LUCKY STAR
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18.心残り
朝、気がついたら宮田が横で寝ていた。
いつの間に帰って来たのか、奈々はぐっすり眠り込んでいて、気がつかなかったようだ。
時間は朝4時。
ロードワークの時間には、まだ早かった。
もう一眠りしようと目をつぶった瞬間。
見慣れた部屋がまぶたに映った。
慌てて目を開けると、目の前には宮田の部屋の天井があった。
一瞬だけ。
一瞬だけなのに、全てわかった。
さっき映ったのは、私の部屋だ。
私、消えそうになってる。
「おはよう、宮田くん」
「あぁ…」
昨日余計に走ったせいなのか、生気のない顔で起き上がる宮田は、返事も相変わらずそっけない。
「じゃ、ロード行くから…」
「あ、宮田くん!あの…」
「なんだよ」
ジャージに着替え、靴を履いてまさに出て行こうとする宮田の背中めがけて、奈々はつとめて明るい声で言った。
「たぶんだけど、私、もうすぐいなくなると思う」
宮田の動きが、一瞬止まった。
「長い間、ごめんね」
「たぶん、って何だよ」
「それが、自分じゃ、いつになるのか、わからなくて」
「は?」
「でもま、たぶん、もうすぐだから、だから…今までごめんねって、今のうちに言わなくちゃと思って」
靴を履き終えた宮田は、トントンとその場で足踏みをして、ドアノブに手をかけた。そして、手をかけたまま、止まった。
「…意味わかんねぇ」
「…ですよね」
奈々の茶化したような返しに、宮田は少しカチンと来たらしい。
ドアノブを固く握って、下に押し下げ…
「帰るまで待ってろ」
そういって、静かにドアを開け、出ていった。
宮田の早朝ロードワークは、だいたい1時間。
それから朝食を食べて、8時にはバイト先へ向かう。
バイトの後は、ジムワーク。帰宅は9時すぎ。
帰るって、いつ?
朝のロードワーク?
夜のトレーニングの後?
私、それまで、ここに居られるのかな。
嫌な予感がする。
自分のことだから、わかるよ。
さっきから、目を瞑ると、チラチラと見えてくるんだもの。
私の夢が終わろうとしているのが、見えてくるんだもの。
気をぬくと、光の束に体を持っていかれそうな気がする。
宮田くん、私は大好きな君が生きている姿を見られて幸せだった。
でもまだ、伝えきってない。
私が、そして他の宮田ファンのみんなが、どれだけ君を応援しているか。
どれだけ君に勇気付けられてきたか。
今まで、どれほどの勇気をもらって来たのか。
何度感謝しても足りないくらいの愛。
私まだ、伝えきれてないんだよ。
朝、気がついたら宮田が横で寝ていた。
いつの間に帰って来たのか、奈々はぐっすり眠り込んでいて、気がつかなかったようだ。
時間は朝4時。
ロードワークの時間には、まだ早かった。
もう一眠りしようと目をつぶった瞬間。
見慣れた部屋がまぶたに映った。
慌てて目を開けると、目の前には宮田の部屋の天井があった。
一瞬だけ。
一瞬だけなのに、全てわかった。
さっき映ったのは、私の部屋だ。
私、消えそうになってる。
「おはよう、宮田くん」
「あぁ…」
昨日余計に走ったせいなのか、生気のない顔で起き上がる宮田は、返事も相変わらずそっけない。
「じゃ、ロード行くから…」
「あ、宮田くん!あの…」
「なんだよ」
ジャージに着替え、靴を履いてまさに出て行こうとする宮田の背中めがけて、奈々はつとめて明るい声で言った。
「たぶんだけど、私、もうすぐいなくなると思う」
宮田の動きが、一瞬止まった。
「長い間、ごめんね」
「たぶん、って何だよ」
「それが、自分じゃ、いつになるのか、わからなくて」
「は?」
「でもま、たぶん、もうすぐだから、だから…今までごめんねって、今のうちに言わなくちゃと思って」
靴を履き終えた宮田は、トントンとその場で足踏みをして、ドアノブに手をかけた。そして、手をかけたまま、止まった。
「…意味わかんねぇ」
「…ですよね」
奈々の茶化したような返しに、宮田は少しカチンと来たらしい。
ドアノブを固く握って、下に押し下げ…
「帰るまで待ってろ」
そういって、静かにドアを開け、出ていった。
宮田の早朝ロードワークは、だいたい1時間。
それから朝食を食べて、8時にはバイト先へ向かう。
バイトの後は、ジムワーク。帰宅は9時すぎ。
帰るって、いつ?
朝のロードワーク?
夜のトレーニングの後?
私、それまで、ここに居られるのかな。
嫌な予感がする。
自分のことだから、わかるよ。
さっきから、目を瞑ると、チラチラと見えてくるんだもの。
私の夢が終わろうとしているのが、見えてくるんだもの。
気をぬくと、光の束に体を持っていかれそうな気がする。
宮田くん、私は大好きな君が生きている姿を見られて幸せだった。
でもまだ、伝えきってない。
私が、そして他の宮田ファンのみんなが、どれだけ君を応援しているか。
どれだけ君に勇気付けられてきたか。
今まで、どれほどの勇気をもらって来たのか。
何度感謝しても足りないくらいの愛。
私まだ、伝えきれてないんだよ。