序章
夢主の名前
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日本は、上司達との忘年会の間に、新年会の誘いも受けていた。
つい最近忘年会をしたばかりだというのに、新年は新年でまた会食をするのだと、少し体力的な抵抗もありつつ、日本は参加することにした。
普段は恒例行事に参加する程度の感覚だったものの、今回の新年会に関しては、彼にはどうしても参加したい理由があった。
__________今年の新年会には、普段会食に参加しないあの萩原もいると聞いたのだ。
人望を獲得しようとしているのか、総裁選に向けて何か根回しをしようとしているのか、どのみち萩原は、日本が一目置いている政治家なのだ。なにか実際に手を貸すことはなくても、彼がどのように動くのかは気になっている。
新年会当日、日本は指定された料亭へ向かった。
会食する部屋へ仲居が案内し、部屋の障子が開かれると、そこには先日顔を合わせたばかりの萩原がいた。
「こんばんは、萩原さん。先日はご自宅にお招きいただき、ありがとうございました。」
萩原は先日の翳っていた目のまま、日本が自分の正面に座るのを目で追っていた。
「やあ日本、君とこういう場で会うのは初めてだな。」
「そうですね、本日はよろしくお願いいたします。」
「ああ…」
「…」
「先日は…すまなかったな。」
「えっ…」
「君を味方につけて総裁選に挑もうとした。君に対して、感情的にもなった。冷静さを欠いていたよ。本当に、申し訳ない。」
「いいえ、私を味方につけたい候補者は多くいますよ。私が付くということは、民意が付くことを表しますからね。」
「それはそうだな。切り札だ、君は。」
「なあ、君の話を聞かせてくれないか?」
「…私の話、ですか?」
「もう私から話すことはない。君の話が聞きたいんだ。」
「特に、君の大事にする、あの少女についてね。」
「っ…」
「実は、君には嘘の時間を伝えたんだ。少し早めに来てもらったよ。」
「え?」
「総裁選で君を味方につけることはもう諦めた。だが、君の、国家絡みの隠し事に探りを入れることは諦めていない。」
「皆君を慕い、君を信じているから、彼女について黙認しているんだろう?いつかは、はっきりさせるべきことだろう。」
「…ええ、わかっていますよ。」
「なあ、一体彼女は何者なんだ?」
「…」
「彼女の名前は、本田紅葉。」
「半永久的な命を得た、人間ですよ。」