波風ミナトはその時を待っている
「ごめん。……君の期待には、応えることはできない」
「そ、そっか、、変な事言っちゃってゴメンね、ミナトくん……!」
少女は今にも泣き出しそうな顔でミナトの前から駆け出していってた。
少女が走って行った方向を見つめながら波風ミナトは今日何度目になるかわからないため息を漏らす。
「おーおー!色男は大変だなぁ!ミナト」
「シカク……」
「応えてやりゃあー良かったのに」
「……冗談はよしてくれよ」
全くお前は真面目なんだからよぉ、とミナトの肩に腕を回しながら奈良シカクはおちょくるように言った。
「今日は12人ってところか?」
「……18人だよ」
「最高記録じゃねぇか!?」
耳元で声を上げたシカクにミナトは眉をしかめた。
18人、、そう、今日は18人もの少女たちが涙を飲んだのだ。
波風ミナトはモテる。体術忍術座学もトップ、成績優秀、スポーツ万能、おまけにこのルックスだ。くノ一達がミナトをほっておくわけがない。
今までそれなりに告白をされていた経験があるミナトなのだが、今回告白をしてくるくノ一達は以前のくノ一達とは少々違うのだ。
「健気じゃねぇーか!好きな男にハジメテを捧げたいなんてよぉ」
「……」
呆れたミナトはジト目ででシカクを見た。
そう、そうなのだ。肉体関係を持ちかけるくノ一達が現在ミナトを悩ませている原因の1つなのだ。
事の始まりは先月、くノ一の色の講座が始まったのがきっかけであである。
木の葉では16歳になると、くのいち達は色の講座を受けるのが決まりになっている。
「今年のくノ一達はみんなミナトが食ったって噂だぜ?」
なんて不名誉な!と言いたげなミナトはますます不機嫌な顔でシカクを睨む。
「そんなこと、するわけないだろ」
「ジョーダンだって!機嫌直せよミナト!」
「……」
「……まぁなんだ、お前が心配してる事なんか何もねーよ」
「!」
ミナトはハッと顔を上げてシカクを見た。
シカクはニヤニヤとしながらミナトを見つめる。
「うずまきは誰のとこにも行ってないって言ってたぜ」
「……そう」
そっけない言葉とは裏腹にホッとした顔をしたミナトをシカクは見逃さない。
未だ現れない少女に、もしかしたらもう別の男のもとに行ってしまったのかもしれない、そんな事ばかり考えしまうミナトには朗報だった。
「ミナト、うずまきのことになると分かり易すぎ」
「……知ってる」
「否定なしかよ」
ミナトは元気な赤髪の少女が頬を染めて自分を訪ねてくる姿を思い浮かべる。好きな女の子から紡がれる言葉はどれほど甘いものなのか。
そんな淡い期待をしては、落胆する日々を送っている。
———俺を選んでくれたらいいのに——
「そ、そっか、、変な事言っちゃってゴメンね、ミナトくん……!」
少女は今にも泣き出しそうな顔でミナトの前から駆け出していってた。
少女が走って行った方向を見つめながら波風ミナトは今日何度目になるかわからないため息を漏らす。
「おーおー!色男は大変だなぁ!ミナト」
「シカク……」
「応えてやりゃあー良かったのに」
「……冗談はよしてくれよ」
全くお前は真面目なんだからよぉ、とミナトの肩に腕を回しながら奈良シカクはおちょくるように言った。
「今日は12人ってところか?」
「……18人だよ」
「最高記録じゃねぇか!?」
耳元で声を上げたシカクにミナトは眉をしかめた。
18人、、そう、今日は18人もの少女たちが涙を飲んだのだ。
波風ミナトはモテる。体術忍術座学もトップ、成績優秀、スポーツ万能、おまけにこのルックスだ。くノ一達がミナトをほっておくわけがない。
今までそれなりに告白をされていた経験があるミナトなのだが、今回告白をしてくるくノ一達は以前のくノ一達とは少々違うのだ。
「健気じゃねぇーか!好きな男にハジメテを捧げたいなんてよぉ」
「……」
呆れたミナトはジト目ででシカクを見た。
そう、そうなのだ。肉体関係を持ちかけるくノ一達が現在ミナトを悩ませている原因の1つなのだ。
事の始まりは先月、くノ一の色の講座が始まったのがきっかけであである。
木の葉では16歳になると、くのいち達は色の講座を受けるのが決まりになっている。
「今年のくノ一達はみんなミナトが食ったって噂だぜ?」
なんて不名誉な!と言いたげなミナトはますます不機嫌な顔でシカクを睨む。
「そんなこと、するわけないだろ」
「ジョーダンだって!機嫌直せよミナト!」
「……」
「……まぁなんだ、お前が心配してる事なんか何もねーよ」
「!」
ミナトはハッと顔を上げてシカクを見た。
シカクはニヤニヤとしながらミナトを見つめる。
「うずまきは誰のとこにも行ってないって言ってたぜ」
「……そう」
そっけない言葉とは裏腹にホッとした顔をしたミナトをシカクは見逃さない。
未だ現れない少女に、もしかしたらもう別の男のもとに行ってしまったのかもしれない、そんな事ばかり考えしまうミナトには朗報だった。
「ミナト、うずまきのことになると分かり易すぎ」
「……知ってる」
「否定なしかよ」
ミナトは元気な赤髪の少女が頬を染めて自分を訪ねてくる姿を思い浮かべる。好きな女の子から紡がれる言葉はどれほど甘いものなのか。
そんな淡い期待をしては、落胆する日々を送っている。
———俺を選んでくれたらいいのに——
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