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真っ白い世界に私は立っていた。
何もない真っ白い世界。
けれど何も恐怖は感じない。
だってここは夢の中だから。
大好きな母もよく予知夢のような夢を見る。
母の娘である私も遺伝でそのような力がある。
一人白い世界に立っているといつの間にか目の前に男の人が立っていた。
―……お前は、誰だ?―
「私?私は小蘭。貴方は?」
―…俺は、そう……マルコだ―
金髪の独特な髪形をしている男はただ静かに私を見ている。目と目があったのでニッコリと笑いかけてから優しく話しかけた。
「貴方はどうしてここにいるの?」
―……分からない。気が付いたらここにいた―
「そう。ここはね、私の夢の中」
―……ゆ、め?俺は夢の中にいるのかよい……―
「うん。……だからもう大丈夫、だよ?」
―……え?―
「マルコさん、とっても悲しそう。ここは安全だから、何もかも吐き出して良いんだよ?」
―…吐き出す…?―
こんなにも苦しそうで悲しそうな顔をしている人を放っておけるわけがない。
きっと意味がある。彼がここに立っている理由がある筈だ。
「そう。だってあなた苦しそう。ここは私の夢の中……私の夢の中に来れた以上、貴方も私もお互いに敵じゃない」
―…本当に?―
「大丈夫。私は貴方の味方だから」
私は静かに微笑む。
夢の中で一人寂しく佇む金髪の彼、マルコさんの頬に一つの雫が垂れた。
とても警戒心が強そうな人の様だけど、涙を見せるという事はきっと誰かに話をしたかったのかもしれない。誰かに胸の内を吐き出したかったのかもしれない。
―みんな、みんないなくなってしまったんだよい……―
「うん」
―親父も、エースも、サッチも死んじまった。沢山の家族があの時死んじまった。それからも沢山見送った―
「…うん」
―俺は長男だ、だから親父が死んでからみんなを守らねぇといけねぇから……必死に生きていたよい―
「…頑張ったね」
―……けど、疲れた―
「うん」
―……全部全部皆に任せて、最悪の形で皆を裏切って、俺は一人海に帰ったんだ―
「……うん」
両手を見つめながら顔を歪めるマルコさんは何処か迷子の子供の様で、私自身も胸が苦しくなった。
沢山、沢山、頑張ったから、疲れちゃったんだろうなぁ、と涙を溢すマルコさんを見つめながら思う。
―勿論、心残りはある。……皆を守れなかったこと、皆を不幸にしたことだけは、俺は……―
「……そっか。なら、海に帰った事には後悔した?」
―して、ないよい……。あれは俺にとって、あの時の一番の選択だった―
「なら、大丈夫だよ。」
―……え?―
「私とあなたに縁ができたもの。」
周りが薄くなっていく。
私が起床しようとしている証拠だ。
何処か慌てた様にマルコさんが私に手を伸ばしてきた。
―お、おい!―
「貴方の望みはなに?」
―の、望み!?―
「何を、したいの?」
―な、にをしたいって、そりゃあ勿論運命を変えたい!―
言葉は言霊だ。マルコさんが直接どうしたいかを口にしたからこそ出来る事がある。
「分かった。
このカードキャプターが、貴方の望みを叶える事に協力するよ」
―……カード、キャプター……?―
「マルコさん、忘れないで。
『絶対だいじょうぶだよ』
私がマルコさんに向かって無敵の呪文を呟いた直後、世界は暗転した。
何もない真っ白い世界。
けれど何も恐怖は感じない。
だってここは夢の中だから。
大好きな母もよく予知夢のような夢を見る。
母の娘である私も遺伝でそのような力がある。
一人白い世界に立っているといつの間にか目の前に男の人が立っていた。
―……お前は、誰だ?―
「私?私は小蘭。貴方は?」
―…俺は、そう……マルコだ―
金髪の独特な髪形をしている男はただ静かに私を見ている。目と目があったのでニッコリと笑いかけてから優しく話しかけた。
「貴方はどうしてここにいるの?」
―……分からない。気が付いたらここにいた―
「そう。ここはね、私の夢の中」
―……ゆ、め?俺は夢の中にいるのかよい……―
「うん。……だからもう大丈夫、だよ?」
―……え?―
「マルコさん、とっても悲しそう。ここは安全だから、何もかも吐き出して良いんだよ?」
―…吐き出す…?―
こんなにも苦しそうで悲しそうな顔をしている人を放っておけるわけがない。
きっと意味がある。彼がここに立っている理由がある筈だ。
「そう。だってあなた苦しそう。ここは私の夢の中……私の夢の中に来れた以上、貴方も私もお互いに敵じゃない」
―…本当に?―
「大丈夫。私は貴方の味方だから」
私は静かに微笑む。
夢の中で一人寂しく佇む金髪の彼、マルコさんの頬に一つの雫が垂れた。
とても警戒心が強そうな人の様だけど、涙を見せるという事はきっと誰かに話をしたかったのかもしれない。誰かに胸の内を吐き出したかったのかもしれない。
―みんな、みんないなくなってしまったんだよい……―
「うん」
―親父も、エースも、サッチも死んじまった。沢山の家族があの時死んじまった。それからも沢山見送った―
「…うん」
―俺は長男だ、だから親父が死んでからみんなを守らねぇといけねぇから……必死に生きていたよい―
「…頑張ったね」
―……けど、疲れた―
「うん」
―……全部全部皆に任せて、最悪の形で皆を裏切って、俺は一人海に帰ったんだ―
「……うん」
両手を見つめながら顔を歪めるマルコさんは何処か迷子の子供の様で、私自身も胸が苦しくなった。
沢山、沢山、頑張ったから、疲れちゃったんだろうなぁ、と涙を溢すマルコさんを見つめながら思う。
―勿論、心残りはある。……皆を守れなかったこと、皆を不幸にしたことだけは、俺は……―
「……そっか。なら、海に帰った事には後悔した?」
―して、ないよい……。あれは俺にとって、あの時の一番の選択だった―
「なら、大丈夫だよ。」
―……え?―
「私とあなたに縁ができたもの。」
周りが薄くなっていく。
私が起床しようとしている証拠だ。
何処か慌てた様にマルコさんが私に手を伸ばしてきた。
―お、おい!―
「貴方の望みはなに?」
―の、望み!?―
「何を、したいの?」
―な、にをしたいって、そりゃあ勿論運命を変えたい!―
言葉は言霊だ。マルコさんが直接どうしたいかを口にしたからこそ出来る事がある。
「分かった。
このカードキャプターが、貴方の望みを叶える事に協力するよ」
―……カード、キャプター……?―
「マルコさん、忘れないで。
『絶対だいじょうぶだよ』
私がマルコさんに向かって無敵の呪文を呟いた直後、世界は暗転した。
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