LUCKY STAR
お名前設定はこちら
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
21.同居人
いつからだろうか。
家の中に人がいるのを、当たり前に思うようになったのは。
ドアを開けて、すでに明かりのついた部屋の中から聞こえる、「おかえり」の声を聞きながら、靴を脱ぐ。
「今日もお疲れ様」
「…ああ」
奇妙な同居人は、キッチンで準備と後片付けを同時進行している。
たっぷり汗をかいて湿ったトレーニングウエアを脱衣所に持っていくと、洗濯カゴの中が綺麗に無くなっていて、自分のいない間に同居人が片付けてくれていたのを知る。
それも、“いつものこと”になりつつある。
「ねぇねぇ、宮田くん」
「なんだよ」
「好きな食べ物、教えてよ」
「特にない」
「えー!つまんない…」
どうでもいいことを聞いてくる。
だから、どうでもいい返事をする。
それでも、笑って答える。
コイツはマゾか?
「ねぇねぇ」
「もう寝る」
「あ、はい」
宮田はぶっきらぼうに言い放つと、さっさとベッドに潜り込んで目をつぶってしまった。
時間は10時。帰宅してわずか1時間。
奈々の少し寂しそうな笑顔が気になったが、宮田は何も考えたくなかった。
「おやすみ、宮田くん」
宮田からの返事は、無い。
奈々も着替えを終えて、ベッドに潜り込む。
狭いベッドにも関わらず、二人の間には大きなスキマ。
オレは何を考えてる?
早く居なくなれと思っていた相手が、思い通り消えそうだってのに。
いつもよりもっと距離を取って、
冷たくあしらって、
オレは何を見ないふりしてる?
「あ、宮田くん、そういえば…」
「悪いけど」
話しかけた奈々の言葉を遮るように、宮田が口を開く。
「寝るから、邪魔しないでくれ」
「…………ごめん」
傷つけても何とも思わなかった心が、今は少し痛むのは…
情が移ったんだろう。
同居人としての情が。
それだけだ。それだけ。
宮田は無理やり瞑った目を、さらに固く固く閉じた。
いつからだろうか。
家の中に人がいるのを、当たり前に思うようになったのは。
ドアを開けて、すでに明かりのついた部屋の中から聞こえる、「おかえり」の声を聞きながら、靴を脱ぐ。
「今日もお疲れ様」
「…ああ」
奇妙な同居人は、キッチンで準備と後片付けを同時進行している。
たっぷり汗をかいて湿ったトレーニングウエアを脱衣所に持っていくと、洗濯カゴの中が綺麗に無くなっていて、自分のいない間に同居人が片付けてくれていたのを知る。
それも、“いつものこと”になりつつある。
「ねぇねぇ、宮田くん」
「なんだよ」
「好きな食べ物、教えてよ」
「特にない」
「えー!つまんない…」
どうでもいいことを聞いてくる。
だから、どうでもいい返事をする。
それでも、笑って答える。
コイツはマゾか?
「ねぇねぇ」
「もう寝る」
「あ、はい」
宮田はぶっきらぼうに言い放つと、さっさとベッドに潜り込んで目をつぶってしまった。
時間は10時。帰宅してわずか1時間。
奈々の少し寂しそうな笑顔が気になったが、宮田は何も考えたくなかった。
「おやすみ、宮田くん」
宮田からの返事は、無い。
奈々も着替えを終えて、ベッドに潜り込む。
狭いベッドにも関わらず、二人の間には大きなスキマ。
オレは何を考えてる?
早く居なくなれと思っていた相手が、思い通り消えそうだってのに。
いつもよりもっと距離を取って、
冷たくあしらって、
オレは何を見ないふりしてる?
「あ、宮田くん、そういえば…」
「悪いけど」
話しかけた奈々の言葉を遮るように、宮田が口を開く。
「寝るから、邪魔しないでくれ」
「…………ごめん」
傷つけても何とも思わなかった心が、今は少し痛むのは…
情が移ったんだろう。
同居人としての情が。
それだけだ。それだけ。
宮田は無理やり瞑った目を、さらに固く固く閉じた。