LUCKY STAR
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28.見慣れた天井
「おはよう」
「…ああ」
「まだ、いるね、私」
宮田の腕枕の中で、奈々は自分の指先がかすかに光っているのをマジマジと見ている。
「でもほら、もう消えそう」
「…成仏できそうか?」
「いや、幽霊じゃないって・・」
宮田は本気で自分を幽霊か何かだと思っていたらしい。
漫画の世界の話をするべきか悩んだけれど…
時間もないし、もうやめよう。
それに私、なんだか、この世界ごと、消えてしまう気がする。
これって私の単なる妄想だったんじゃないの?って。
私が漫画の世界に入って来たんじゃなくて、私が勝手に構築した世界なんじゃないの?なんて。
これ見事な夢オチなんじゃない?って。
随分と、壮大な夢だったけど。
「惚れさせといて消えるとか、最悪だぜ」
「ほ……え!?え!?」
「うるさいよ」
「え!ちょっと宮田くん!問題発言だよ!それ!」
「じゃあ撤回」
「えー!やめてよケチ!」
俗に言うイチャイチャタイム。
足や手を絡めながら、何度も唇を重ねる。
もう1回戦できそう…なんて気持ちも起きてきたり。
なんたって宮田くんは12回戦ボクサーだからね、とどうでもいい独り言も頭をかすめる。
「宮田くん、多分だけどさ」
「なんだよ」
「宮田くんは私のことを忘れると思う」
「・・・はぁ?」
宮田が嫌悪感をまるで隠さずにリアクションするものだから、奈々は少し気圧されたものの、再び話を続ける。
「私が消えたら、私の存在は無かったことになると思う。なんとなく」
「…なんだよそれ。じゃあ、アンタも忘れるのか?」
そう言われて、奈々はふっと、元いた現実世界を思い出した。
「ううん、忘れない。忘れたくない。絶対忘れない」
「…オレだけ忘れて、アンタは覚えてるのかよ」
「それが一番いいよ。宮田くんは、みんなのものだから」
宮田の頭には大きな疑問符が浮かんでいる。
それを解消するだけの時間がないことは、奈々の体を見て明らかだった。
「じゃあ…保険をかけておく」
「保険?なにそれ?」
「さあな」
宮田は意地悪そうに笑って、愛撫を続ける。
砂が溢れるように、奈々の体から光の粒が漏れていく。
「宮田くん、大好き」
「…わかったから」
「最後、繋がったまま、別れよ」
「相変わらず露骨な発言するな…」
再び、宮田と体を重ねる。
昨晩も何度も何度もしただろうに、朝から元気な二人だ。
宮田は今日のトレーニングに明らかに支障をきたすだろうに、そんなの御構い無しといった感じだ。
「…奈々」
宮田が初めて、奈々の名前を呼んだ。
「またな」
最後はどうなったか覚えていない。
次に目を開けた時に、飛び込んで来た景色は、いつもの見慣れた天井だった。
ふと隣を見ても、誰もいない。
「・・・ただいま」
私は、現実世界に、戻って来たんだ。
「おはよう」
「…ああ」
「まだ、いるね、私」
宮田の腕枕の中で、奈々は自分の指先がかすかに光っているのをマジマジと見ている。
「でもほら、もう消えそう」
「…成仏できそうか?」
「いや、幽霊じゃないって・・」
宮田は本気で自分を幽霊か何かだと思っていたらしい。
漫画の世界の話をするべきか悩んだけれど…
時間もないし、もうやめよう。
それに私、なんだか、この世界ごと、消えてしまう気がする。
これって私の単なる妄想だったんじゃないの?って。
私が漫画の世界に入って来たんじゃなくて、私が勝手に構築した世界なんじゃないの?なんて。
これ見事な夢オチなんじゃない?って。
随分と、壮大な夢だったけど。
「惚れさせといて消えるとか、最悪だぜ」
「ほ……え!?え!?」
「うるさいよ」
「え!ちょっと宮田くん!問題発言だよ!それ!」
「じゃあ撤回」
「えー!やめてよケチ!」
俗に言うイチャイチャタイム。
足や手を絡めながら、何度も唇を重ねる。
もう1回戦できそう…なんて気持ちも起きてきたり。
なんたって宮田くんは12回戦ボクサーだからね、とどうでもいい独り言も頭をかすめる。
「宮田くん、多分だけどさ」
「なんだよ」
「宮田くんは私のことを忘れると思う」
「・・・はぁ?」
宮田が嫌悪感をまるで隠さずにリアクションするものだから、奈々は少し気圧されたものの、再び話を続ける。
「私が消えたら、私の存在は無かったことになると思う。なんとなく」
「…なんだよそれ。じゃあ、アンタも忘れるのか?」
そう言われて、奈々はふっと、元いた現実世界を思い出した。
「ううん、忘れない。忘れたくない。絶対忘れない」
「…オレだけ忘れて、アンタは覚えてるのかよ」
「それが一番いいよ。宮田くんは、みんなのものだから」
宮田の頭には大きな疑問符が浮かんでいる。
それを解消するだけの時間がないことは、奈々の体を見て明らかだった。
「じゃあ…保険をかけておく」
「保険?なにそれ?」
「さあな」
宮田は意地悪そうに笑って、愛撫を続ける。
砂が溢れるように、奈々の体から光の粒が漏れていく。
「宮田くん、大好き」
「…わかったから」
「最後、繋がったまま、別れよ」
「相変わらず露骨な発言するな…」
再び、宮田と体を重ねる。
昨晩も何度も何度もしただろうに、朝から元気な二人だ。
宮田は今日のトレーニングに明らかに支障をきたすだろうに、そんなの御構い無しといった感じだ。
「…奈々」
宮田が初めて、奈々の名前を呼んだ。
「またな」
最後はどうなったか覚えていない。
次に目を開けた時に、飛び込んで来た景色は、いつもの見慣れた天井だった。
ふと隣を見ても、誰もいない。
「・・・ただいま」
私は、現実世界に、戻って来たんだ。