一学期
Name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その日の帰り。
気付くとカルマは居らず珍しく先に帰ったのかとさんも久しぶりに一人で帰路についていた
家に着く直前だった
「さん。」
そう呼ばれパッと振り返る
『あ……、しゅうくん…」
「久しぶりだな、さん。」
そこに居たのは従兄弟にあたる彼。
浅野学秀だった
(一瞬、カルマかと思った…)
「今回の期末テスト。君は散々だったね。やはりA組に居たほうがよかったんだ。父さんもなぜ君をE組に落としたのか…理解できない」
そう言われ悔しさはあるが私になにも言い返す権利はない
彼の足元にも及ばなかったのだから
沸々と悔しさが再燃する
『……………。用件はそれだけ?』
「僕が父さんに言ってさんをA組に戻す」
『なぜ?』
「今回の結果がすべてだろう?」
『私の成績が落ちたのはE組に行ったからじゃない。あと、E組に"落ちた"って表現するの、やめて。』
「だったら早くA組に戻っておいで。君の料理もそろそろ食べたくなってきた頃だ。」
(なに、その言い方…)
確かに彼とは、親戚というのもあり、昔からよく私の家に来て一緒にご飯を食べていた
父さんが亡くなってから
作る相手が急に居なくなるとメリハリがないだろう、と食材を買ってきては作れとせがんできた
一見自分勝手のように思うが、
それが彼なりの優しさだと思っていた。
そんな彼に救われたところもあった。
なのに……
……いや、本当は気付いていた
私がE組になってから。
E組に"落ちた"から貴方はパッタリ家に来なくなったんだ。
A組に行ったらまた来る?
そんな肩書きで繋がったモノなんて要らない。
昔はそんなことなかったのに…
『…しゅうくん、変わったね。
…私はA組に"落ちる"つもりないから。』
そう言って彼を残して家に入っていった
…その会話をカルマが聞いていたことも知らずに。
.