一学期
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(※イトナの話は主人公との絡みが思いつかないので← 省きます。許してつかぁさい。)
浅野と偶然遭遇したり、転校生である堀部糸成が来たり、殺せんせーとの兄弟疑惑、バトル勃発…、色々あったが、
最近さんが焦ったのは
ビッチ先生とのキス事件、
そして、カルマと居るときに浅野に出会ってしまったことだ。
さんには実は父親のことの他にもうひとつ、重要な隠し事があった。
それがわかるのは、もう少しあとの話ーーーーーーー
時は流れ、今日は球技大会。
早々にバスケで負けてしまった女子たちは男子の応援に向かうべくグラウンドに向かう。
「いやー、惜しかったぁ。」
莉桜が手で風を自分に送りながら言う。
それに対してメグが「だね!次リベンジ!」と賛同する。
カエデは足を引っ張った、と落ち込んでいる様子だった。
陽菜乃がさんの腕に巻きついて「さんがかなーり活躍してたね!超かっこよかった!興奮した!」とテンション高く話す。
その様子にさんは可愛い、とほわ、と心が暖まるのを感じる。
メグにも「ほんと!他のクラスの女子たちもさんに釘付けだったよね」と笑う。
ハハ、と苦笑いを浮かべ気付くとグラウンドが見えた。
そんなイケメンなさんだが、そんな彼女を虜にする男もいるのだ。
『……変なナレーションやめてよ、莉桜。』
苦笑いを強めてジロ、と睨む。
『虜になってないから。』
と莉桜に対して否定する。
「え、そうなの?」とニヤニヤ笑う莉桜に呆れながら そうだよ、と返すさん。
「でも、実質カルマはさんのこと好きだと思うけどなぁ。」
真剣な表情でさんを真っ直ぐ見つめる莉桜に少し顔を赤らめながらそれも否定する。
「それはさんも私もだけど、否定する権利はないのだよ…!」そう力説され、確かに、となぜか妙に納得してしまうさん。
そう言いつつ、莉桜は確信していた。
絶対カルマはさんが好きだ、と。
あの、ビッチ先生とのキス事件。
誰とキスしようがなにも反応してこなかった癖にさんにだけあの庇いよう。
好きじゃなかったら逆になんなのか。
だが、鈍感なさんは気づいてなどいないだろう。
少し揺さぶりをかけるつもりでさんに問いかける。
「でもさ?さん。よく考えみてよ。当たり前のように隣に居る人が急に居なくなったら?
カルマに彼女ができて、一緒に居られなくなったらどう?」
そう莉桜に問われ、
うーん、と悩むさん。
いつまでもウンウンと悩む彼女にまだわかんないか、と莉桜は諦めた。
ふと、さんの背後に駆け寄ってくる噂の人物が見えた
「ほら、噂をすればなんとやら、だよ。」
ーーーーーーーーーーーーーー
~さん side~
莉桜にカルマが急に側にいなくなったら?と問われ、
カルマが自分の側から居なくなるのを想像する
当たり前のように一緒の登下校とか
隣の席で話している時間だとか…
それがなくなるのは正直ピンと来ない
カルマに彼女ができたら…
カルマが好きで、幸せなら良いのではないか
と頭で考えるがどうしても腑に落ちない。
彼といるのは心地が良い。
それは間違いない。
だが、カルマの幸せを心から願えない自分に対して訳がわからなかったと同時に自分はそんな人間なのか…とショックだった
ウンウン唸っていると、
「ほら、噂をすればなんとやら、だよ。」
と莉桜に言われ後ろを振り返ると、そこにはカルマが居た。
先ほどまで話していた内容を思い出し、少し恥ずかしくなるが平静を装って『頑張れ』と声をかける。
ニヤリ、と笑って「アイツらに一杯喰わせてやんないとね。」とイタズラっぽく笑った
そんなカルマの表情にドキリと胸が高鳴る。心臓がうるさい。
アレ?なんだこれ。
胸の辺りをグッと掴むとすぐ心臓は静かになった。
莉桜が変なこと言うから…
思わず莉桜の方を見ると少し驚いたような表情のあと グッと親指を立ててきた。
なんなの…。
そうこうしていると試合が始まった。
バントが決まって、杉野くんがヒット。3点先制!!良い雰囲気だと思ったら監督が理事長になって形成逆転だ。
だが、殺監督も負けじと指示を出す。
進藤くんがバッターボックスに立つとゼロ距離の位置で磯貝くんとカルマが立つ。
「え、危ないでしょ…」
ザワザワと周りが騒つく。
無理もない。
だが、私は、
E組の女子たちはわかっていた。
2人なら大丈夫だと。
私の胸はドキドキしていた。
確実に高揚している。
進藤くんがバットを振るとほとんど動かず磯貝くんとカルマはすんでのところで避けた。
この胸の高鳴りは。
ただただ単純なもの。
「殺すつもりで振ってごらん?」
ギュウ、と心臓が締め付けられる。
カルマってあんなにカッコ良かったっけ?
うわああああ!と進藤くんがバットを振るが芯に当たらず、
トリプルプレーで試合終了。
E組が見事勝利した。
勝利の余韻も相まってか、
ドキドキとまだ心臓がうるさい。
カルマしか見えていなかった。
心臓が痛いほどに。
「カルマに彼女ができて、一緒に居られなくなったらどう?」
カルマに彼女ができて幸せになることがイヤなのではない。
その相手が自分でないことがイヤだと、
気付いてしまった
.