一学期
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~カルマ side~
風呂上がりにジュースを買って1人自販機の前でボーッとしていた。
すると同じようにジュースを買いに来た風呂上がりの女子たちに遭遇する。
その中にはさんも居た。
身長が高い分よく目立つ。
風呂上がり、髪が濡れ、頬が上気し、ややピンクに染まったさんをみて何故か昼間の背中に感じた柔らかい感触を思い出した。
誤魔化すよう先ほど買ったレモン煮オレをグッと飲み干す。
さんを見ていた俺と中村の視線がぶつかりニヤリとした笑顔を向けられる。
(うわ、めんどくせぇ…)
俺はそそくさと部屋に戻った。
部屋に戻ると男子たちはなにやら面白いことをしていた。
気になる女子ランキング。
見ると神崎が一位。
続いて矢田、倉橋、茅野、片岡…
と紙にある。
そこの一番下。
そこには名無し とあった。
見ると一票だけ入っている
誰が入れたのかかなり気になる。
木村にクラスで気になる奴はと聞かれる。
「うーん。俺は奥田さんかな。」
そう答えると前原に意外だと驚かれた。
驚いたのは前原だけではないようで、クラスの男子ほとんどが俺のほうを目を丸くして見ていた。
「だって彼女、怪しげな薬とかクロロホルムとか作れそーだし。
俺のイタズラの幅が広がるじゃん♩」
と笑ってみせると
前原に「絶対にくっつかせたくない2人だな」と苦笑いされた。
ふいに磯貝に「カルマは名無しを選ぶと思った」と言われ少し驚いた
「だってカルマのさんへの絡み方って他の女子とちげーもんな」
前原にそう指摘され周りの男子を見ると ウンウン、と
頷いている。
するとふいに磯貝が、
「カルマの前では言わないほうがいいかと思ったが…実は俺、名無しに票入れたんだ。でも違うならちょっと安心した。」
と言ってきた。
周りの男子たちが「まじか!!」と騒ぎ立てる
さんに票を入れたのは磯貝だったのか、と気になっていた答えがわかりスッキリする。
「皆、この投票結果は男子の秘密な。知られたくない奴が大半だろーし。
女子や先生に絶対に…」
途中で磯貝が台詞を切り何事かと向けられている方に視線をやると、殺せんせーがニヤニヤとメモを取って逃げていった。
バタバタと男子たちが部屋を出て行く。
大部屋に残された俺はスッキリ、
したはずが余計にモヤモヤと胸の違和感が拭えなかった。
磯貝はさんのことが好きで、
…俺は?
確かに、さんと仲が良いとは思う。
最初色々あったし……
同じく大部屋に残った渚くんに聞こえるか聞こえないかの声で問う
「じゃあ俺は奥田さんが気になってて奥田さんが好きってことになる、のか?」
すると渚くんは苦笑いしながら
「それは違うって自分でもわかってるでしょ?」と言われる
「……そうだね」
「名無しさんのことカルマくんは好きじゃないの?」
「…………。」
最初、すごく嫌な奴だと思った
E組に来た嫌悪なのかと思われたら
そうではなくて。
周りからは凛々しく、美しいと思われていても
脆い部分もあって
なのに、他人のこととなると周りが見えなくなるくらい強くて
無表情なのに律儀に反応を返すところとか
顔が真っ赤になるのはすぐ出るところとか…
「…目が離せない。って感じかな」
「………カルマくん。
頭良いのにそーゆう所はアレなんだね…」
渚くんに苦笑いされ「はぁ?」と声に出る
なにソレ。どーゆう意味、と言う前に渚くんは鏡を見ろ、とでも言うように洗面所を指さす
なんなんだ、
と心の中で毒づきながら鏡の前に立つ
そこには顔が真っ赤になった自分の姿が映っていた
「………は?」
「もう僕からしたらそれが答えだと思うよ」
眉を下げながら笑い俺の肩をポンと叩いて渚くんは大部屋から出て行った。
ーーーーーーーーーー
~さん side~
お風呂上がり、部屋ではクラスの男子で誰が良いか、の話で盛り上がっていた。
倉橋さんは烏間先生!と意気揚々と答える。
それに対して中村さんがそんなのつまんない、と言うようにクラスの男子だ、と限定する。
「えー。」と不服そうな倉橋さんだったが、「男子じゃないけどクラスだったら名無しさんがカッコイイ!!」と急に私を向いた。
「ハハ。私もそうかも。」
片岡さんまで…。
「うちのクラスだったら磯貝と前原くらい?」
中村さんが話を戻す。
内心安堵しつつ盛り上がる女子たち。
「顔だけならカルマくんもカッコイイよね!」と矢田さんが言うが「素行さえよければね…」という言葉に皆がウンウンと頷く。
すると奥田さんが
「うーん、でも意外と怖くないですよ。」
とカルマをフォローする。
続いて茅野さんが「普段は大人しいし。」と同じようにフォローを入れる
「野生動物か。」
速水さん。
私も同じこと思ったよ…。
茅野さんがチラリ、と私をみて「名無しさんはカルマとどうなの?」と聞いてきた。
焦る間もなく中村さんが「思ったー♩」とにじりにじりとこちらへ寄ってくる。
『別になにもないよ…?』
なぜか部屋の隅まで追いやられる。
なぜ自分と彼の名前が急に挙がるのかわからずとりあえず否定するが、彼女たちには私の言葉が届いていないようだ。
「カルマってさー、基本女子には紳士的じゃん?でも名無しさん相手だと素というか…、なんか特別感あんだよねー」
中村さんがニヤニヤとつついてくる
『それは友達だし…』
「そうそう!しかもいつの間にか名前!呼び捨て同士だし!」
となぜか悔しそうに私の言葉を茅野さんが遮る
『じゃあ、みんなのこと名前で呼んで良いなら…、呼びたい…』
前から思っていたことだったのでチャンスだと思った。
倉橋さんが「名無しさん可愛い~~!」とガバッと抱きついてくる。
いや、倉橋さんのほうが可愛いよ。と小さい彼女の頭を撫でると「はう!//」と変な声を出してゴロゴロと擦り寄ってくる。
…猫みたいだ。
「倉橋さん、じゃなくて?」
と彼女に上目遣いでこちらをキラキラした目で見つめられる。
なんだか変な気分になりながら、
『ひなの、ちゃん?』と応えると「ひなのって呼んで~!」とまた抱きつかれた。
「あ、ずるい!」と茅野さんにも カエデね!と迫られる。
茅野さん、
…カエデも小動物みたい。
ふ、と留守番中のサクラを思い出しカエデの頭をそっと撫でる。
カエデは「こりゃ女子からモテるわけだわ…」と頬を赤らめていた。
この事があり、クラスの女子ほとんどを名前で呼ぶことになった。
この後、有希子ちゃんが莉桜とカエデに攻められ、ビッチ先生の話を聞いて、殺せんせーが自然に紛れこんできて……
私にとって、本当に楽しい時間を過ごすことができた。
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