(女主視点)

そもそも私は平凡な人間だった。
一般的に幸せだと言える家庭に生まれ、学校ではクラスメートに恵まれ、近所に一個下の仲の良い幼馴染がいて、平凡な夢を持って、社会人になっても普通に生きて……。

そんな平凡な私は、死んだ。死因はよくあるような死因じゃない。殺されたのだ、幼馴染に。
仲が良いと思っていたのは私だけで、クラスメートに恵まれていたと思っていたのは私だけで、幸せだと思っていた家族も、偽りだった。
驚愕の真実だったがその幼馴染は私の片方血が繋がった妹だった。私の母親と幼馴染の父親が昔付き合っていて私を妊娠していると知らずに別れ、母は今の父親と結婚した。

幼馴染の父親は母に捨てられてから色々あって結婚し、幼馴染が生まれた。
その後は酷かった。なぜか分からないけれど私の(実質血の繋がりのない)父親がその幼馴染の母親と浮気をしていた。
そして私の(血の繋がりのない)父親は本気で浮気相手を好きになり、二人で逃避行に走った。

それからはもう大変だ。近所からは白い目で見られ、妻を愛していた幼馴染の父親はノイローゼになり、想像通り家庭崩壊。
私の母もいなくなった父親を愛していたから精神的に病んでしまい、結果自殺。
それからひょんな事から私が幼馴染の父親と血が繋がっている事が判明し、身寄りのない私はその幼馴染の家に引き取られることとなったけど……もう地獄だった。
(実質血の繋がりのある)義父は私を視界にいれる度に私の母親の名前を呼び、優しかった幼馴染は私を睨むようになり、

そして包丁で私を刺した。
自分が不幸になったのはお前のせいだということだった。
むしろ私も被害者だと思う。

近所ではひそひそ声で悪口を言われ、学校では虐められて、その度に幼馴染みの君を庇いながら毎日生きてたんだ。一足先に社会人になった私は君と義父を養ってたんだ。
それなのにこの仕打ち。


こんど生まれ変わるなら、普通に生きたい。
もうちょっと家庭環境がマシなところがいい。
それで今度こそ平凡な人生を歩みたいな。

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そして私が生まれ変わるとそこは忍者がいる世界だった。
生まれ変わる前の世界とは全く違う世界……こんなところで生きていけるのかな。

そして聞こえてきたのは火影がどうたら一族がどうたら…。
生まれてきた所はあまり有名じゃない一族だった。

そして私に姉がいて、なんと前世で私を殺した妹が今は姉だった。そんな姉は神童らしい。
とても物わかりが良く、同世代より早く寝返りとかはいはいとか立てるようになったらしい。
恐らく私と同じく前の世界の記憶があるのだろう。

私はというとめんどうだから従来の赤ちゃんに合わせていたら、なんと出来損ない扱い。
一族総出で５つ上の姉を可愛がり、生まれてすぐの私はお手伝いに押しつけてほったらかし。

なんということだ。
幸いなのがそのお手伝いさんだけは私を愛してくれたから……まだ幸せだったかもしれない。
それから私はお手伝いさんに連れられてその一族と縁を切る事となり、私の家族であるはずの人たちは喜んで私をお手伝いさんに押しつけた。

なんとも私というものは家族とやらに恵まれていないらしい。
別にもう今更家族にこだわる気はない。……悲しくもなんともない。
お手伝いさん―花さんがいるからそれで良いや、そう思ってる。
それに子供を簡単に蔑ろにできる家族なんて私にはいらない。

それから私はそのお手伝いさんの姓を名乗るようになり、そもそも名前すらつけてもらえなかったからそのお手伝いさんにつけてもらった。

そして今日、私はアカデミーを卒業した。