一学期
Name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
~さんside~
最近、カルマと別行動させてくれない…
なにかと捕まることが多い。
登下校、昼休み、放課後も一緒に帰るのが気まずいから宿題を教室でしてから帰ろうとするのに「俺もー♩」と先に帰ってくれない…
でも、私はこの今の関係が心地良かった。
友達として、カルマの近くに居られれば。
ーーーーーーーーーーーーー
今日の放課後は寺坂くんが殺せんせーを暗殺するから協力しろ、とのことだった。
ただ、私は放課後、本校舎のある人物に会いに行かねばならず不参加を申し出た。
「よく来ましたね、さん。」
『はい、理事長』
その相手は理事長。
浅野學峯だった。
「E組での生活はどうです?」
ニッコリとしているはずなのにこの人の周りは空気が冷えている気がする。
『えぇ、…問題ありません…。』
「問題……ねぇ。」
何か含みのあるような目線でジッと私を見つめてくる
あぁ、昔からこの人の目は苦手だ。
「君が望むなら、今回の期末テストの点数次第ではA組に戻すことは可能ですよ。今の君なら、ね。」
『……………。』
「君の父親のように腑抜けたままではどちらにせよE組行きだったでしょう。あなたが私の」『理事長。』
『必要ありません。お心遣い痛み入ります。でも、今回の期末テストは全力で取り組みます。』
『あなたの姪としてではなく、E組の一員として。』
「…まぁ、どちらでも構わないよ。優秀な生徒がいるのはこちらとしても大歓迎だ。」
『……失礼します。』
思えば、昔から。
あの人は私の父を馬鹿にしていた
「だからお前は~~なんだ。」
「ヘラヘラするな」
「そんな甘い考えだから~~」
あの人は父に…
弟に向かって口を出すと大体同じ台詞が出ていた。
そして、葬式の日。
父の遺体の前で
「弱いから騙される
弱いから死ぬ」
そう涙ひとつ見せず無表情にポツリと言い放ったのを私は忘れない
私は私のやり方であの男に父の生き方を肯定させてやる…!
カルマや、先生が気付かせてくれた、父の本当の強さを。
.