第6章:失恋
お名前設定はこちら
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
卒業式のあと、進路が分かれてしまう友人らと昼食を取ることになった。
みんなの帰り道を考慮してチョイスしたお店は、宮田のいる川原ジムの最寄駅にあるイタリアン。
なんだか嫌な予感がするなと思いつつも、ランチが始まるとすぐにそんな予感も吹っ飛んでしまった。
「じゃ、卒業旅行、計画しようね!」
「また電話する!」
ランチが終わって各自が帰路につく。
普段のバスならミズキと同じ帰り道だが、この駅からだと奈々は歩いて帰った方が近く、帰りは自然と一人で道を歩くことになった。
気がつけば時間は15時すぎ。
一体何時間食べて話していたんだろう、と改めて女子に潜むオバサンパワーみたいなものを感じては、ニヤニヤと笑みがこみ上げてくる。
その時、そんな楽しい気分をガラガラと崩すかのように、目の前に見慣れた人影が現れた。
「・・・よぉ」
これからジムに行くのか、大きなカバンを肩にかけ、スポーツウェアに身をまとった宮田がこちらに向かって歩いてきている。
そこで奈々はハッと、ここが川原ジムの近くだということを思い出した。
相変わらずのポーカーフェイスで、考えていることが読めない。
奈々の前まできて、立ち止まってくれるかと思ったら、そのまま歩き過ぎようとする。
「え・・・ちょっと待ってよ!」
宮田の冷たい態度が意外すぎて、思わず引き止めてしまった。
「・・・なんか用か?」
しばらく話していないから、もうどんな距離感で話していたか思い出せない。
こんなに冷たい人だったっけ?と思い出とのギャップを埋めるのに時間がかかる。
「あの・・・海外に行くって、聞いたんだけど」
「そうだよ」
やっぱり、例の彼女の言うことは本当だった。
「どうして?」
「ん?」
「どうして海外に行くの?」
違う。
こんなことを聞きたいんじゃない。
「武者修行・・・みたいなもんさ」
「じゃあ、どうして・・・」
「なんだよ」
「どうして私に何も、言ってくれなかったの」
違う。
宮田を責めるつもりじゃないのに。
「お前に言う必要あるのかよ」
そうくると思った。
宮田は絶対、そう言うと思った。
覚悟していたはずなのに、実際に聞くと、
心が張り裂けそうに、痛い。
みんなの帰り道を考慮してチョイスしたお店は、宮田のいる川原ジムの最寄駅にあるイタリアン。
なんだか嫌な予感がするなと思いつつも、ランチが始まるとすぐにそんな予感も吹っ飛んでしまった。
「じゃ、卒業旅行、計画しようね!」
「また電話する!」
ランチが終わって各自が帰路につく。
普段のバスならミズキと同じ帰り道だが、この駅からだと奈々は歩いて帰った方が近く、帰りは自然と一人で道を歩くことになった。
気がつけば時間は15時すぎ。
一体何時間食べて話していたんだろう、と改めて女子に潜むオバサンパワーみたいなものを感じては、ニヤニヤと笑みがこみ上げてくる。
その時、そんな楽しい気分をガラガラと崩すかのように、目の前に見慣れた人影が現れた。
「・・・よぉ」
これからジムに行くのか、大きなカバンを肩にかけ、スポーツウェアに身をまとった宮田がこちらに向かって歩いてきている。
そこで奈々はハッと、ここが川原ジムの近くだということを思い出した。
相変わらずのポーカーフェイスで、考えていることが読めない。
奈々の前まできて、立ち止まってくれるかと思ったら、そのまま歩き過ぎようとする。
「え・・・ちょっと待ってよ!」
宮田の冷たい態度が意外すぎて、思わず引き止めてしまった。
「・・・なんか用か?」
しばらく話していないから、もうどんな距離感で話していたか思い出せない。
こんなに冷たい人だったっけ?と思い出とのギャップを埋めるのに時間がかかる。
「あの・・・海外に行くって、聞いたんだけど」
「そうだよ」
やっぱり、例の彼女の言うことは本当だった。
「どうして?」
「ん?」
「どうして海外に行くの?」
違う。
こんなことを聞きたいんじゃない。
「武者修行・・・みたいなもんさ」
「じゃあ、どうして・・・」
「なんだよ」
「どうして私に何も、言ってくれなかったの」
違う。
宮田を責めるつもりじゃないのに。
「お前に言う必要あるのかよ」
そうくると思った。
宮田は絶対、そう言うと思った。
覚悟していたはずなのに、実際に聞くと、
心が張り裂けそうに、痛い。