一学期
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~さん side~
「お。気が付いたね。」
ふ、と心地良い揺れに目を開ける。
目の前にはカルマの赤い髪があった。
『!?』
気がつくと私はカルマの背中に乗っていた。
所謂、おんぶされている状態だ。
自分の肩にはカルマの黒いカーディガンが掛けられている。
「あんま離れると見えるよ?」
そう彼に言われ ん? と自分の胸元を見ると大きく開かれ、下着がチラリと見えていた。
そうだった…!と思い出し
バッ!ともう一度彼の背中に身を縮こませる。
すると、ピクリと彼の背中が揺れたあと、盛大なため息が漏れた。
??
『!!』
はっ、と気付いて
『ご、ごめん!重いよね!もう大丈夫!降りる!』
慌てて声をかけるが
「…その格好で?」と言われてしまい
デスヨネ、と消沈する。
また彼は はぁ、と大きく息を吐き
「鈍感。」と此方をチラリと見て呆れている様子だった。
私の頭には ? が浮かび心当たりを探す。
そんな私の思考をカルマは遮った
「茅野ちゃんから聞いたよ。必死で茅野ちゃんと神崎さんに手を出させまいと頑張ってたって。」
そう言われ あ…、とかう…、としか言葉が出なかった。
「神崎さんもさんのこと格好よかったってさ。」
少し嬉しくなりつつ、『2人が無事なら良かった。』と呟く。
「俺は焦ったよ。そーんな格好してさ。アイツら、病院送りじゃ足りなかったね。」
そう悔しそうに呟く。
気がつけば今日泊まる旅館に着いた。
女子が泊まる大部屋まで運んでくれたカルマにありがとう、とお礼を言う。
すっと背中から降ろされ、前が見えないようカルマの黒いカーディガンをぎゅっと握る。
じゃあ、カーディガンはまた後で返すね、と部屋に入ろうとするが
カルマに腕を掴まれ阻止される。
「前にも言ったよね?」
そう言われ 以前言われた何かを思い出そうと考えていると
「女の子なんだからって。」
と答えを出され、途端にあの時の水場でのことを思い出す。
「茅野ちゃんや神崎さんを守ったことは凄いことだし誰でもできることじゃない。
でも、背が高くたって
イケメンって周りから騒がれたって
さんは紛れもなく女の子なんだから。
もっと自分のこと大切にしなよ。」
そう、悲しそうな、優しい笑顔でポン、と頭に手が置かれる。
『う、うん…』
そう言うしかなかった。
彼の背中を見送りながら、
案外しっかりしてたなぁ、なんてぼーっと考えていると
「見ぃーちゃったぁ。」
と背中をツウ…と指でなぞられる。
『ヒッ!!』
バッと振り返ると中村さんがニヤニヤしながらウシシ、と笑う。
「デキてんの?」と聞かれるがなにができているのかわからず 何が? と聞くと中村さんは途端に「あぁ!カルマ可哀想…!」と嘆く
とりあえず着替えてきな、と背中を押され私も思い出したようにバタバタと部屋に入り着替えた。
本当に今日は色々あった1日だった…。
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