千堂短編集
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『難波の虎と、コミュ障宮田』
「なぁ宮田、お前彼女とかおんの?」
スパーリングの合間に、千堂がカラカラと能天気に声をかけて来た。
正直、減量のこともあって、余計なおしゃべりなどする気力もない。
どっちにしろマトモに答える必要もないし、スパーリングパートナーという関係のそれ以上でも以下でもない、ここは無視するのが一番得策だと、宮田は千堂に一瞥くれた後、くるりと背を向けた。
「なんやぁ、つれないのぉ!童貞か!」
そんなワケないだろうが!というツッコミが喉まで出かかったが、挑発に乗るわけにもいかない。
しかし、心なしか周りのジムメイトが疑惑の目つきで自分を見ている気がする。
ジムではプライベートなことは完全にシャットアウトしてきたが、ここへ来てまさか『童貞疑惑』を持たれようとは・・・
クレバーに見えて案外短気な男・宮田は、ついに感情に任せて千堂に噛み付き返した。
「バカじゃねぇの」
「お、認めよった童貞!」
「んなわけねぇだろ!」
非童貞を告白したところで、ジムメイトは今度は“宮田さんもそういうコトするんだ”という好奇の目を向けて来た。
全く、千堂が絡むと全てがロクなことにならない。
「ジムでくだらないことを話すな」
「こみゅにけーしょん、っちゅーやつや。キサマに足らんのはコレや。どーせナンパもできんヘタレなんやろ」
「する必要がないんでね」
「っかー!嫌味なやっちゃ!」
他人に対して心を開かないどころか、基本的な会話すらしない息子の口をここまで開かせる千堂の話術に、はたから見ていた宮田父は深く感心していた。
「そんなんやったら、おねーちゃん紹介しろや」
「・・・オレのおさがりが欲しいと?」
嫌味たっぷりな言い方をして突き放そうとしてみたものの、千堂はまるで動じない。
「この際なんでもかまへんわ、あはは!」
「・・・・」
「そや宮田、電話番号なんぼやねん?教えろや」
「言う必要ないだろ」
「おねーちゃん関係で連絡取れるやろ?なんや?まさか嘘なんか?」
「・・・」
そして見事、川原ジムの秘宝とも言われる宮田一郎の携帯番号をゲットした千堂に、ジムメイトたちは心の中で大きな拍手を送ったのだった・・・。
おそるべし、千堂武士のコミュ力。
おわり
なんだこのグダグダな小説(笑)
スキボタンありがとうございました!
2019.8.14 高杉R26号
『難波の虎と、コミュ障宮田』
「なぁ宮田、お前彼女とかおんの?」
スパーリングの合間に、千堂がカラカラと能天気に声をかけて来た。
正直、減量のこともあって、余計なおしゃべりなどする気力もない。
どっちにしろマトモに答える必要もないし、スパーリングパートナーという関係のそれ以上でも以下でもない、ここは無視するのが一番得策だと、宮田は千堂に一瞥くれた後、くるりと背を向けた。
「なんやぁ、つれないのぉ!童貞か!」
そんなワケないだろうが!というツッコミが喉まで出かかったが、挑発に乗るわけにもいかない。
しかし、心なしか周りのジムメイトが疑惑の目つきで自分を見ている気がする。
ジムではプライベートなことは完全にシャットアウトしてきたが、ここへ来てまさか『童貞疑惑』を持たれようとは・・・
クレバーに見えて案外短気な男・宮田は、ついに感情に任せて千堂に噛み付き返した。
「バカじゃねぇの」
「お、認めよった童貞!」
「んなわけねぇだろ!」
非童貞を告白したところで、ジムメイトは今度は“宮田さんもそういうコトするんだ”という好奇の目を向けて来た。
全く、千堂が絡むと全てがロクなことにならない。
「ジムでくだらないことを話すな」
「こみゅにけーしょん、っちゅーやつや。キサマに足らんのはコレや。どーせナンパもできんヘタレなんやろ」
「する必要がないんでね」
「っかー!嫌味なやっちゃ!」
他人に対して心を開かないどころか、基本的な会話すらしない息子の口をここまで開かせる千堂の話術に、はたから見ていた宮田父は深く感心していた。
「そんなんやったら、おねーちゃん紹介しろや」
「・・・オレのおさがりが欲しいと?」
嫌味たっぷりな言い方をして突き放そうとしてみたものの、千堂はまるで動じない。
「この際なんでもかまへんわ、あはは!」
「・・・・」
「そや宮田、電話番号なんぼやねん?教えろや」
「言う必要ないだろ」
「おねーちゃん関係で連絡取れるやろ?なんや?まさか嘘なんか?」
「・・・」
そして見事、川原ジムの秘宝とも言われる宮田一郎の携帯番号をゲットした千堂に、ジムメイトたちは心の中で大きな拍手を送ったのだった・・・。
おそるべし、千堂武士のコミュ力。
おわり
なんだこのグダグダな小説(笑)
スキボタンありがとうございました!
2019.8.14 高杉R26号
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