「そういえばよぉ……お前、これからどこに住むんだ？」
「へ？」

ギルドの騒ぎが落ち着いてきた頃、グレイはおもむろにユウリに問いかけた。
ユウリは、キョトンとした顔の後、サッと顔を青ざめさせた。

「なんだよユウリ、住む所ねぇのか？」

その様子を見てナツが言う。
ハッピーは、「オイラたちの家に一緒に住む！？」などと言っているが、「んなの認めるか！！」と何故かグレイが否定した。

「ど、どうしよ……考えてなかった……」

しょもんとするユウリに、グレイは眉を下げる。

「昨日ギルドに入ったって言ってたよな。昨日はどうしてたんだ？」
「昨日は総長（ﾏｽﾀｰ）のご好意で、ギルドの仮眠室をお借りしました。」
「ふーーん。」
「お前が聞いたんだろ……もう少しまともに返事してやれよ……」

マイペースすぎるナツをグレイは呆れたような目で見る。

「なら、よ……その、」
「？」

続くグレイの言葉に、ユウリは首を傾げる。

「俺ん家、来るか？」
「グレイお前、ムッツリにも程があるだろ。」
「あぁ！？んだテメェ、喧嘩売ってんのか！？」

ナツとグレイが喧嘩しそうになったその時、ユウリはキョトンとした顔から、すぐにパァァと顔を輝かせ、性懲りも無くグレイに抱きついた。

「嬉しい〜〜〜っ！！！！」
「だぁかぁらぁーーーーーー…！」

グレイはもはや諦めモードどころか、嬉しそうである。

「やっぱりムッツリじゃねぇか。」
「どぅえきてぇるぅぅ…」

ナツとハッピーの言葉はお互い以外は誰にも届かずに消えた。