
乗ってきたっ!
一郎さん、カウンターとなると熱くなるのは分かってるのよ!!
「あ、そうなんだぁ。これがカウンターかぁ。テレビでよく聞くから間違ってたぁ」
奈々は乾いた笑いを浮かべて、宮田から少し後ずさりした。
とりあえず勝負は1週間だ。1週間の間に、宮田くんの心を掴まないと・・・
折角のラッキースターが無駄になる。折角のチャンスが・・・・消えてしまう!!
「オレはもうそろそろ寝るけど」
時間は22時近くなっていた。ボクサーの夜は早いらしい。
宮田が少しあくびをしたのをみて、奈々は思わず「可愛い」と言いたくなるのを堪えた。
「あ、じゃあ私も・・・」
「アンタはそこのベッドに寝ろよ。オレは床で寝る」
「えっ、そんなのダメだよ!」
「いいから」
宮田は床にころがって、毛布だけを掛けて寝ようとした。
奈々は思わず毛布を剥がし、宮田の上に乗っかるようにして叫んだ。
「ボクサーが床で寝るなんてダメですっ!!!」
宮田は目を丸くして、奈々をじっと見ている。
奈々は、自分の影が宮田の顔に降りているのを見て、自分の体勢がどんなことになっているか気がついた。
顔が一気に赤くなるのを感じた。すぐさま宮田から身体を離し、毛布を取り上げる。
「とにかく、私は床でいいから!居候の身分でそんな、家主さしおいてベッドとか・・」
「女を床に寝せられるかよ。いいからベッドで寝ろよ」
「ダメだってば!そんなにいうなら、一緒にベッドで寝ようよ!!!」
「いっ・・・」
何、私今、何を口走った?
「な、何言ってんだ、アンタ」
宮田は顔を引きつらせて、ややどもって答えた。
ええい、もうどうにでもなれ!
「何よ、一緒に寝たからって宮田くんは私に手でも出しちゃうわけ?」
「そんなことするわけねーだろうが!」
「じゃあ、私も宮田くんもベッドで寝る、それで問題ないでしょ?」
「・・・・・・・・」
宮田はおもむろに立ち上がり、無言でベッドに腰掛け、一瞬何かに躊躇ったようなそぶりをみせつつも、すぐに布団に潜り込んだ。
「入るなら勝手に入れ」
奈々は宮田が開けた半分のスペースに入り、宮田に背を向けるようにして寝転がった。
互いに背中を向けながら寝ている格好だ。
「電気消せよ」
「あ、うん。」
超ときめくセリフ、ありがとうございますっっっっ!!
とはもちろん言えない。
奈々は再び立ち上がり、電気のひもを3度引っ張った。
部屋が真っ暗になった。
宮田を踏まないように、なんとなく手探りでベッドへと潜り込む。
奈々は昼間ずいぶん寝てしまったがために、それほど眠くない。
真っ暗な部屋の中で、隣に大好きな人が寝ている。
理性が飛びそうです、安西先生・・・・・
「はぁ」
玄関のドアが開くなり、見せびらかすように溜息をつかれた。
少しだけこちらを見て、それからバスルームへ直行。
ジムで着たジャージなどを洗濯機へ放り込んでいるようだ。
「はぁ」
リビングの方へ戻ってきて、再びわざとらしい溜息をつく。
「・・・・ご飯の用意は出来てますけど」
「いらねぇよ」
「せっかく作ったのに」
「頼んでねぇよ」
宮田の体中から嫌悪感が出ているのが分かる。ヒマにかこつけて、冷蔵庫にあったもので適当に夕食を作ってはみたものの、全くもって無駄になった形だ。
「じゃあ、1人で食べます」
「・・・どうぞ」
「って、ひょっとして減量中?」
何気なく放った一言に、宮田が鋭い眼光を向けた。
「なんで知ってる?」
「ん?何が?」
「オレがボクサーだって、何で知ってるんだよ?」
し、しまった・・・
そういえばそんな会話、一言も交わしてない!!!
「ほ、ほら、そこにグローブかけてあったから!それに本棚もボクシングの本ばっかりだし!」
それでも宮田は、疑念の目つきを変えないでこちらを見ている。
やがて、ふっと深い溜息をついて腰を上げた。
「別に減量中じゃないけどよ。外で食ってきちまったんだよ。」
「そ、そっか」
「まさか勝手に入り込んできたワケのわかんないヤツが、飯作ってるなんて思わないだろうが」
「そ、そうよね」
「すっかり帰ってるとばっかり思ってたからな」
「そうですね」
「わざわざ遅く帰ってきたけど、まさか居るとはな」
遠回しにいちいち嫌味を言ってくるのが分かる。
明らかに迷惑そうな顔をしている宮田を、奈々は直視できなくなっていた。
「まぁいい、約束しちまったもんは仕方ねぇ」
宮田は着ていたジャケットをおもむろに脱いで、クローゼットにしまい、それからバスルームの方へ向かった。どうやらスウェットに着替えているようだ。
「一週間・・・だからな」
そういうと、ベッドに背を持たれるようにして座り込んだ。
「うん、ありがとう宮田くん」
宮田の返事はなかった。宮田は両腕を少し押さえて、痛そうな表情を見せている。
「宮田くん?」
「なんだよ?」
「どこか具合悪いの?」
「・・・・別に」
突き放すつもりで答えたものの、穴が空くように宮田を見つめる奈々に根負けしたのか、宮田がさらに続けた。
「練習の後だからな。さすがにあちこち痛ぇんだよ」
「そ、そうなんだ!カウンターの?」
宮田はその言葉にハッとして、奈々につかみかかった。
「アンタ、さっきから・・・オレのこと知ってる風なことばっかり言うな・・・」
しまった・・また墓穴を掘った。
カウンターの話も、今まで一度もしてない!
「・・・・ストーカーなら話は別だぜ?」
どうしよう、もう言い訳が出来ない。
どうしよう、どうしよう・・・・
奈々が答えに怯む度、宮田の手首をつかむ力が強くなる。
ストーカー認定されれば、今すぐに警察に突き出されてしまいかねない。
「か、カウンターって・・・」
考えろ、奈々。考えるんだ。
「こうやって、パンチを避けることをいうんでしょ?」
奈々は両拳をあごの下あたりに持って行き、ガードをするような身振りをした。
THEボクシングなんて知らないふり作戦だっ!!!!
「・・・それは単にガードだ。カウンターってのはな・・」
乗ってきたっ!
一郎さん、カウンターとなると熱くなるのは分かってるのよ!!
「あ、そうなんだぁ。これがカウンターかぁ。テレビでよく聞くから間違ってたぁ」
奈々は乾いた笑いを浮かべて、宮田から少し後ずさりした。
とりあえず勝負は1週間だ。1週間の間に、宮田くんの心を掴まないと・・・
折角のラッキースターが無駄になる。折角のチャンスが・・・・消えてしまう!!
「オレはもうそろそろ寝るけど」
時間は22時近くなっていた。ボクサーの夜は早いらしい。
宮田が少しあくびをしたのをみて、奈々は思わず「可愛い」と言いたくなるのを堪えた。
「あ、じゃあ私も・・・」
「アンタはそこのベッドに寝ろよ。オレは床で寝る」
「えっ、そんなのダメだよ!」
「いいから」
宮田は床にころがって、毛布だけを掛けて寝ようとした。
奈々は思わず毛布を剥がし、宮田の上に乗っかるようにして叫んだ。
「ボクサーが床で寝るなんてダメですっ!!!」
宮田は目を丸くして、奈々をじっと見ている。
奈々は、自分の影が宮田の顔に降りているのを見て、自分の体勢がどんなことになっているか気がついた。
顔が一気に赤くなるのを感じた。すぐさま宮田から身体を離し、毛布を取り上げる。
「とにかく、私は床でいいから!居候の身分でそんな、家主さしおいてベッドとか・・」
「女を床に寝せられるかよ。いいからベッドで寝ろよ」
「ダメだってば!そんなにいうなら、一緒にベッドで寝ようよ!!!」
「いっ・・・」
何、私今、何を口走った?
「な、何言ってんだ、アンタ」
宮田は顔を引きつらせて、ややどもって答えた。
ええい、もうどうにでもなれ!
「何よ、一緒に寝たからって宮田くんは私に手でも出しちゃうわけ?」
「そんなことするわけねーだろうが!」
「じゃあ、私も宮田くんもベッドで寝る、それで問題ないでしょ?」
「・・・・・・・・」
宮田はおもむろに立ち上がり、無言でベッドに腰掛け、一瞬何かに躊躇ったようなそぶりをみせつつも、すぐに布団に潜り込んだ。
「入るなら勝手に入れ」
奈々は宮田が開けた半分のスペースに入り、宮田に背を向けるようにして寝転がった。
互いに背中を向けながら寝ている格好だ。
「電気消せよ」
「あ、うん。」
超ときめくセリフ、ありがとうございますっっっっ!!
とはもちろん言えない。
奈々は再び立ち上がり、電気のひもを3度引っ張った。
部屋が真っ暗になった。
宮田を踏まないように、なんとなく手探りでベッドへと潜り込む。
奈々は昼間ずいぶん寝てしまったがために、それほど眠くない。
真っ暗な部屋の中で、隣に大好きな人が寝ている。
理性が飛びそうです、安西先生・・・・・