無表情な編入生
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徐々にE組に慣れてきたさん。
様子も以前本校舎に居たときと変わらぬものになっていた。
E組に落ちたものの、本校舎のファンから毎朝ファンレターを持って登校してくるという、女子からのモテっぷりも健在だ。
さんに対して男子たちの反応はというと…
前原は師匠と崇め、
磯貝は委員長としてなのかよく声をかけていた。
その中でもカルマはさんを弄り、よく絡んでいるようだ
それ以外の生徒はなんでもそつなくこなすさんへの男子たちの態度はほぼ対等のような感じだった。
女子の反応で一番目立つのは倉橋。
「烏間先生の次にまじかっこいい!」とミーハー全開だった。
あれからは平穏な日々。
今は休み時間中で暗殺バドミントンを楽しんでいる。
暗殺バドミントン、初参加のさん。やはり普通のバドミントンとは違い要領を得ない。
そんな様子をカルマもカエデや、渚と見つめていた。
「さんって運動神経抜群って聞いたけどやっぱりアレになると難しいよね~」
いつの間にか自然に名前呼びになっていたカルマに渚は少し驚いたがすぐに気を取り戻し そうだね、と答える。
渚の代わりにカエデが興奮気味に「カルマくんいつの間に名無しさんのこと名前で呼んでるの!ずるい!!」と食い付く。
その言葉に対してカルマからの反応はなく、じーっと窓の外を見つめているかと思えば小さく「あ…」と呟く。
釣られて渚とカエデも窓の外に目を向けるとさんが膝を擦りむく怪我をしていた。
「わ!名無しさん大丈夫かな…」とカエデがオロオロするが教室にはもうカルマの姿はなかったーーー
一緒に暗殺バドミントンをしていた磯貝たちが駆け寄るが、『舐めときゃ治るよ』となんとも男らしい一言を表情を崩さず答えるさん。
「それもそーか」と岡島に言われ、
「一応消毒して来いよ」と磯貝に声をかけられる。
出血もあったので流して来ようと素直に磯貝の言葉を聞き入れ水道のほうに向かうさん
するとカルマが水道まで駆け寄ってきて大丈夫かと心配する。
『舐めときゃ治る』と先ほどと同じセリフを吐くが「女の子なんだから。傷が残ったらどーすんの。」と返される。
『………』
キョト、とほうけるさん。彼女にとってその一言は意外なものだった。
いつもは岡島のように放っておかれてほぼ男扱いのようなものなのだが。
水場のフチにスカートで平気に足を掛けている自分と、その足元で傷口を流してくれているカルマに先ほどまで微塵もなかった羞恥心が一気に溢れ足を降ろす。
さんの顔はみるみる赤みを帯びている。
「ちょっと!
ちゃんと流せないじゃん!」
傷口を流すのに夢中だったカルマがさんのほうに顔を向けると耳まで真っ赤になってそっぽを向いた彼女がいた。
(………え。なにその反応。)
キョトンとするカルマに対し、
『も、もう大丈夫!!ほ、保健室行ってくるから…!』
とまだ尚驚いたような表情のカルマを置いて真っ赤な顔のまま逃げるように走っていった
女の子なんだから、とかそんなこと初めて言われた…っ!
くすぐったいようななんとも言い難い気持ちを鎮めようと必死に保健室に向かって走るさんだった。
一方カルマは……
彼女のあんな表情を見たのは初めてだった。
雰囲気は柔らかくなったものの、いつもはほぼ無表情な癖に。
笑顔だってないのに。
照れたときだけあんな顔をするなんて…
「……反則じゃね?」
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