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数年前の話
それは、猟奇的といえる事件だった。
大物政治家と有力者が殺害されたこの事件。
警察が駆けつけたところ犯人は既に絶命、近くには二人の子供が佇んでおり、
その側には殺害に使われたであろう自動拳銃が落ちていた。
被害者が原形を留めていないことから、猟奇的思考の元犯行に及んだとされている。
犯人は警察官で、体内からは薬物が検出された。
関係者によるとストレスから薬物に手を出した様子で、警察側は再犯防止に努めると会見で述べた。
しかし、その会見は意味を成さず、暫くは警察の信頼が傾いた状況となる。
そして、偶然かどうかは分からないが、
事件の数日後、伝説のグループ The Dirty Dawg が突如解散した。
多くの人がこの解散にショックを受け、いつしかその事件は忘れ去られていた。
夢であって欲しかった。
早く忘れてしまいたかった。
けれど、根付いて離れなかった。
あの日の悲鳴、奇声、銃声…。
広がる血臭、赤い海、そして、大好きな匂い。
もう見たくない、あんな姿は。
けれど……。
…非力な自分に、何が出来るってんだ……。
あの人は言った、生きててくれ、と。
彼らも言った、生きろ、と。
私は、自分が、嫌いだ。