LUCKY STAR
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1.LUCKY STAR
「あー楽しみだな、明日からの旅行」
「買い忘れてるものはない?」
「OK母さん」
「なにそれ」
友達と久々の国内旅行とあって、奈々はとても上機嫌で軽快なステップを踏みながら家路を歩いていた。
「そこのお嬢さん」
いきなり声をかけられて振り向くと、怪しげな老人がこっちを見ている。
地面に星の形をしたオーナメントをずらりと並べて、どうやら露天商のようだ。
「なんでも願いを叶えるラッキースター、買ってみないかい?」
露天商がにやりと笑って、オーナメントの一つを手に取ってぶら下げてみた。
「なぁにあれ、気持ち悪いわねぇ」
「えー、でも面白そうじゃない。ねぇおじさん、それ本当に夢が叶うの?」
露天商は静かに頷いた。
「ちょっと奈々、やめなさいよ」
「いいじゃん、どうせ1個500円なんだし。おじさん、それちょーだい!」
「・・・・毎度あり」
「もう・・・子供みたい」
「さてと。荷物はこの中に全部詰めたし、あとはホント寝るだけね。」
奈々はふと、机の上に置きっぱなしにしていたオーナメントに目をやった。
「本当に願いを叶えてくれるのかな?・・・まさかねぇ。」
目覚ましをセットして、部屋の電気を消す。
オーナメントは静かに発光しているようで、暗い部屋の中にボワっと星形のシルエットが浮かぶ。
奈々はベッドの中から手を出し、オーナメントをつかんで胸元に引き寄せた。
「・・・ようし、じゃ、願いでも言ってみますか。
漫画『はじめの一歩』の宮田一郎くんと結ばれますように〜〜〜〜!!」
しかしオーナメントには何の変化もない。
「・・・ばっかみたい、自分。寝よ寝よ」
奈々はオーナメントを床に投げ捨て、静かに目を閉じた。
ピピピピピピ・・・ピピピピピピ・・・・
あれ・・・・もう目覚まし鳴ったのかな?
っていうかうちの目覚まし、こんな音だったっけ?
そして・・・・何・・・何だろこれ・・・・?
奈々は目覚ましの音に促され、静かに目を開いたものの、目の前が真っ暗で何も見えない。
動こうとした瞬間、誰かが自分の体を固定しているように、ぴくりとも動けない。
あれ・・・金縛り・・・?
いや、足は動くし・・・っていうか温かい・・・何・・・これ・・・
「うー・・・ん」
え?私、何もしゃべってないよ??え?誰かいるの?
っていうか誰か・・・私のベッドで寝てる!?
そして私、なんか抱きしめられちゃってますか??
奈々が驚いて硬直している間、目の前の“何か”が静かに目覚ましを止めたらしい。
けたたましいアラームの音は止まって、ベッドがギシギシときしむ音がする。
もしかして・・・・変質者!?
「きゃあああああ!!」
「うわあああああ!!」
悲鳴を上げたのは、同時のことだった。
奈々と、奈々に向かい合っている“何か”−−−−
黒いスウェットに身を包んだ若い男性が向かい合い、互いに互いの存在に驚いて、目を見開いている。
「だ、誰よアンタ!わ、私のベッドで何して・・・」
「ちょ、ちょっと待てよ!それはオレのセリフだ!!アンタこそ誰だよ!」
「なーに言ってるのよ!!他人のベッドに侵入してきてこの変態がーー!!」
「何が他人だよ、ここはオレの家だろうが!!」
奈々は枕を振り回しながら、目の前の“変態”を撃退しようとしたが、ふと我に返って部屋を見渡してみると、そこは・・・
・・・・どこよこれ?
「あ、あれ。私の家じゃない。」
「家じゃない、じゃないだろ。アンタどっから入ってきたんだよ!」
「え?ちょっと待って、どこ?なに?アンタ誰よ?」
奈々は少し呼吸を整え、目の前の“変態”をよく観察してみた。
さらさらの黒髪と長い睫毛。
すらりとした手足。
男もため息をつきそうな美貌。
まさか・・・ひょっとして・・・
「み、宮田くん・・・・?」
いや、そんなことあるわけない!
落ち着け自分!
宮田くんは漫画の世界の住人だよ?
お母さんが「あんまり漫画ばっかり読んでると現実との区別がつかなくなるよ?」って言ってたけど、私相当ヤバいことになってんじゃない?
「ま、まさかね、宮田くんなわけないよねー」
奈々が乾いた笑いをしたのもつかの間、目の前の青年は何やらいっそう険しい表情で
「なんでオレの名前を知ってるんだ」
「・・・・・は?」
青年の顔が不信感でいっぱいになる。
「えっ、ちょっと待ってよ、あなた本当に宮田一郎?」
「だから、なんでアンタがオレの名前を知ってるんだよ!」
世界の時間が止まった気がした。
「あー楽しみだな、明日からの旅行」
「買い忘れてるものはない?」
「OK母さん」
「なにそれ」
友達と久々の国内旅行とあって、奈々はとても上機嫌で軽快なステップを踏みながら家路を歩いていた。
「そこのお嬢さん」
いきなり声をかけられて振り向くと、怪しげな老人がこっちを見ている。
地面に星の形をしたオーナメントをずらりと並べて、どうやら露天商のようだ。
「なんでも願いを叶えるラッキースター、買ってみないかい?」
露天商がにやりと笑って、オーナメントの一つを手に取ってぶら下げてみた。
「なぁにあれ、気持ち悪いわねぇ」
「えー、でも面白そうじゃない。ねぇおじさん、それ本当に夢が叶うの?」
露天商は静かに頷いた。
「ちょっと奈々、やめなさいよ」
「いいじゃん、どうせ1個500円なんだし。おじさん、それちょーだい!」
「・・・・毎度あり」
「もう・・・子供みたい」
「さてと。荷物はこの中に全部詰めたし、あとはホント寝るだけね。」
奈々はふと、机の上に置きっぱなしにしていたオーナメントに目をやった。
「本当に願いを叶えてくれるのかな?・・・まさかねぇ。」
目覚ましをセットして、部屋の電気を消す。
オーナメントは静かに発光しているようで、暗い部屋の中にボワっと星形のシルエットが浮かぶ。
奈々はベッドの中から手を出し、オーナメントをつかんで胸元に引き寄せた。
「・・・ようし、じゃ、願いでも言ってみますか。
漫画『はじめの一歩』の宮田一郎くんと結ばれますように〜〜〜〜!!」
しかしオーナメントには何の変化もない。
「・・・ばっかみたい、自分。寝よ寝よ」
奈々はオーナメントを床に投げ捨て、静かに目を閉じた。
ピピピピピピ・・・ピピピピピピ・・・・
あれ・・・・もう目覚まし鳴ったのかな?
っていうかうちの目覚まし、こんな音だったっけ?
そして・・・・何・・・何だろこれ・・・・?
奈々は目覚ましの音に促され、静かに目を開いたものの、目の前が真っ暗で何も見えない。
動こうとした瞬間、誰かが自分の体を固定しているように、ぴくりとも動けない。
あれ・・・金縛り・・・?
いや、足は動くし・・・っていうか温かい・・・何・・・これ・・・
「うー・・・ん」
え?私、何もしゃべってないよ??え?誰かいるの?
っていうか誰か・・・私のベッドで寝てる!?
そして私、なんか抱きしめられちゃってますか??
奈々が驚いて硬直している間、目の前の“何か”が静かに目覚ましを止めたらしい。
けたたましいアラームの音は止まって、ベッドがギシギシときしむ音がする。
もしかして・・・・変質者!?
「きゃあああああ!!」
「うわあああああ!!」
悲鳴を上げたのは、同時のことだった。
奈々と、奈々に向かい合っている“何か”−−−−
黒いスウェットに身を包んだ若い男性が向かい合い、互いに互いの存在に驚いて、目を見開いている。
「だ、誰よアンタ!わ、私のベッドで何して・・・」
「ちょ、ちょっと待てよ!それはオレのセリフだ!!アンタこそ誰だよ!」
「なーに言ってるのよ!!他人のベッドに侵入してきてこの変態がーー!!」
「何が他人だよ、ここはオレの家だろうが!!」
奈々は枕を振り回しながら、目の前の“変態”を撃退しようとしたが、ふと我に返って部屋を見渡してみると、そこは・・・
・・・・どこよこれ?
「あ、あれ。私の家じゃない。」
「家じゃない、じゃないだろ。アンタどっから入ってきたんだよ!」
「え?ちょっと待って、どこ?なに?アンタ誰よ?」
奈々は少し呼吸を整え、目の前の“変態”をよく観察してみた。
さらさらの黒髪と長い睫毛。
すらりとした手足。
男もため息をつきそうな美貌。
まさか・・・ひょっとして・・・
「み、宮田くん・・・・?」
いや、そんなことあるわけない!
落ち着け自分!
宮田くんは漫画の世界の住人だよ?
お母さんが「あんまり漫画ばっかり読んでると現実との区別がつかなくなるよ?」って言ってたけど、私相当ヤバいことになってんじゃない?
「ま、まさかね、宮田くんなわけないよねー」
奈々が乾いた笑いをしたのもつかの間、目の前の青年は何やらいっそう険しい表情で
「なんでオレの名前を知ってるんだ」
「・・・・・は?」
青年の顔が不信感でいっぱいになる。
「えっ、ちょっと待ってよ、あなた本当に宮田一郎?」
「だから、なんでアンタがオレの名前を知ってるんだよ!」
世界の時間が止まった気がした。
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