自然豊な村があった。

そこには身も心も美しい優しい娘がいた。

名は主人公

人のために怒り、人のために涙を流す。

自分をいつも犠牲にし、いつも1人で悩み、いつも苦しむ。そんな時出会った。

夏油傑にーー


ーーーー…


チュンチュン…

雀のなく声がし主人公は窓を開け食料を雀にまく。

チュンチュン

｢ん？なぁに？｣

チュンチュン！チュチュン！

｢そう…呪術師の子が虐げられてるのね。いつも情報をくれてありがとう｣

チュン！

救わなければ…

｢…｣

何故…何故、呪術師を虐げる？同じ人間の腹から生まれた大切な命…何故嫌う、何故冷たくする

人が人を認めず…おかしいだろう。どんな裕福だろうが地位が低かろうが…同じ人間なのに…

主人公は武器を持ち虐げられている子を救うため村を出た。

ー化け物！ー

…ズキ………

ーーーー…

｢｢夏油様どこか行くの？｣｣

｢あぁ、菜々子、美々子と同じ思いをしてる子がいるらしくてね｣

｢｢…｣｣

｢いい子で待ってるんだよ？｣

｢｢はい！｣｣

夏油は菜々子、美々子達の所から離れ、虐げられている子達の所へ足を運ぶ。

一方主人公は目的地まで着いていた。

｢ここか…｣

ざっ…

足をさらに進めると男4人が

｢あ？んだ女、ここになんかようかよ ｣

｢ここからは通れねぇぞ！｣

｢お！いい女じゃねぇか！｣

｢ちょっと付き合えよ｣

すると主人公は鋭い目付きになり

｢下がれ｣

低い声でそう言った。男達は一瞬怯えるが

｢こいつ…！｣

｢てめぇ！調子づいてんじゃ…(バキャッ！｢ぐっ！｣

ドサドサッ

主人公は男4人を気絶させ牢の奥へ行く

ざっ…

ぅあ〜ん…あ〜…ん

｢！｣

歩いていた主人公だったが泣き声が聞こえた途端走り出した。

何故幼い子供を傷つける！

ギリ…

許せない……非術師は…本当に守るべきなのか？

泣き声が聞こえてくる扉を開けた

バァン！

｢その子達から離れろ！！｣

｢なっ…なんだ！お前は！｣

｢お、おい！この女消せ！！｣

｢…！｣

あんな幼い子を…

小さな男の子、小さな女の子。服はボロボロ、体は傷だらけ。

｢制裁する｣

｢私もそうするよ｣

…え……？

そこには長髪の男が立っていた。

誰…？

｢君はこの子達を救おうとしているんだろう？｣

｢え…ええ｣

｢私も救う気だ｣

｢……｣

主人公は

ふ、と笑って見せた

｢じゃあ仲間ね｣

男もニコッと笑った

主人公は殺す気はなかった。男は殺す気だった。

男は平気な顔で人を殺してたが主人公は怒りはわかなかった。

その場を制止、主人公は子達に声をかけた

｢大丈夫？…ごめんね、怖い思いをさせてしまったね｣

｢お姉さん…｣

女の子が主人公に抱きつく。すると

｢うっ…うぅ…ひっく……｣

｢辛かったね…｣

主人公はその子のため涙を流した。

夏油はその様子を見て思った。

聖母のようだ。傷ついた幼い子の命を抱きしめ優しく包み涙を流す……

｢君もおいで？｣

後ろに立っていた男の子に主人公は手を差し伸べる

男の子は少し迷ったが主人公の元へ足を動かした

ぎゅ

主人公は男の子も抱きしめ

｢行き場がないなら私の所へ来なさい。貴方達と同じ呪術師の子供が沢山いるから｣

｢沢山？｣

男の子が声を出す

｢私は君達と同じ思いをした子供の親代わりをしてる｣

｢ママになってくれるの？｣

女の子は主人公に縋るように聞いた

｢ええ、ママになるよ、貴方が望むなら｣

女の子はパアッと顔を明るくさせた。

｢ママって呼んでいい？｣

｢うん｣

女の子はまた嬉しそうにし今まで口を挟まなかった夏油が

｢君、名前は？｣

と、聞いてきた。

｢私は苗字主人公。貴方は？ ｣

｢夏油傑｣

｢…素敵な名前ね｣

にこ、…と主人公は笑ってみせた。

これが傑と主人公の出会いだった。