LUCKY STAR
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26.もう少しだけ
小さな豆電球しかない薄暗がりの中でも、引き締まった宮田の体の美しさはよく分かる。
『できねぇよ』
と言ったまま覆い被さり動かなくなった宮田の首に、奈々は両手を回して抱きついた。
宮田の体は熱く火照り、重なった体は汗をかいて、ほどよく滑る。
筋肉質なたくましい腕に奈々は指を滑らせ、そのまま相手の存在を確かめるかのように、顔の輪郭をなぞる。
愛おしい。
ずっと恋してた男の人に抱かれる幸せが、こんなにも愛おしいなんて、知らなかった。
「宮田くん」
「なんだよ」
「嬉しい」
思わず溢れた涙が、シーツを濡らす。
宮田は指で涙を拭ってから、涙の痕に優しく口づけした。
そして、目の前の身体が嘘じゃないことを確かめるように、互いが互いの体を引き寄せて、強く抱きしめ合う。
「宮田くん、大好き」
「わかってる」
宮田が奈々の首筋に唇を這わせる。
一糸まとわぬ二人の体が、より一層近づく。
奈々が時々漏らす声が、天井に響いてこだまする。
「ごめんね、宮田くん」
「何が」
「今までいっぱい、邪魔した」
「…あぁ」
宮田は小さな声で呟いて、少し笑った。
「すげぇ邪魔された」
「…ごめんなさい」
「でも……楽しかったよ」
宮田は、奈々が転がり込んで来た日から今までのことを思い返していた。
いきなり現れた不審者を追い出したくて、邪魔でどうしようもなかった頃。
その不審者が、家にいるのに慣れてきた頃。
そして…真っ暗で誰もいない家に、違和感を覚えた頃。
「ねぇねぇ宮田くん」と明るく話しかけてくる、奇妙なルームメイトの存在が、当たり前に思えるようになった頃。
その当たり前が、つかの間の夢だったと、わかった頃…
「…限界だ」
「ど、どうしたの、宮田くん」
そう言って宮田は、奈々の額に再度、自らの額を合わせた。
「消えるなよ」
夢にまで見た瞬間だった。
柔らかくて、甘い感触が、唇を支配する。
漏れてくる息遣いが、肌の表面を滑る。
このまま消えてしまっても後悔しないくらいの幸せ。
でも、消えたくない。まだ、離れたくない。
ラッキースター、どうか、もう少し待って。
私に最後の、時間をください。
小さな豆電球しかない薄暗がりの中でも、引き締まった宮田の体の美しさはよく分かる。
『できねぇよ』
と言ったまま覆い被さり動かなくなった宮田の首に、奈々は両手を回して抱きついた。
宮田の体は熱く火照り、重なった体は汗をかいて、ほどよく滑る。
筋肉質なたくましい腕に奈々は指を滑らせ、そのまま相手の存在を確かめるかのように、顔の輪郭をなぞる。
愛おしい。
ずっと恋してた男の人に抱かれる幸せが、こんなにも愛おしいなんて、知らなかった。
「宮田くん」
「なんだよ」
「嬉しい」
思わず溢れた涙が、シーツを濡らす。
宮田は指で涙を拭ってから、涙の痕に優しく口づけした。
そして、目の前の身体が嘘じゃないことを確かめるように、互いが互いの体を引き寄せて、強く抱きしめ合う。
「宮田くん、大好き」
「わかってる」
宮田が奈々の首筋に唇を這わせる。
一糸まとわぬ二人の体が、より一層近づく。
奈々が時々漏らす声が、天井に響いてこだまする。
「ごめんね、宮田くん」
「何が」
「今までいっぱい、邪魔した」
「…あぁ」
宮田は小さな声で呟いて、少し笑った。
「すげぇ邪魔された」
「…ごめんなさい」
「でも……楽しかったよ」
宮田は、奈々が転がり込んで来た日から今までのことを思い返していた。
いきなり現れた不審者を追い出したくて、邪魔でどうしようもなかった頃。
その不審者が、家にいるのに慣れてきた頃。
そして…真っ暗で誰もいない家に、違和感を覚えた頃。
「ねぇねぇ宮田くん」と明るく話しかけてくる、奇妙なルームメイトの存在が、当たり前に思えるようになった頃。
その当たり前が、つかの間の夢だったと、わかった頃…
「…限界だ」
「ど、どうしたの、宮田くん」
そう言って宮田は、奈々の額に再度、自らの額を合わせた。
「消えるなよ」
夢にまで見た瞬間だった。
柔らかくて、甘い感触が、唇を支配する。
漏れてくる息遣いが、肌の表面を滑る。
このまま消えてしまっても後悔しないくらいの幸せ。
でも、消えたくない。まだ、離れたくない。
ラッキースター、どうか、もう少し待って。
私に最後の、時間をください。